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ゾンビーナ!  作者: とれさん
355/378

355 新しい仲間


「ピポ。主様、おはようございます」


「う~ん…もう少し寝かせてよぅ…」


連日遅くまで大量の兵器技術の解析を手伝っている日向子を起こしたのは新たな体を手に入れたデバインシステム、通称デバちゃん(仮)だ


コアチップに蓄積されていたアースベイカー国の知識を解放した後、廃棄される予定だったデバインを日向子が可哀想だからと新たに作ったボディに移し替えて再利用したのだ


新しいデバインのボディは非武装ながら解析によって得られた技術をふんだんに盛り込み更にキマイラ細胞の能力を擬似的に搭載され更にバージョンアップされている


外見は日向子の好みで某アニメの多脚戦車に似せて作られ言語野もアップデートされてカタコトではなくなっている


「却下します。始祖様とラクル様がお待ちです」


「…んーーー、もぅ…」


のそのそと起き出した日向子の世話を甲斐甲斐しく手伝うデバちゃんの姿からは過去の大量破壊兵器の面影は一切感じられない


「さぁさぁ、主様。行きますよ」


強引に身支度を整えさせた日向子を始祖達が待つ応接間へと運ぶデバちゃん(仮)であった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


〈早朝から呼び立ててすまぬな〉


デバちゃんの背に乗せられてやって来た日向子を始祖は苦笑しながら出迎えた


〈その機械はなかなか便利そうだな?量産してメイド機として普及させれば革命的かも知れないな〉


日向子のだらけた姿に呆れたラクルもデバちゃんの有用性には目を見開いていた


「んー…確かにそうなんだけどねぇ…動力源の問題がね」


〈そうだな…〉


現状アースベイカーとドラールの作った兵器には共通した動力源が使われている


魔物を生体電池とした魔導核である


それを再現・量産するにはコアとなる魔物を確保しなくてはならないが始祖やシルグ達に聞いてもその魔物は遥か昔に滅びてしまっているそうで代替しうる生物も見つかっていない


《主と俺の能力を使えば魔物の再現は可能ではないのか?》


日向子よりも前に応接間に来ていたキメはキマイラ細胞による魔物のクローン創造の可能性を示唆しているのだ


「うーん…出来なくはないけどそれは無限ではないしそもそも魔導核に転換させる為の技術はまだ解析されていないわ」


識者達の懸命な解析作業で現在デバちゃんの中に残っていた情報の解析が進んでいる

このお陰で兵器に備えられている感知装置(センサー類)や自律行動技術等は解析されていたが肝心の外核(装甲)の素材情報や魔導核に関しての情報は得られなかった


日向子は眠そうな目を擦りながら肝心の本題に切り込んだ


「で?こんな朝っぱらから呼ばれた理由は?」


〈む。そうだな〉


始祖はラクルに目線を送るとラクルが代わって説明を始める


〈実は識者達の解析で未だ回収出来ていない兵器の存在が明らかになったのだ〉


「えっ?まだあるの?」


日向子は司令機であるデバインを拿捕した事でおおよその兵器は回収出来たと考えていた


〈ああ、ソコにいるデバちゃんは確かにアースベイカー国の全兵器の頭脳と言って良いだろう

だがそれとは別に独立して稼働している個体が複数あるのが確認されたのだ〉


以前地中に潜んでいた地震発生兵器の様なモノが未だ武装解除されず存在している


この事実だけでも十分脅威に当たるのだがラクルの話はそれだけでは終わらない


〈アースベイカー国の兵器はデバインを解析した事である程度実数が把握出来たのだが…残念ながらドラール王国の兵器は司令機が存在しない分、実数すら把握出来ない状況らしいのだ〉


ラクルの苦々しい顔を見て日向子は物憂げな表情をした


「一応確認だけど2か国ともお互いを攻める為だけに兵器の配置はしてるのよね?

ならアースベイカーとドラール、両方の領地付近を中心に探せば見つかるんじゃないの?」


〈あぁ、方向性は間違ってはいないだろう。ただ例の地震発生兵器の様に下手をすると大陸ごと攻撃する様な兵器があった以上捜索は狭い範囲だけでは不十分だろうな〉


「そっかぁ…」


言われてみれば地震発生兵器は死なば諸共的なスーサイドマシンだった

地震を操れる技術力があれば津波、天候操作兵器等も考えられるしその実態は未知数なのだ


「ピポ、主様。」


「ん?デバちゃんどうしたの?」


「私の機能であれば敵国の兵器探知と自国の兵器の非武装化も可能かと思われますが?」


〈「。。。はい?」〉


日向子達は自分達の力で解決する方法を探して悩んでいたがデバインシステムであればドラールの兵器を感知するレーダーを搭載しているのは当然だし

アースベイカーの兵器に対してはオンライン化(の様なモノ)をして武装解除を司令する事も可能なのだ


「…盲点だったわね…」


〈…盲点だったな…〉


呆然とする2人にため息をつきながら始祖は急いで行動に移す事を勧めた


こうして日向子、キメ、ラクルとデバちゃんは急いで南半球へと転移する事になったのであった

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