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ゾンビーナ!  作者: とれさん
92/378

92 ドラゴン退治 part4


タタタッ…ズサッ


「…どうやらあそこがドラゴン達の住処みたいね」


日向子達が観察している先には大きな洞穴が口を開けていた

入り口周りにはドラゴネットやサラマンダー達が周囲を警戒する様に蠢いている


「困ったなぁ…洞穴に籠られてたらどの位数がいるか分からないわ…」


…ギャギャ‼


「ん?」


《ラゴが仲間のフリをして偵察して来るそうだ》


「…大丈夫なの?もしバレたら…」


ギャース‼


《任せておけ、だそうだ》


「気をつけてね、ラゴちゃん」


日向子はラゴの頭を優しく撫でた


ギャオ‼…バサッ、バサッ、


ラゴは日向子達の下を飛び立つと迂回しながら洞穴に向かって行った


ギャギャッ‼

ギャギギ‼


「…どうやら潜入は無事出来た様ね…」


ラゴが洞穴の奥に飛んで行くのを確認した日向子はホッと一安心する


《主よ、念の為に俺も潜入しようか》


「え?出来るの?」


《これなら容易いだろう》


グルル…モコモコ…


キメは体からサラマンダーを生成してみせる


「…本当に何でも出て来るわね」


《以前取り込んだ生物だ。早速洞穴に向かわせよう》


キメは生み出したサラマンダーを洞穴に向けて進ませる


これもまた同族と判断されたのか見張り達をスルーして洞穴の中に容易く入って行く


ー一時間後ー


バサッ、バサッ、ギャース‼


「あ、ラゴちゃん?」


ギャース♪


「良かった、無事だったのね?」


日向子はラゴに抱きついて沢山撫でてあげる


クルルル…


ラゴが気持ち良さそうに目を細めているとキメの分身体であるサラマンダーも戻ってきた


キシャーッ‼モコモコモコ…


サラマンダーはキメの体に触れた瞬間キメの中に取り込まれる


《…良し、大まかに実数が分かったぞ》


「本当?」


ギャース‼


《ラゴはより深く潜ってドラゴンの所迄行った様だ》


「ありがと、みんな」


日向子はキメも沢山撫でてあけた


。。。


「じゃあ入り口付近にドラゴネット50体、サラマンダー20体、奥には更に数百体ずついるのね?」


日向子はキメ達の報告を元に地面に大まかな分布図を書いている


《更にドラゴンの周りにはヒュドラやワイバーン、バハムート等強大な眷属も数体控えていたそうだ》


キメはラゴの言葉を訳して身震いしている


「…キメちゃんが怖がる程強いの?」


《ああ。それらが一体でもいれば俺と相討ちが関の山だろう》


「…そんなに強いんだ?じゃあ尚更黙って帰る訳にはいかないわね…」


日向子が使役する中でも多分キメが一番日向子の実力を知っているだろう


その認識でも先の眷属達は危険が大きすぎると読んでいた


《…主よ、多分1人では…》


「やって見なくちゃ分からないじゃない?やれるだけやってヤバくなったら速攻で逃げるわよ」


本来なら死と隣り合わせの危険な行為なのに笑みを溢す日向子にキメは底知れぬ恐怖を感じていた


「じゃあラゴちゃんとキメちゃんは入り口付近を宜しくね。私は状況次第で奥に進むわ」


ギャア?


「ん?何?ラゴちゃん」


《それは作戦と呼べるのか?と言ってるぞ》


「あはは、どうせ総当たりになるからね。倒せるだけ倒したら逃げましょ」


元々楽観的な日向子には戦略という文字は似合わなかった


「じゃあ行くよ、ゴー‼」


日向子は全身を使い地面と水平に跳躍した


グバッ‼ゴーーー、ザザシュッ!


両手の手甲剣が驚異的な加速度で入り口のドラゴネットやサラマンダーを捉え切り裂いていく


ギャッ‼グガァッ‼


…ィィィーン…ゴバァッ‼


ゴギャッ‼ガルッ⁉


日向子が入り口を突破して数秒後、衝撃波がドラゴネット達を襲った


壁に叩きつけられ絶命するモノや仲間同士で衝突して怪我を負うモノが続出し

遅れて来たキメとラゴが倒す必要がない程壊滅的な光景だった


…ギャギャ?


《…あぁ、主はドラゴン以上かもな》


キメは完全に日向子の力量を見誤っていた

今までの戦闘から換算したパワーバランスではこの数のドラゴン系魔物に対して苦戦するだろうと踏んでいたのだが実際は一閃だった


《良し‼ラゴ、残党を倒して早く主の下に急ごう!》


ギャース‼


キメとラゴは日向子が討ち漏らした残りを殲滅し洞穴の奥に急いだ


ーガッッ、ガッッ、ザシュッ!


グギャッ⁉ゴアァッ‼


洞穴というフィールドは日向子にとって最良の場所であった


壁に囲まれた場所は日向子の跳躍力と掛け合わされて異次元の動きを可能にしている


普段であれば足場のない空中に飛べば着地迄は力が込められないが洞穴なら壁から壁に跳んで踏ん張れる


まるでピンボールの玉の様に弾ける日向子の体術に魔物達は目で捉える事も叶わず瞬時に斬り伏せられていく


《グルァァァァッ!》ゴバァッ!


あっと言う間に奥に進んだ日向子を待ち受けていたかの様に火球が襲う


…グバッ!


《ッ!?》


洞穴の幅一杯に広がった炎の塊を日向子は避ける事なく突き抜けた


手甲剣で前方をガードしきりもみ状態で突破したのだ


その勢いのまま火球を吐いた魔物に突進する


ギャルルルルルッ!


《ギャアーーーッ!》


火球を吐いたのはドラゴンを守る様に囲んでいたヒュドラだった


ドリルの様に突っ込んできた日向子の攻撃を避けきれずヒュドラはその体躯に持つ数本の「頭」を吹き飛ばされていた

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