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ゾンビーナ!  作者: とれさん
82/378

82 新たな展開


「では姉御、行ってきます‼」

「じゃあ行ってきまーす」


先日から神獣運輸に就職したガンザ達はコロン達女性御者のサポート役として同行している


はオフィスラブにときめいていたガンザ達も「女性の強さ」を目の当たりにして大分落ち着いてきていた


「ほら‼ドンガさん達もチャッチャと荷物積んで?」


「は、はひぃ‼」


スリ達と組んでいるドンガとラーガは完全に尻に敷かれて馬車馬の様にこき使われていた


「じゃあこっちも出まーす」


「はーい、気をつけてね」


漸く荷物を積んだスリ組も少し遅れて届け先に向けて出発した


「ヒナちゃん、今日は西の高原に出た魔物の討伐と王様が呼んでるから行ってみてね」


「了解、じゃあ先に魔物片付けてから行くわね。被害が出たら大変だもん」


「ゴメリさんは村の近くに出た魔物の探索と若者達への剣術指南の依頼が入ってます」


「そうか。ではリース、行こう」

「はいっ‼」


ここ最近ゴメリとリースコンビは良い感じに連携が取れている


ゴメリは気付いていないが慕っているリースからしてみれば邪魔が入らない絶好のチャンスだった


「そうね…ダドン君は私と一緒に討伐に来る?」


日向子はあぶれているダドンに討伐の手伝いをさせようとしている


「お願いします‼」


ダドンは嬉々として応えた


ヤンチャなお年頃のダドン達も単純な荷役作業より派手な討伐依頼の方に憧れていたのだ


「テロンさん、ダドン君に何か武器を見繕ってくれる?」


「あ、はーい」


テロンは事務所の奥にある用具室にダドンを案内した


。。。


「じゃあ行ってきまーす‼」


「お気をつけてー‼」


日向子はキメに跨がり出発する

ダドンは日向子を乗せられずスネるニルに乗せて貰ってビクビクしていた


「そうねぇ、男性陣様に新たに乗り物が必要かしらね?」


ダドンの命令を完全に無視して日向子の後についてくるニルを見て日向子が呟いた


だが相手は魔物(神獣)だ、欲しいからと手に入れられる存在ではなかったのだった


ダダッ、ダダッ、ドガガッ


日向子達は目撃情報のあった西の高原に到着した


「じゃあドンガ君、周囲を捜索して魔物の痕跡を見つけてね」


ー十分後ー


「姉御、この辺にはいないですね…移動したんですかね?」


「依頼された時間を考えるとその可能性も否定出来ないわね…」


《いや…いるぞ。気配を感じる》


キメは日向子達に警戒を促した


…バサッ、バサッ‼ギャーッ!


「う、うわぁぁぁっ⁉」


ドンガは空から飛来した何かに掴まれ空へと連れ去られた


「⁉キメちゃんお願い‼」


日向子は直ちにキメに跨がり後を追う


…バサッ、バサッ、バサッ、


「キメちゃん、あれは?」


《ドラゴネットだ。小型のドラゴンで群れで生活している》


「群れ?」


《多分後を追えば奴らの巣に辿り着くぞ》


「そう…じゃあ一気に殲滅するしかないかな…人を襲ってるしね」


《まぁアイツらには人か動物かの区別はついていないがな》


日向子達は先を飛ぶドラゴネットに気付かれない様に後を追った


バサッ、バサッ…ギャギャッ‼


…ギャアッ‼ギャアッ‼ギャアッ‼


ドンガを拐ったドラゴネットが目の前の崖に一鳴きすると崖の何処かから返事の様な鳴き声が響いてきた


「あー、あの辺が巣になるのかなぁ?」


《ああ、かなりの数がいる気配がするぞ》


このままではドンガはドラゴネット達のご飯になりかねない


日向子は手甲剣を出して身構える


ギャギャッ⁉ギャーッ!


キメか日向子の殺気に気付いたドラゴネット達が急に警戒音を発する


「痛ててっ⁉」


ドンガは少し高い所から巣に落とされ痛がっている


「ヤバいっ‼ドンガさん食べられちゃう‼」


日向子は向かってくるドラゴネットをキメに任せ背から飛び降りる


「あっ⁉ひゃっ⁉食わないでぇ‼」


降下中の日向子の前で軽く啄まれているドンガ


「えいっ!」


ドガガッッ!


日向子は最前列でドンガを啄もうとしているドラゴネット達をキックで払う


ギャギャッ⁉


ドラゴネットが数体弾き飛ばされ日向子はドンガの前に着地した


「あ…姉御ぉ~…」


近くでドンガを見ると甘噛み程度ではなく結構ガチで啄まれていた様だ


「もう大丈夫よ、これ飲んでおいて!」


日向子はウシャ爺謹製の回復薬をドンガに手渡す


「さぁ、食べるつもりなら容赦しないから掛かっておいでっ!」


仲間を傷つけられた怒りで殺気を放っているのかドラゴネット達はたじろいだまま襲って来なくなっていた


ギャァァァッ‼…ドサンッ‼


膠着状態を破ったのはキメに倒された大きいドラゴネットが墜ちて地面に叩きつけられた時だ


ギャ?ギャギャギャッ‼


キメが倒した個体がおそらくこのドラゴネット達のリーダーだったのだろう

ボスを失った群れは一気に闘争心を失い恭順の姿勢を示し始めた


「…うーん…なんか降参してるっぽいんだけど…どうしよっか?」


日向子はキメに訊ねる


《ドラゴネットは懐柔させても災いをもたらすだけだぞ?》


「うーん…どうしよう?」


日向子はドラゴネットを飼うか悩んでいた

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