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ゾンビーナ!  作者: とれさん
63/378

63 ドルネの危機 part5


リースは日向子の異常なパワーに驚愕していた


(何?あの力???)


混乱したリースを落ち着かせゴメリが更に尋問を続けていく


「目的は分かった。では今ドルネさん達は何処にいる?」


「あー、ただ奪ったんじゃ犯罪がバレるから脅して譲渡書類にサインさせるとかで…

ひっく…タラン様のお屋敷に運んだ筈だよぉ…ぐすん」


「成る程、詮議に掛けられた時の言い逃れを作るつもりだな?何故番頭達も連れて行った?」


「アイツ等は人質だよ。ドルネが渋ったら目の前で拷問に掛けるんだと‼ひゃはは‼」


「…そのタランって奴は相当の鬼畜だな」


「ねぇ、何でドルネさんが神獸運輸をやってるって事になってるの?」


日向子は素朴な疑問をぶつけた


「ギャハハ‼何でも神獸運輸のオーナーは女でそんな奴が商売出来る訳がねぇからきっとドルネの愛人なんだろうって噂だぜ」


…ギリギリギリギリ…ゴキッ‼


「は⁉ヤバい‼お、落ち着けヒナちゃん‼」


ゴメリはどす黒いオーラに包まれた日向子を羽交い締めで食い留まらせる


「ひっく…それにな…ドルネは神獸運輸の設立時に方々にお願い行脚してたんだよぅ…シクシク…」


「そんな事を…そんな事で誤解されてたのね…」


日向子もゴメリも初めて聞いた


ドルネは日向子達の為に精力的に各所に宣伝をしてくれていたのだ


「…ゴメリさん、絶対助けないとね!」


「あぁ、コイツに細かい事も全て吐かせて作戦を練ろう」


日向子達の尋問は小一時間程続いたのであった


ーサルバ国タラン商会ー


「ご主人様、(例の荷物)が届いた様子でございます。」


「おぉ、来たか‼…では南の倉庫に運んでおけ‼」


「畏まりました」


「ふっふっ…ドルネには地獄を味わわせても書面にサインを貰わねばならんな」


タランはこれから行われるであろう拷問に気色ばんだ


…シュタッ‼


「本当にドルネさん達は此処に運ばれて来るのね?」


「あぁ、その予定だ…」


「キメちゃん、眠らせて」


…カプッ…グー、グー…


(あの蛇は何でもアリだな…)


「ゴメリさん、作戦は?」


「まだ地理や護衛の数も分かってないのに突入は出来んだろ?だから先ずは偵察からだ」


ゴメリは正論を述べて焦れている日向子に冷静になる様に促す


「そっか…そうだよね?ドルネさん達が人質としていたんじゃ建物毎吹っ飛ばせないもんね…」


日向子のトンデモ発言にリースはこれ以上の思考と詮索を放棄した


《俺に任せロ》


キメはそう言うと低い声で唸り出した


グルルル…ブーン…ブゥン…


「は?」


《この蜂は俺の思考回路に直結しテル。自由に動カせる》


「えっ?動かせるって…ドローンみたいなモノ?」


日向子は呆れてつい前の世界の機械を口にしてしまったがあながち間違いではないらしい


「もしかして…この蜂で状況を調べられるの?」


《そうだ、探索が出来ルんだ》


「はぁ~、便利ねぇ…」


キマイラの全ての個体ではないのだろうがキメは取り込んだ動植物の遺伝子を任意で取りだし再生が可能なのだろう


ブゥン…ブーン…


キメのドローン蜂が建物内部に侵入していく


《…二階にハ人がいナイ、一階奥に5人、内三人は床に座ってル。入り口ニ2人、4人が別の部屋にイル》


「そう…結構人数が多いし散らばってるわね…一気に突入って訳にはいかなそう…」


日向子の言葉にゴメリもリースも難しい顔をする


「三人で別方向から一気に叩くのはどうだ?」


「それだとドルネさん達の側に控えてる犯人の突発的な行動が予測出来なくない?」


「そうですね…万が一人質に刃が向かうと間に合わないかも…」


リースは日向子の不安を肯定する


《…俺ナら一気に倒せるゾ?》


「えっ⁉そんな事も出来ちゃうの⁉」


《蜂に麻酔効果の高い毒を生成さセて同時に刺さセれば可能ダ》


「そんな事が…万能だな」


ゴメリはキメの可能性に感嘆する


「じゃあキメちゃん、そのプランでお願い。私達は三方に分散して同時突入、これで良いかな?」


「うむ、分かった」

「では私は裏口に」


「突入の合図は…そうね、キメちゃん蜂で攻撃したら吠えてくれる?」


《分かっタ》


「良し‼決まりね‼」


三人は見張りに見つからない様に建物に近付き突入の合図を待つ


。。。


「痛てっ⁉」「ギャッ⁉」


ゴアァァァッ!


「突入!」


ドカーン‼ガチャン‼バンッ‼


「全員大人しくし…ろ?」


ゴメリ達の目の前には昏倒している犯人達が転がっていた


「ドルネさん‼」


日向子は真っ先にドルネ達が

拘束されている部屋に突入した


「あぁ‼日向子様‼」


ドルネはホッとした様に日向子の名を呼ぶ


「大丈夫⁉怪我とかない?」


「えぇ、私は無事です。コイツを治療してやって下さい‼」


横を見ると番頭の1人が雑に包帯を巻かれてグッタリしている


「魔物に襲われた時怪我を…」


「大丈夫。薬持って来てるからね」


日向子は番頭にウシャ爺謹製の軟膏を塗った


キメの活躍によりドルネ奪還作戦は危なげなく終了したのであった

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