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ゾンビーナ!  作者: とれさん
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98 新しい知識と新商売


ーシルグ達の住処ー


「…と言う訳で前の世界では機械が発展した文明だったのよ」


日向子達はシルグの居間で勉強会をしている


『何と…その機械で人は地を走り空を飛び海を潜るのか…』


《俺の体の秘密がそういう形で解明されているとはな…》


日向子の話す前世の文明はシルグ達に大いにショックを与えた


『それにしても…神獣も魔物もいない世界で何故我等の存在が知られていたのだろうな』


「うーん…詳しくはないけど古い書物には想像上の生物や魔法等が書かれていたのよね

それが本当にあったかは分からないけど人はそれを恐れたり敬ったりしていたわ」


<そもそも信仰によって同じ神が全く違う存在になるのも面白いですね>


「それもねぇ、多分実在していないから都合良く変えちゃったんだと思うのよね、人の」


ある地域では破壊神が他方では豊穣の神となるのは地域性と宗教が権力者によって歪められたりした結果なのだろう


「じゃあ今度はシルちゃん達の知ってる事を教えて」


『良かろう。先ずは四竜の存在からだな…』


シルグは自らの存在から語り出した


西の未開の土地には四竜というドラゴンを筆頭とした竜族魔物がおり


・四竜=火・風・土・水

火=炎のワイト

風=風のシルグ

土=地のラルド

水=海のオーシュ


が数多の竜種をそれぞれ従えている


従えていると言っても従属させている訳ではなく大抵は寄らば大樹の陰的に集っているだけだと言う


四竜はその中でも長寿で五千歳以上は生き各々が強大な力を有している


魔物の中でも人語を話せるのは多細胞のキマイラを除けば竜種が一番多く長く生きたモノは話せる可能性が高いそうだ


「なるほどねぇ…私の世界でも竜種は知能が高いと書かれていたわね」


『そうか、他の世界の同族にも会ってみたいモノだな』


シルグは感心していたがふと思い出した様に日向子に訊ねる


『ところでこの洞穴に使われている「モルタル」とか言う物質、これをこの世界で流通させてはどうか?』


「え?これを?」


『うむ。生成が楽で岩と同等の強度があるなど魔法の様ではないか』


《確かに量産化したら建築にかなりの革新になるやも知れませんね》


「そっか、モルタルで鉄筋コンクリート作ればビルも建てられちゃうもんね」


『ビル?』


「えぇ、こんな感じで…」


日向子はモルタルの中に鉄筋を入れ強度を上げる方法とそれで作られるビルの絵を地面に描く


『…主殿の世界ではこんな高層の建物が建っておったのか…』


「私の記憶では830mが最高だったかしら」


日向子は建設当時話題になったドバイにあるブルジュ・ハリファビルを思い出した


『…そのメートル?というのは単位か?』


「あ、そうね。私の世界では長さの単位が幾つかあって…シルちゃんは大体15m位かな?」


日向子は指を尺取り虫の様に動かして適当に測った


『ワシが15mで主殿の世界の建物が830mだと…?』


「まぁざっくりだけどシルちゃんが縦に55体肩車すると同じ高さって事になるかな?」


《…それは天を衝いてしまうのでは?》


「あはは、まさかぁ‼成層圏までは100km近くある筈だから宇宙には飛び出さないわよ」


『宇宙??』


「あー、そうか…そこからよね」


日向子はシルグ達に天体や宇宙の説明を追加した


『主殿のいた世界の文明は一体どこまで高度に進んでおったのだ?』


シルグは目を白黒させて驚いている


「向こうは魔法とか不思議要素がなかった分科学や機械が発達してたからね」


『そういう知恵をこの世界に還元すればきっとワシ等の食費の足しになるぞ?』


「そうねぇ…じゃあ先ずはモルタルからやって見ましょうか」


日向子達は次の日から生石灰作りの為材料探しをする事になった


ーーーーーーー


「良い?石灰は貝殻を焼いても作れるけど岩からも出来るわ。こんな層で白い所とかね」


《石灰かそうでないかを見分ける方法はあるのか?》


「そうねぇ…キメちゃん、酸を吐く生き物とかいない?」


《そうだな…竜種の下位にいるな》


『主殿、「酸」とは何かな?』


「簡単に言うとモノを溶かしちゃう液体ね」


<それなら俺達も出せるぞ>


「あ、じゃあ試しにこの生石灰にかけてみて」


<分かった>


…ジャッ‼ジュゥゥ…ブクブク…


「あ、これなら大丈夫かも?」


『一体何の真似なのだ?』


「石灰は塩酸浴びると泡を出しながら溶けるのね。だからバハちゃんの溶解液で判定可能なの」


<む。良く分からぬが泡を出して溶けた岩を集めれば良いのだな?>


「そうね、白い所を持って来てくれる?」


<<分かった>>


バハムート達は早速断層がありそうな山岳地帯へ飛んで行った


「私達は貝殻を拾って来たりしましょ」


『《分かった》』


こうして半日程で集めた石灰は小山程積み上がったのである

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