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ゾンビーナ!  作者: とれさん
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4 あの日に帰りたい


日向子が草原で気付いてから3日


彼女は連日あちこち歩き回り今いる状況を確認していた


それにより判明したのはどうやらここは地球ではなさそうだ

と言う事と文化的にかなり前なのだろうという憶測だけだった


村人は皆優しく日向子を迎え入れてくれて色々質問をする日向子にきちんと対応してくれた


「へぇ~…今は皇歴13年なんですか」


「んだぁ。今の皇帝様が即位して13年って事だぁね。お嬢ちゃんは異邦人なんだって?」


「あ、はい…なので知らない事が多くて」


「おんやまぁ、そりゃ難儀な事だぁねぇ…知りたい事があっだら何でも聞くとええよ」


「ありがとうございます」


(困ったなぁ…スマホどころか電話もテレビもないし…周りの雰囲気は中世みたいだから仕方ないけど…)


そう、日向子のいるピレネー村の文化レベルは映画で見た中世位だったのだ


(一回助けて貰った草原に行ってみよう)


そう思って村の外れまで来るとゴメリが村人と話し込んでいた


「ん?どしただ、ヒナちゃん」


「あ、ゴメリさんこんにちは。今からちょっとあの草原迄行ってみようかと思って…」


「ん何バカな事言ってんだ?あげなトゴ娘っ子1人で行っだら魔物に喰われちまうだぁよ‼」


「えっ⁉「魔物」⁉いるんですか?」


「本当に何も知らねぇだなぁ…この辺は深ぇ森さに囲まれてでそっがら魔物がたんと出て来るんだぁよ」


「え?だってゴメリさんは1人で…」


「ガッハハ‼オラぁこう見えでも元戦士だったからなぁ」


「んだぞお嬢ちゃん、あげなトゴ1人で行ぐモンじゃねぇだ。今まで何人も帰っで来ねぐなっちまってんだから」


「…そうなんですか…」


「ん。ほれ、オラぁが一緒に行っでやるだぁ。」


そう言うとゴメリは日向子に手を差し向けた


「迷子になるど大変だぁに」


「…ありがとう…」


「あっはははぁ、ヒナちゃんはお礼言っでばかりだぁなぁ。オラ達は家族だと思っで気楽にしなぁよ?」


「…ゴメリさん…」


日向子はゴメリをはじめ村人達の優しさに涙が溢れた


「ん?あぁ❓こらゴメリ‼お嬢ちゃん泣かせで何したんだぁ‼」


「オ、オラぁ何もしでねぇ⁉」


「違うんです…皆さんがとっても優しくて…嬉しいんです」


「ほ、ほらぁ!オラぁ何にもしでねぇだろ‼」


ゴメリは危うく冤罪の疑いを掛けられそうになったが今回は上手く回避出来た様だ


「んじゃちょっくら行っでくるだにウシャ爺には薬草を期待しで待っでる様に伝えといでくれ」


「ん、分かっだぁ」


ゴメリと日向子はあの草原へと向かっている


「ゴメリさん、前に戦士だったんですか?」


「んん?あぁ、そだぁ。オラぁ戦士だったんだっけど依頼で村を離れでる時にオラぁの娘がなぁ…

魔物に襲われちまってそんで辞めたんだぁ」


「あ。。。ごめんなさい…」


「あはは、大丈夫だぁよ。もう10年も前の事だしなぁ…」


「…娘さんお幾つでお亡くなりになられたんですか?」


「ん?オメぇと同じ位だぁよ、18でな…病気さ患ってだ嫁の為に薬草さ採りに行っで…」


「…そうですか…って18?」


「あぁ、オメさと同じ位ぇだろ?」


「やだぁ☆私そんなに若く見えますぅ?」


日向子は嬉しさに体をくねらせた


「んん?ヒナちゃんは18、9だろ?」


「ウフフ、私24ですよ♪」


「はぁ?こりゃまた随分若作りだぁなぁ…ゴボァッ‼」


ゴメリは突然横に吹っ飛んだ


「若作り」という言葉に日向子が反応し痛烈なボディーブローを叩き込んだのだ


「ご、ごめんなさいっ‼つい…」


日向子が慌ててゴメリに近寄ると無残にも血の泡を吹いて痙攣していた


「えっ?ゴ、ゴメリさんっ⁉」


日向子にしてもそこまで本気で殴った訳ではないのにゴメリは瀕死状態に陥っていた


慌ててゴメリの脇腹を触診すると日向子は更に驚く


「え?…仮肋が全部折れてるかも⁉血胸も起こしてる…どうして?」


日向子は意識の飛んでいるゴメリを背負おうと体を捻った


ー…スッ…ー


「えっ⁉ゴメリさんこんなに大きいのに意外と軽いんだ?」


筋骨隆々でどう見ても三桁はありそうなゴメリの体は背負うと小学生位の感覚しか重さを感じなかった


「あ、こんなのんびりしてる場合じゃないわ‼ウシャ爺さんの所に連れて行かないと!」


日向子はゴメリを背負ったまま全速力で駆け出した


ータッタッタ…ダッダッ…ダダダダッ‼ー


「えぇっ⁉」


日向子は自分の走るスピードに驚愕する


重そうなゴメリを背負った状態であるにも関わらず周りの景色が飛ぶ様に流れていったのだ


「ちょっ⁉これ何キロ出てんのよぉ~っ⁉」


日向子は趣味でバイクも乗るがその時に当たる風の感覚から言うとゆうに80kmは超えていそうな風圧だった


その速度のお陰であっと言う間に村に到着、ウシャ爺の元に急患として運べたのは言う迄もない

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