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ゾンビーナ!  作者: とれさん
69/378

69 ゴメリの代わり


リース達がゴメリを危篤状態迄弄んだ翌日、

日向子はゴメリが引き受ける筈だった討伐依頼を代行していた


ガァァッ‼

シュッ‼

ギャッ⁉


「ふぅ、意外と魔物があちこちに出てるのね…しかも1匹2匹とかで…」


日向子が参加する討伐は中規模以上のパンデミック状態の時ばかりなので

細々とした討伐はほぼ初めてに近かった


「これ…発生頻度とかエリア分けしてみたら予測出来るのかも?」


こう思い立ったのは代行してから3日後、一昨日討伐した場所に再び魔物が発生したのを発見したからである


「ただいまー」

「あ、日向子さんお帰りなさい」

「リースさんちょっと良い?」


日向子は事務所に戻り運行表を作成していたリースに声を掛ける


「はい、何ですか?」


「あのね、さっき気付いたんだけど魔物の発生ってどこかこう…偏りがあるなって」


「そうですねぇ…経験上人や動物がいる場所の近くに発生してる場合が多いかも知れませんね」


「でしょ?これをパターン化して地図とかに記していけばハザードマップが出来るんじゃないかな?」


「?パター?ハザ…?」


「あ、ゴメンゴメン‼魔物が発生した場所を毎回書き記していけば危険な場所を特定出来るんじゃないかな?って事よ」


「…成る程…それは興味深いですね。もしそれが可能なら人的被害が大幅に減るかも知れません」


「あのさ、護衛兵の所に日報というか魔物を討伐した記録とか残してあるのかな?」


「あぁ、それなら出向日時と場所、魔物の種族とかを記録した書類がありますよ」


「そう!じゃあ早速王様にこの事を話して調べさせて貰って来るね‼」


日向子はキメに跨がり城へと飛翔していった


「…あっ⁉次の討伐依頼があるのに‼」


日向子は既に姿が見えなくなっていた為その後の依頼はリースとシロ達が代行の代行をする羽目になった


ーエレモス城ー


「…成る程な。魔物の発生を事前に予測出来るやも知れんのだな?」


「はい。予測は出来なくてもこの場所は危険だとかこの時期は近寄らない方が良い程度の警告は可能だと思います」


「誰か‼護衛部に討伐記録を持って来させろ‼」


国王の命令に兵は即座に動き直ぐに記録が持ち込まれる


「シジルよ、今の日向子の話は理解したか?」


「はい王様。この記録の日時、場所、種族等を抜き出して《グラフ化》?すれば宜しいのですね?」


「うむ。民の為に早急にまとめてくれ」


「畏まりました‼」


現護衛兵隊長シジルは討伐記録を持って退室する


「ところで日向子よ、運輸の方は上手くいっておるのか?」


国王は日向子に訊ねる


「はい、逆に上手く行き過ぎて手が回らない位です」


「そうかそうか、それは重畳。もし何か困った事があれば我に遠慮なく申すが良いぞ」


「いつも気に掛けて頂いて感謝してます‼」


「うむ。万が一立ち行かぬ事になったら我の側室の席はいつでも空けてあるからな」


「えっ⁉またまたぁ~、ご冗談を。では仕事に戻りますね♪」


「…冗談ではないのだがな…」


国王はそそくさと立ち去る日向子の背中にそう呟いた


ー神獸運輸事務所ー


「ただいまー」


「あっ‼日向子さんお帰りなさい」


「あれっ?リースさんは?」


「日向子さんが出て行った後討伐の依頼をこなしにシロ達と出掛けましたよ」


「あ、まだ依頼残ってたんだ?悪い事したなぁ…」


日向子は紅茶を淹れて啜りながらリースの帰りを待つ事にした


ーその日の夕刻ー


「ねぇ、いくら何でも遅くない?」


「そうですね…確か依頼内容では少数の魔物の討伐依頼だった様な…」


「それって何処に出たの?」


「えっと…」


テロンは依頼書をペラペラとめくりリースの出向先を調べる


「東の…高原の手前ですね、薬草を採りに行った村人数人が猫型の魔物に襲われたそうです」


「そっか…ちょっと見てくるわ」


「そうですね、じゃあもう1つ討伐依頼が入っているんですけど明日に回します」


「ん?依頼が入ってるなら先にそっちを片付けてから向かうわよ。何処に行けば良いの?」


「こっちは…南西の大森林の手前ですね。やはり猫型の魔物が村人により確認されてます」


「猫型の魔物か…関連性あるのかな?」


「分かりませんがこっちは緊急度が低いと書いてありますね」


「分かった、じゃあ南西に向かってからリースさんの所に向かうわね」


「お気をつけて‼」


日向子はキメに跨がり南西へと向かった


ー南西大森林近郊ー


ギニャァァオッ‼ガルルッ‼


「あれだ‼キメちゃんお願い‼」


日向子は眼下で野生の馬を襲っている猫型魔物を目視し降下を始める


!?フーーーーッ‼


猫型魔物は空から降下してくる日向子達の気配をいち早く察知し威嚇を始める


「近くで見たらこれって…」


日向子の目に映る魔物は確かに「猫型」の姿をしていたが猫は猫でも肉食の獰猛な「猫」だった


「ねぇキメちゃん、あれって何の種族だか分かる?」


《アレはサーバルキャットという種族ダ。牙が特に危険》


サーバルキャット、その体躯は前の世界に豹やピューマに似ているがその口には2本の長い牙が生えている


「じゃあここは私がやるね‼」


日向子はそう言うとキメの背中から飛び降りて着地しざまに2頭のサーバルキャットの首を刎ねた


ブシューーー‼


サーバルキャットは自身の死を感じる事なく血飛沫を上げ倒れた


「ここはこれで大丈夫みたいね、じゃあリースさんの所に急ごう‼」


日向子とキメはリースの下へと急ぐのであった

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