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ゾンビーナ!  作者: とれさん
38/378

38 音速改め神速?


ーシャリーンー


「日向子ちゃん、悪いけど勝たせて貰うよ?怪我させない様に注意するからね、ごめんね?」


「え?何か面倒臭い人ね…さっさとかかって来なさいよ…」


「フフッ、照れちゃって。じゃあいくよっ‼」


ビューア改め勘違い野郎は日向子の目の前から消えた


「何だっ⁉ビューアの野郎が消えちまったぞ⁉」


「いや、余りの速さに消えた様に見えるだけだ‼」


ーシュン‼タンッ、シュン‼ー


会場の床が時折靴音を鳴らす


「ハハッ‼速くて見えないだろ?直ぐに優しく倒してあげるねっ‼」


「…はぁ~…優しく倒すってどういう状況なのよ…」


日向子は腰に手を当てて消えた(様に見える)ビューアに訊ねる


「君には剣ではなく僕の熱い接吻で敗けを認めさせ…ブファッ⁉」


ーシュン‼タンッ、シュ…バチンッ‼ー


ドガガッ‼


日向子の手が空を切ったかと思ったら突然ビューアが吹っ飛んだ


「ぐぐっ…僕の神速が見えてるのかい?」


立ち上がったビューアの頬には日向子の手の痕がしっかり残っていた


「ギャハハ‼何だありゃ?日向子ちゃんにビンタ喰らったのか?」


観客、特に日向子ファン達にはビューアの無様な姿は余程スッキリしたらしく笑いが起こっている


「…当たり前でしょ?ちょこまか動かれても目障りなだけよ」


日向子の言葉にビューアの目の色が変わった


「宜しい!次は僕の全速力で君を倒すよっ‼」


ーシャシャッ‼ー


「おいっ‼ビューアが分裂したぞっ⁉」


「フフッ‼これが僕の秘奥義、分身の術だっ‼」


ビューアの神速は限界に迄加速し残像が分身を作り出したかの様に見える


「…はぁ~~~…」


日向子はこめかみを押さえため息を吐く


ー…ゴチンッ‼ー「ギャブッ⁉」


日向子のパンチにより分身が消え去ったかと思うとビューアが場外迄ぶっ飛んだ


「…馬鹿ねぇ…幾ら分身したって1人が移動している以上残像が残ってるって事はソコに戻って来てるって事じゃないの…」


日向子は分身の術の弱点を見抜いていた


残像を残す動きであれば一旦は移動してもその場所に再び戻らなければ残像は消えてしまう


日向子はただビューアの軌道を予測して拳を出せばいずれ戻ってくるビューアを捉える事は容易なのだ


「…ぐっ⁉まさか僕の分身の術の弱点に気付くとは…(ガクッ…)」


「勝者、日向子ー!」


オォォォォッ!


会場は興奮の坩堝となった


「日向子ちゃん最高ーっ!」

「ビューアの野郎、ざまあねぇぜ!」

「揉ませてくれーっ⁉」


派手な割に呆気ない試合だったがビキニアーマーのお陰で会場熱は最高潮に達していた


「次‼武術師チェン、白銀の麗人リース、前に!」


「おぉっ‼やっぱりリースも良いな‼」


「リースちゃんこっち向いてくれー‼」


現金な男達は次に現れたリースにも熱い声援を送る


「…リースさん、申し訳ないが勝たせて貰います」


「それはこっちの台詞よ?素手に負けていたら護衛兵の名折れだわ」


「では始めっ!」


「リースさん、私がいつ「素手」だと言ったのですか?」


ーシャラリ…ー


チェンは懐から鎖を取り出した


「…それは?」


「我が流派に伝わる「鎖標」だ」


チェンは鎖標をゆっくりと回し始める


ービュン…ビュンビュンビュンッ‼チュインッ‼ー


鎖標の先に付けられた分銅が地面を擦って火花が上がる


「くっ‼」


リースは間合いが測れず後退りするしかなかった


ージャラララッ‼ー


後退りするリースの剣に鎖標の鎖が絡まりつく


「なっ⁉」


リースの驚きよりも早くチェンは懐に飛び込み掌底を打ち込む


「…流石ですね、あの状況から避けるとは」


「…ぐはっ⁉」


リースはチェンの攻撃を反射的に後ろに飛ぶ事により衝撃を吸収していた

だがチェンの掌底は勁が込められており完全には防げなかったのだ


「まぁ逃げられたとしても余計苦しむだけなんですがね」


「くっ‼舐めるな‼」


リースは腰に手を伸ばし「もう1つの剣」を抜いた


白銀の麗人の渾名はリースの容姿を見た人間の付けた「イメージ像」である


「私と戦った奴からの渾名は…」


リースが両手に剣を構え一気に間合いを詰める


ーガッ‼キィィン‼ザシュッ‼ー


「双剣の夜叉姫、リースだっ!」


リースの双剣攻撃でチェンの鎖標は鎖が千切れてしまった


「…チッ‼」


チェンは脇腹を押さえる


リースの上段攻撃は鎖標で受け止め破壊されつつも何とか受けきったが中段に払われた刃が避けきれなかったのだ


「…そうですか。私は貴方を下に見ていた様です…これからは全力で向かわせて貰います‼」


チェンは自身の背中に手を回す


ーシャリンー


出てきたのは青い刀身を持つ「双剣」であった


「…貴方も双剣使いとはね…」


チェンは青く薄い刃を煌めかせながらゆっくりと構える


「東西の双剣対決、ここに雌雄を決しましょう!」


リースとチェンの双剣対決はここから激化していくのだった

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