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ゾンビーナ!  作者: とれさん
49/378

49 新しい仲間達 part2


ーピレネー村火の見櫓ー


カンカンカンカンッ‼


「た、大変だっ‼魔物の群れがこっちに迫って来ているぞ‼」


村の見張りをしていた村人は謎の魔物の群れの出現に警鐘を鳴らして皆に警戒を呼び掛けた


「何だとっ?どんな魔物だ⁉」


「あれは…えっ⁉」


「どうした?」


「…後ろからヒナちゃんとハク達が。。。」


「。。。またか。。。」


ーダカダッ‼ダカダッ‼ダダッ‼ダダダッ‼ー


「ヒヒーン‼」「ゴルッ‼」


「ただいまー」


ゴメリや他の村人達は異様な姿の魔物達に警戒が解けず各々武装して待ち構えていた


「…ヒナちゃん…その魔物は?」


「…あはは…何か懐いちゃった?」


「。。。やっぱり…」


村人達は脱力して武器を地面に落とした


「でも今回は流石にダメだろう?外見的に…」


ゴメリはその魔物の群れを呆れ顔で眺める


「…こ、この魔物は何だべ?」


村人達の目の前にいるのはライオンの頭と前足を持ち背中から後ろ足迄が山羊、尻尾が蛇という出で立ちの魔物なのだ


慣れろと言ってもそう簡単には慣れそうもない異様な姿に全員が困惑している


「あはは…でも良く見ると可愛い…」


「くないっ!」


ゴメリは日向子の言葉を食い気味に否定した


「で、でもね?芸とかもするんだよ?ほら、お座り‼」


「ゴルッ‼」ペタンッ‼


「お手‼」ドシッ‼


「炎‼」ゴバァッ‼


「「「「ギャァァッ‼」」」」


魔物が吐き出した突然の炎に村人達が逃げ惑う


「ヒナちゃんストッープッ‼」


「あ…ゴメン☆」


最後の芸はちょっと(?)村人達には刺激が強すぎた様だ


「これっ!全く一体何を騒いで…どわぁぁぁぁっ⁉」


外の騒ぎを聞き付けて出てきたウシャ爺が魔物の姿を見て腰を抜かす


「こここここ、こりゃキマイラじゃないかっ!?」


「キマイラ?」


日向子はウシャ爺の言葉に首を傾げる


「あぁ、古代の王が飼っていたと言われる伝説の魔獣じゃよ。こんなモノ何処で見つけて来たんじゃ?」


「港町からエレモスに帰る時にいきなり襲って来たんだよ」


「そりゃまた何とも…ヒナちゃんが通り掛かってなければあの一帯が壊滅しとったじゃないか…」


「とりあえず荷物を王様に届けなくちゃならないからここで預かっておいてね、じゃ‼」


日向子はハク達に鞭を入れて走り去ってしまった


「…じゃ‼って。。。」


村人達はゴルゴル唸っているキマイラと対峙したまま身動きが取れなくなっていた


ーエレモス城ー


「王様ーお届け物でーす‼」


「ん?おぉ、日向子よ会いたかったぞ‼」


「…今日2回目ですよ?」


「そんな事はどうでも良い。サザンスから献上品を届けてくれたそうだな?」


「はい。じゃ‼」


「お、おい⁉少しは話しをしていかぬのか?」


「今村に野良キマイラを待たせてるんでっ‼」


「…野良?…キマイラ?…キマイラ‼おいっ‼キマイラとは…⁉」


日向子とハク達は既に城を出ていた


ーピレネー村ー


ーダカダッ‼ダカダッ‼ー


「ただいまー‼」


「ただいまーじゃないっ!」


「あ…ごめんなさい…」


急いで帰って来たとは言え日向子の目の前には唸り続けるキマイラ達と

身動ぎ1つ取れずに固まっている村人達がさっきと同じ姿勢で対峙していた


「…この状態で放置されたら何時襲い掛かって来るか分からんじゃろがいっっ!」


普段日向子に怒りもしないウシャ爺が初めて激怒した瞬間であった


。。。


「うーん?この子達どうしよう?」


日向子は腹を見せてゴロゴロ言っているキマイラ達を前に頭を悩ませていた


「…どうだろう?もう少し飼い慣らしてヒナちゃんの仕事をさせて見ては?」


ゴメリが日向子に妥協案を提示する


「でもぉ…この姿見たら怖がらないかなぁ?」


「ぐっ…確かに人間の不安を煽る姿形はしているが…」


日向子の指摘通りキマイラ達は頭部と前足がライオン、胴体と後ろ足が山羊、尻尾が毒蛇な上に背中に山羊の頭が乗っかっている


これを人前に出すならまだシロ達ブルピットの方が受け入れられそうな気がする


「…先ずはどんな事が出来るのか試してみてはどうだ?意外と賢いかも知れんぞ?」


「…そうね、何でも試してみなくちゃ分からないもんねっ‼」


日向子もゴメリもキマイラの姿からは現実逃避していた


ー翌日、村の外れー


「さ、キメちゃん達‼私に特技とか自慢出来る技とか見せて‼」


「ゴルァッ♪」


ーゴバァッ‼ー


キマイラ改め「キメちゃん」達は1列に並ぶと突如炎を吐き出した


ゴゥゥ…バチバチ‼


「い、いかん‼消火だっ‼」


バシャッバシャッ‼ジュゥゥゥ…


「ふぅ~~…危うく村が炎に包まれる所だった…」


「こら‼キメちゃん‼加減しないとダメでしょっ⁉」


ゴキンッ‼「ギャンッ‼」


伝説の魔獣が日向子の前ではチワワ以下の扱いだった


「うーん…先ずは人前での行動から躾ないとダメかぁ~…」


日向子とゴメリは深いため息を吐いたのであった

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