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ゾンビーナ!  作者: とれさん
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99 新発売へのデモンストレーション


モルタルを商品として売り出す為日向子達は石灰を集め粉に加工する事に尽力していた


『この粉が水と土で固まるとモルタルになるのだな?』


「うん、理屈は分からないけどね」


正直日向子も理屈迄は分かっていないがモルタルの作り方は何となく分かる


「でもこれだけだと固まっても水を吸うと脆くなる場合があってね、

それを補う為に中に鉄の棒とかを格子状に組んで入れて固めたモノを作るのよ」


今は日向子の淡い記憶だけが頼りなのでキメ達は素直に従う


「試しに四角の板を作ってみましょ」


日向子は木の板で枠を作り練ったモルタルを中に流し込む


「これで良し、っと…バハちゃん火を吹ける?」


<造作もない>


「じゃあここに軽く吹いてみて」


…ゴォォォ…


せっかちな日向子はモルタルを早く乾かす為にバハムートに火を吐かせてみる


「どれどれ?あ、表面は乾いたみたいね。でも中まではまだだろうからこのまま1日置いておこう」


日向子達はモルタルが乾く迄知識交換で時間を潰す事にした


「で、これが「スマホ」ってヤツなのよ」


日向子は人魚達が守っている島で見つけた異世界人の遺品?であるスマホを取り出した


『…この小さな箱で遠くの人間と話したり「ネット」とかいう世界と繋がれるのか?』


「うん。まぁネットも電話も他に機材が必要だから今はただの箱に近いけど…写真なら撮れるわ」


日向子はカメラを立ち上げてキメやシルグ、バハムート達を撮影する


『なっ⁉これがワシか?』


<…確かにシルグ様のお姿です>


シルグは初めて見る自身の姿にビックリしている


『ぶ、文明の利器とは凄いモノだな…』


「こんな事も出来るわよ?」


日向子は音楽アプリを起動して中に入っていた洋楽を流す


ージャーン♪ジャジャーン♪ー


《神の御業だな》


「あはは、そこまで大袈裟じゃないけどね」


『これ程の道具を個人で所有していたとは…やはり主殿の世界はこの世界より千年以上は進んでおったのだな』


「うーん、良し悪しはあると思うけどね」


日向子はスマホの電源を落とした


「機材や設備がなくて繋がらない以上これはただの箱よ、箱」


『…うーむ、これを売り出せば儲かりそうだがな…』


意外と商魂逞しいシルグは残念そうに呟いた


「まだ思いつきはしないけど私が知ってる知識でこの世界に還元したらお金になるアイデアはまだあるかもね」


日向子の言葉にシルグの目はドルマークになっていた


「あ、そろそろ乾いたかしら?」


異文化交流に夢中になったお陰で結構な時間が経っていたのに気付いた日向子はモルタルの乾燥具合をチェックする為に外に出た


…コンコン…


「まぁ見た目は成功ね」


バハムート達の火のお陰で乾燥時価が大幅に短縮されモルタルはおおよそ固まった様だ


『どれ?』


ズズン…ビキビキッ‼



「《<<。。。あっ…>>》」


乾いたとは言え試験的に薄く撒いたモルタルはシルグの重さに耐えられず一気に砕けてしまった


「もう‼シルちゃんったら‼」


『…すまぬ…』


日向子は五千歳以上歳の離れた竜を叱り竜は面目無さげに謝る


バハムートやキメはその光景を信じられないと言った表情で見つめていた


「まぁでもこれでモルタルは出来るのを確認出来たわ。次は鉄筋を入れて実験ね」


キメに村の鍛冶屋に細い鉄の棒を発注しておいたのを取りに行かせ升目に組む

そこに荒い砂利を混ぜたモルタルを流し込みバハムートの炎で乾燥を促進させた


「どれどれ?」


コンコン


「良い感じじゃないかな?ちょっとシルちゃん乗ってみて?」


『大丈夫なのか?先程は砕けてしまったが…』


シルグは恐る恐る鉄筋コンクリートに乗ってみる


『おおっ‼理屈は分からぬが確かに強度が段違いに上がったようだな』


「成功みたいね。シルちゃんが飛んだり跳ねたりしたら壊れるけどかなり強度はある筈よ?」


日向子達は実験の成功に大いに満足し販売方法等に議論を移した


ーエレモス城近郊ー


「日向子よ、これがそちの言う「鉄筋コンクリート」で作られた建物か?」


国王は見た事もない灰色の立方体に興味津々である


「はい。因みに隣に同じサイズの煉瓦作りの家も用意しました」


日向子は比較対照として村の職人に頼んで同じサイズの家を急遽作って貰ったのだ


「して強度をどうやって調べる?破壊槌でも使うのか?」


「まぁご覧になっていて下さい。シルちゃんお願いね」


…グルォォォッ‼


シルグは人型から元のドラゴン姿に戻って煉瓦作りの家に乗った


ゴバッ‼ガラガラガラガラ…


「煉瓦作りではこんな感じになりますが…」


ズズン。。。


「おお~!確かにドラゴンが乗ってもヒビ一つ入らんな‼」


「でしょ?私の国ではこれで建物を建てたり…トーチカを作ったりしますよ」


「トーチカとは何だ?」


「戦争時に使う要塞の事です。って銃がないから意味ないのかな?」


「「銃」? 」


「えーっと…火薬を使って鉄の弾丸を打ち出す道具です」


「…それは恐ろしげな武器だな…それは売れぬのか?」


「あー、構造とか正直分からないのでちょっと無理ですねぇ…」


「国王、この「トーチカ」なるモノ、出城の建設に役に立ちませんか?」


「なるほどの。」


「あ、それと火災の延焼が木造よりも抑えられます」


「ほう、それは良いな!では早速1区画を実験的に鉄筋コンクリート作りで建築して見よう」


「毎度あり~!シルちゃんやったね♪」


日向子達はハイタッチして喜んだ

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