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ゾンビーナ!  作者: とれさん
332/378

332 迫り来る危機


…グォングォングォングォン…


有機的な機械の中から見た事のある物体が産み出される

それはあの兵器に搭載されていた生体結晶だった


…カタン、ズイーム…ゴトト、


産み出された結晶がベルトコンベアの様な装置に乗せられ何処かに運ばれていく


が、その先がメンテナンス不足でなのか崩落しており結晶が次々と落下して割れていった


…ヴーン…ウイーーーン


すると何処からか四角い箱がフロアに現れ割れた結晶を欠片ごと掃除してまた何処かへ消えて行った


(ル○バみたい…)


…ズイーム…ゴトト、パリン‼

…ヴーン…ウイーーーン


まるで割れるのも1つの流れ作業の様に延々と繰り返される不思議な光景を2人は呆然と眺めていた


《(…これのせいで外の兵器への補充が滞っていたみたいだな…)》


人がいれば修理出来た筈、自己修復機能が備わっていればこんな不毛な生産作業は行われなかった筈…

主が死に絶えたお陰でこの世界は破滅から救われたと言っても良いかも知れない


《(主、探していたのはコレの事か?)》


日向子が呆然と眺めている間にキメが見つけたのは恐らくこの機械の制御パネルだった


この空間に至る迄に動体検知等が作動していない事を把握していた2人は本体に意識を戻し散開させていたナノ細胞を回収しながら再び部屋に入る


…ピッ、ピピッ。

シュウゥーーーン…


日向子が制御パネルにあるボタンを操作すると機械が停止した


改めて周囲を見回すと日向子の前世とは似ても似つかない程に進んだ文明の残骸がそこにはあった


曲線で構成された有機的なデザイン、生体(魔物)をプログラミングした上で機械に組み込むという謎理論、そしてその動力源は赤い結晶体というこれまた謎物質


化石エネルギーに依存していた前世とは恐らく根本的な所から違う着想なのだろう


まるでエイリ○ンをデザインしたギ○ガーが創った様なこの空間はキメには勿論日向子にも未知のテクノロジーに満ち溢れていたのだ


「…こんなに進んだ文明なのに何故滅びたのかしらね?」


《確かにな、だが主の推測が正しければ何らかの事故があったのだろう…

それこそ逃げる時間もなく一瞬でこの国の民は滅んでしまった…進みすぎた文明の末路なのか?》


滅んでしまった原因を部外者がどう類推しようとそれは事実かどうかの答えにはならない


今は世界の崩壊への危機を未然に防ぐ為に全ての施設を確認し、破壊若しくは排除せねばならないのだ


「とにかく製造ラインは停止出来た様だから残りは兵器を停止させなきゃね

恐らく全てを監視・制御出来る場所がある筈だわ。探しましょ」


《了解》


日向子とキメは手分けして再び城内の探索に戻る

今回止められたのは恐らく製造ライン(の一部)だけで既に完成した兵器や例の地震発生装置を沈黙させる為には制御部分の停止が必要だからだ


運良く製造ラインの感知は止まっていたが他が作動していないとも限らない為

2人は再びナノ細胞群による広範囲探知と光学迷彩による隠密形態に戻って探索を続けたが

半日近く経過してもそれらしい設備が一切発見出来ず手詰まり状態に陥ってしまった


《(主、建物内は全て探したが特にめぼしいモノは見つからなかったぞ)》


「(そう…こっちもダメだったわ。考えられるのは地下…になるんだろうけど入り口っぽい場所を探してくれる?)」


《(分かった。特に注意する事はあるか?)》


「(今まで通りの探索方法では多分発見出来ないだろうからエコロケーションで地中の空洞とかを検知してみて。

あっ、振動とか音での検知はダメよ?センサーに反応しちゃう危険性があるわ)」


《(ん?ではどうやって?)》


「(そうね…超音波による検知だけにしてくれる?)」


《(成る程、了解した)》


2人はデビルバットというコウモリの魔物が使う超音波を主体にしたエコロケーションに絞り引き続き探索を再開させた


(…ヴヴーーン…ゴトン、ガシャ…)


「(⁉…キメちゃん、こっちに来て‼)」


日向子が何もない部屋を調べていた時、突如地中で何かの機械が動き出した音が検知された


…ズイーム…ガシャン、ガシャン、


「(!?)」《(!?)》


何もないと思っていた部屋はどうやら地下への入り口だったらしい


床がスライドしながら開いたと思うと中からロボットが数機フロアに現れた


《(マズイ、偵察用のゴーレムか?)》


この世界ではロボット=ゴーレムという認識になるらしくキメは慎重にロボットの行動を監視し始めた


「(キメちゃん、半分地上に残して残りはロボット…ゴーレムが出て来た場所に潜入するわよ‼)」


2人はナノ細胞群を2つに分け一方は偵察用(?)ゴーレムの尾行・監視に、一方は地下へと潜入させた


これにより2人の本体はナノ細胞群のコントロールが難しくなり身動きが取れなくなってしまったのであった

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