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ゾンビーナ!  作者: とれさん
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65 ドルネの危機 part7


ドルネはタルバが漏らした衝撃の真実に言葉を失った


「そうよ、殿下はヤガン殿と亡くなされた先妃との間に生まれた不実の子よ。」


タルバはサラッと国家機密級の爆弾発言をする


「そうか…その事をサルバ王様は…」


「ガッハッハッ‼知っていたら継承権なぞ持たせる筈がなかろう?

第一王子が出来が悪く第2継承権を持つそのお子も病弱だ、

いずれはハバル殿下がサルバの王となられヤガン殿は影の実力者となるのだ!」


タルバは感ここに極まれり、と言った表情で両手を挙げて喜びを表していた


「お前の亡き後ワシはお前の商会を買収しエレモス領内でも実権を得る。

そして殿下と宰相の庇護の下ワシは歴史に名を刻む程の大商人として君臨するのだ!」


もうタルバは自分の世界にトリップしていて手がつけられない


「さあ、与太話もここまでだ‼早速神獸を譲渡する書類とお前の商会の譲渡書にサインして貰おうか‼」


タルバのお付きがドルネの前に書類を並べる


「…くっ…くはははっ‼」


ドルネは余りの茶番劇に笑い出す


「な、何がおかしい?気でも触れたか⁉」


「フフッ…貴様は勘違いしている。俺の商会は手中に収められるだろうが

肝心の神獸は俺のモノではないのだよ」


「な、何を戯れ言を‼神獸達を使って商売しているのはお前の愛人ではないかっ!」


「…愛人とは失礼ね!」


日向子は聞き捨てならない言葉に怒りの表情でタルバの前に姿を現す


「なっ⁉貴様何処から⁉」


「キメちゃん!」


ブーン、ブンッブンッ‼


「ぎゃっ⁉」「ひぃっ⁉」


バタバタ…


キメの放った蜂達に刺されその場にいたタルバの配下は全て昏倒した


「ききき、貴様っ‼何をしたっ‼」


「お仲間さん達には眠って貰ったわ、ゴメリさんお願い‼」


「おう、任せておけ‼」


ゴメリとリースは手慣れた仕草でタルバの配下を縛り上げていく


「…こういう事だよ、タルバ」


ドルネは後ろ手で持っていた縄をハラリと落とし立ち上がる


「な…バカなっ⁉」


タルバは目の前の光景に思考が追い付いていない


「…と言う事です、ピール様」


「まさかハバルが王族の血脈ではないとはな…」


「あ、貴方様は…ピール様っ⁉何故此処に?」


「日向子殿より連絡を受けてな。事態が事態だけに個人の力では無理との事で駆り出されたのさ」


ピールはやれやれ、と言った感じで日向子に呆れた顔をする


「まぁ結果的に俺が来て良かった。王家の争い事になれば貴族でも介入出来ないからな」


ピールは腰が抜けたタルバの脇を通り日向子の横に立つ


「因みに日向子殿はドルネの愛人ではない。神獸は日向子殿の命令しか聞かぬぞ?」


《俺達の主は日向子だ》


そこにのそっとキメが姿を現す


「ひいっ⁉キ、キマイラか⁉」


タルバはキメの異様な姿に戦慄する


伝説上でしか存在していないと思われたキマイラを即座に認識出来たのは流石商会の主と言った所か


「…オイオイ…魔物が喋れるとは聞いていないが?」


ピールもキメが会話出来る事を知らず驚いている


「あんた達なんかに私の家族をやる訳ないでしょ?バカじゃないの?」


日向子は腰に手を当てて呆れ顔で言い放つ


「お前…お前は一体何者なんだ‼」


タルバは日向子に怒声を浴びせかける


「私?私は見ての通りか弱い(うら若き)普通の女性よ!」


。。。


一瞬の静寂の後その場は笑いに包まれた


日向子はポジティブ思考なので気付かなかったがその笑いの意味は


『またまたぁ~!』


という意味での笑いであった


ゴメリもリースもピールもキメでさえ「か弱い」に否定の反応をしてしまったのだ


幸い本人は事件解決後の大円団としての笑いだと勘違いしている為無駄な殺生は避けられたのである


「しかし…どうにも解せん。どうやってワシの配下を手懐けた?金か?暴力か?」


タルバは誘拐に加担していた配下がタルバを裏切った事に違和感を覚えていた


「あぁ、それはこういうカラクリよ。キメちゃんお願い」


《分かっタ》


キメが一声吠えると誘拐犯達が整列し跪く


「!?」


「この人達はね、貴方を誘き出す為にキメちゃんに操って貰ったの」


タルバは目を見開く


どうやったかは知らないがキマイラはタルバの配下を自分の意のままに操っているのだ


「…まさか…こんな…」


「タルバよ、分を越えた益を得ようとすればこうなるのだ」


ピールはタルバに止めの言葉を告げる


「日向子殿、俺はこの事実を叔父上に報告して国家間で解決して貰おうと思う」


「そうして頂けると助かります。流石に一国を相手取って戦う事になったら被害者が出ますもんね」


「…うむ」


日向子は自分の発言に気付いていない


一国と事を構えれば普通は「殺される」のだが日向子は自分の与える被害しか口にしなかった


それは裏を返せば一国程度なら日向子単身で殲滅可能だ、という事実を指していたのだ


ピールとゴメリは何気なく言われた言葉の意味を読み取り寒気を覚えた


「は、ははっ‼日向子殿には敵わないな⁉なぁゴメリ‼」


「…全くです」


日向子を除く全員がキメをワシャワシャと撫でている日向子を生暖かく見つめるのであった

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