64 ドルネの危機 part6
日向子達は拉致現場で作戦会議をしている
「犯人達の話だと明日の番に奴らの雇い主、タルバが此処に来るそうだ」
犯人達は拘束後、キメの蛇毒で既に自白させられていた
「タルバが…前から悪どいとは思ってましたがまさか直接人命を奪ってくるとは…」
ドルネは予想外の凶行に愕然としている
「でね、折角親玉が出向いてくれるって言うなら此処で待ち伏せして一網打尽にしようかと思ってるの」
日向子は禍根を残して撤退するよりも根絶を選んだ
「そうだな…怪我人もまだ動かせる状態ではないし出直すにしても相手の挙動が読めないなら殲滅作戦は有効だが…どうやるのだ?」
ゴメリは日向子の意見には概ね賛成だが3人での作戦遂行に懸念を持っていた
「ほら、今回の主役がいるじゃない‼何か頼んだら何とかしてくれそう♪」
そう、日向子は元々行き当たりばったりな性格なのだ
「キメちゃん、何とか出来そうかな?」
《…案を決めテくれ。出来るなら応えヨう》
「案ね、じゃあ私が考えた作戦は…」
日向子達はキメの能力をフルに活用して今後の作戦を練っていくのであった
ー翌日ー
パカラッ、パカラッ‼ガララー
「ドルネは生かしてあるんだろうな?」
「はい、ご主人様のお申し付け通り拘束されていると連絡が入っております」
「クフフ…あのしたり顔のドルネが怯える姿を想像するだけで笑いが込み上げてくるわ‼ガハハッ‼」
タルバ達一行はドルネの監禁場所へと馬車を走らせた
ー監禁場所ー
「そろそろ来るかな?」
「キメちゃん、コントロールは大丈夫?」
《…少し人数ガ多いが大丈夫ダ》
「ゴメリさん、リースさん、準備は?」
「ああ、二人とも所定の位置で待機済みだ」
「ドルネさん達は安全第一で行動してね」
「はい、万が一の時には3人で脇の箱を被れば良いんですよね?」
「そう、頑丈だから矢も刀も通さない筈よ」
日向子達の準備は整った。
後は親玉であるタルバ一行の到着を待つばかりであった
パカラッ、ガララー…ガチャ
「ご主人様、こちらです」
「何だ…こんなこ汚い場所なのか⁉」
タルバはハンカチで口を覆って怪訝な表情になる
「お耐え下さい、全て済みましたらドルネ毎此処は消失し焼死扱いで処理する予定ですので…」
「クフフ…ドルネの奴も命運此処に尽きたり、か。良い響きだな」
タルバは足取りも軽く建物の入り口に闊歩していく
…コンコン、コン。…ガチャ…
「主様、ヲ待ちしてマした…」
合図のノックを受け実行犯の1人がドアを開ける
「ドルネは何処だ⁉」
「…はい、あチらの奥に縛り上げておりマす…」
「ん?お前…顔色が悪い様だが大丈夫か?」
「ハい、皆風邪を引イてしまいまして…」
「…ワシに近付くんじゃないぞ‼」
タルバはハンカチで口を覆い直し実行犯から離れる
「ご主人様、念の為に護衛を先に行かせますので」
「うむ、さっさとしろっ‼」
タルバの後ろにいた10名程の私兵達はそそくさと奥の部屋に入っていく
「ご主人様、どうぞ‼」
私兵が安全を確認し中へと招き入れる
ドスッドスッドスッ…
「おぉ、これはこれは…ドルネ殿。ご機嫌如何かな?」
タルバは勝ち誇った顔でドルネの前に置かれた椅子に腰掛ける
「ぐっ…タルバよ、何故こんな事を…」
「ガッハッハッ‼それは貴様の飼っている神獸を是非とも欲しいという御仁がいてな、
手段を選ばずとも揉み消せるそうなので荒事で一気に片付けさせて貰ったのだよ‼」
タルバはドルネの惨めな姿に愉悦しつい余計な事迄語りだした
「…その「御仁」は余程の権力者なのだろうな…
エレモス王に覚えのめでたきこの私をこんな目に遭わせても握り潰せる位の…」
「ガハハッ‼その通りだ。血筋でいけば継承権第3位のやんごとなき御方だからな‼」
「…第3位?ハバル殿下か?」
「ガハハッ‼流石ドルネ、サルバ領の内情にも明るいな。
そうだ、この計画はハバル殿下に所望された神獸を得る為の策よ。
ついでにワシは憎き商売敵を葬れて一石二鳥だがな。ガハハッ‼」
「まさか…王族が噛んでいるとは思わなかったな…」
「そうだろうそうだろう、何せ世間の評判では清廉潔白のハバル殿下と噂の高い御仁だからな‼」
タルバは自白剤も打たれていないのにペラペラとドルネの問いに補足までしている
それは今後万が一でも反撃されない、そして用が済めばドルネ達を処分する自信の表れであった
「…そうか、ハバル殿下がな…他にも王族の方が加担しているのか?」
「まさか‼ハバル殿下以外は預かり知らぬ事よ。
だが宰相のヤガン殿は殿下の腹心だからな、ワシを雇い入れたのはヤガン殿だ」
「ヤガン殿が⁉日頃あれだけ懇意にして頂いていたのに…」
「ワハハ、意外であろう?公正なヤガン殿も実の息子には甘いという事だよ」
「…何と‼殿下は…」
タルバの衝撃発言にドルネは驚愕した




