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ゾンビーナ!  作者: とれさん
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54 社員教育します part1


日向子に採用された4人の少女を残して他は御者と共にエレモス領に戻って行った


「じゃあ先ずは自己紹介から始めましょうか」


「じゃあ私から。私はエリスって言います。出身は城下町です」


「私はコロンです。港町から募集を聞いてやって来ました」


「わ、私はスリです。ピール様の所でご奉公しておりました」


「え?ピールさんに?…大丈夫なの?」


「は、はい。私がユニコーンに興味があると話しましたら是非手伝っておいで、と言われました」


「ふぅ~ん…で、貴方は?」


「私はシャロン。先日迄護衛兵に所属しておりました」


「え?貴方も王様に何か言われて来たの?」


「いえ…そうじゃなくて…」


シャロンは急にモジモジし始めた


「あの…実は…日向子様の大ファンなんですっ‼」


シャロンは恥ずかしさを堪え絞り出す様に告白した


「はっ⁉えっ?私のファン?」


「はいっ‼大会でのあの強さ、そして観衆の前でのあの大胆な衣装に惹かれましたっ‼」


「あはは…後半は聞かなかった事にしても嬉しいわ。じゃあ皆で頑張りましょうね」


「「「「はいっ‼」」」」


全員の自己紹介が済んだ所でこれからのスケジュールを簡単に説明する


「えっと今皆さんの住む場所は急ピッチで建造中です。

暫くは私と同じ様に村の人達の所に仮住まいして貰います」


少女達は抵抗を示さなかった

この世界では女性の職場は限られていて殆どが住み込みでの手伝いなのでソコには違和感はないのだろう


「で、行き当たりばったりだけど折角4人残ったので二人一組で仕事をして貰おうかと思ってます」


「1人ではダメなのですか?」


シャロンが日向子に質問する


「慣れてきたらそういう事もあるわ。でも最初は二人の方が色々と心強いでしょ?」


シャロン達はこの説明に深く頷く


「いずれはハク達を分散させるけど先ずは5頭立てで二つの馬車で回って貰うわ

慣れてきたら3頭立てにして3人は輸送、1人は事務所で書類を整理をして貰おうかしら」


「はいっ‼」


「えっと…スリちゃん‼」


「お休みとかは頂けるのでしょうか?」


「基本的に週休2日…と言っても分からないだろうから…5日働いたら2日は休みにします」


「えぇっ⁉そんなに?」


少女達はソコで初めて狼狽する


住み込みでの仕事は大抵年末年始以外殆ど休みが貰えない

そんな中スリが敢えて質問したのは時には年中無休で働かされる劣悪な雇用主がいるからだった


「あら?少なかったかしら…」


「そ、そんな‼そんなに頂けるとは思ってもいませんでした‼」


日向子が勘違いして悩む顔を見せた為スリは慌てて否定した


「あ、そうだったの?なら良いけど休みが欲しがったら言ってね、ちゃんとスケジュール調整しますから」


少女達は思ってもいない厚待遇になりそうな予感に目を輝かせた


「食事はあそこにある食堂で食べる分には無料です。ちゃんと話はしてあるからね

それと制服は今カントさんって言う私の居候先の人達が作ってくれてるからもう少し待ってて」


「あの…」


「はい、コロンちゃん‼」


「そんな待遇でやっていけるのですか?」


「あぁ、その辺は大丈夫。普通の商隊が運行するコストが10だとするとウチは1か2しか掛からないの」


「えっ?」


「それには理由があるわ。第一に運航速度が普通の商隊の3分の1程度で行き来出来る事、

ハク達を使う事で人件費が10分の1しか掛からない事とかね」


コロン達は予想外の運行コストに目を丸くしている


「それに普通の料金でも十分利益が出るんだけど商人とか王様に止められちゃってて

今普通の輸送料金よりも割高なのよ」


日向子は苦笑しつつ話す

初めは日向子も他の運送会社より若干低く料金設定したのだが国王を通して止められたのだ

早い上に安い価格でやられたら運送業界の値崩れが起こるから、と業界から嘆願書が届いたのだそうだ


「えっと、この位かな?質問とかある?」


「あの…御者とか不慣れで少し不安があるんですけど…」


「そっか、じゃあ先ずはハク達に慣れて貰わなくちゃね、ハク~おいで~‼」


「ヒヒン♪」


日向子に呼ばれてハク達は全員集合した


「えっとね、先ずは名前からね。この子がハク1でこの子がハク2、この子が…」


「!?」

「あ、あのっ‼」


「えっ?」


「ユニコーン達は皆「ハク」なんですか?」


「うん、あ‼覚え辛いかしら?」


「…いえ、そうじゃなくって…」


シャロン達は伝説の神獣と呼ばれる希有な生物に雑な名前を付けている日向子のセンスに驚愕していた


「んー、全部違う名前にしたかったんだけどね…急に10個も思い付かなかったのよ」


日向子には日向子なりの葛藤があった様だ


ハク達もこれ以上詮索するな、とでも言わんばかりに少女達の裾を引っ張っていた


「まぁ湿っぽい話はこれでおしまい‼今日はハク!からハク4達に乗馬してお散歩しましょ‼」


日向子は早くハク達に慣れて貰う為に散歩に出掛けるつもりだった

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