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ゾンビーナ!  作者: とれさん
29/378

29 反省会?


「ヒナちゃん…何て破廉恥な格好なんだべ…」


恥ずかしさに小走りで控え室に戻って来た日向子にゴメリが止めを刺した


「…ヒック…ヒック…」


「あ、ちょっ⁉ご、ごめんだべ‼」


ゴメリのデリカシー0の発言に完全に心が折れて日向子は泣き出した


「…ヒック…だって…宣伝するのに一番良いかなって…ぅえ~ん」


ゴメリは自身の不甲斐なさを恥じた


「俺は…ヒナちゃんに任せっきりでただ戦う事しか考えてなかったのに…

ヒナちゃんはヒナちゃんなりに一生懸命会社アピールを…恥じるのは俺の方だ!」


ードンッ!ー


ゴメリはテーブルを強く叩く


「ヒナちゃん、ごめんな。次の試合からは俺ももっとアピールして神獣運輸を皆に知らしめるよ」


「…ヒック…本当?」


「ああ、約束する!」


「…じゃあこれ!」ーガサリ…ー


日向子は待ってましたと言わんばかりに袋から何かを取り出した


「。。。これを着けろ、と?」


「…ヒック…」


「わ、分かった分かった!だから泣かないでくれっ‼」


「えへ、じゃあ着けてあげるね♪」


「…」


。。。


「次、ゴメリ、ジャザン、前に」


…ドッッ!


「ギャハハハ!何だよアレ⁉」

「何処のチンドン屋だよっ‼」


会場は一瞬で爆笑の渦に包まれた


「うぐぐ…お主は俺をナメているのか?」


「…」


「は、始めっ!」


ーバキャッ!ー「勝者ゴメリ!」


「は、腹が捩れそうだ!」

「つ、次も頑張れよっ!扇の大将!」

「ママー、あれ欲しい!」

「ダメよ!見ちゃいけません!」


爆笑の中、一瞬で相手を撃破したゴメリの兜には「扇」が刺さっていた


「神獣運輸ヨロシクねっ!」


こう書かれた扇がパックリ開いて頭に乗っかっていたのだ


「…」


ゴメリは会場に一礼すると静かに去って行った


「あ‼ゴメリさーん、勝てて良かったです♪」


日向子はゴメリに抱きついて喜んだ


「…嬉しいが…何かを失った気がするだ…」


「そんな事ないですよ、大丈夫大丈夫!」


そう言う日向子の胸がゴリゴリ当たる


「ま、いっか⭐」


ゴメリ、人生初の日和った瞬間であった


第2回戦も無事?終了し勝ち上がった15名とシードのリース、ゴメス、特別招待枠の1名を加えて計18名が3回戦に進出する事になった


3回戦は明日の午前中から開催予定なので今日は少し休める時間が空いた形になる


「ゴメリさんはどうするの?」


「オラぁは…いや、俺は元の部下達に挨拶に行こうかと思っている」


「あれっ?方言設定は止めたの?」


「あぁ、リースに指摘されてな。似合わないと言うか全く使えていないそうだ」


「あー、やっぱり?」


「ん?ヒナちゃんもそう思ってあたのか?」


「うん、だって何か無理して使ってた所とかあったもんね」


「あはは、ヒナちゃんにも伝わっていたとはな…今後はもう少し馴染む迄封印するよ」


「その方がゴメリさんっぽいよ」


「そ、そうか?」


ゴメリの鼻の穴がぷくっと膨らむ


「じゃあ私はカントさんとテロンさんに任せっきりのシロ達の様子を見に行ってくるね」


「あぁ、じゃあウシャ爺とカント婆さんに何か土産でも買ってやってくれ」


ゴメリは袋から銀貨を取り出して日向子に渡す


「了解⭐私も村の皆にお土産買って帰るね♪」


日向子は普段着に着替えて控え室を出て行った


ーエレモス城護衛兵舎ー


「リースはいるかな?」


「あ!ゴメリ元隊長じゃないですか⁉お久しぶりです‼」


「あぁ、ここも本当に久しぶりだ。シジルは元気にしていたか?」


「はい‼…まぁ親衛隊とは相変わらずバチバチですけどね」


ゴメリの元部下シジルは肩を竦めてため息をつく


「これからもリースを守ってやってくれよ?」


「はい、それは勿論ですよ。リース隊長もゴメリさんが辞めてからかなり努力して強くなられたんですよ」


「そうみたいだな。顔に自信が溢れていたよ」


「じゃあ少しここでお持ち下さい」


そう言うとシジルは兵舎の奥に走って行った


「隊長~‼」


リースは走ってゴメリの下にやって来た


「おいおい、隊長は今お前だろうが」


「あ、方言止めたんですね?」


「ああ、お前にダメ出しされたからな」


「あはは、隊長には方言は似合わないですよ、やっぱり」


「敵わないな、お前には」


二人は軽く笑いあった


「ところでどうしたんですか?」


「おぉ、今日は試合もないし元部下達に挨拶でもしようかと思ってな」


「…そうですか…」


ゴメリの言葉にリースは暗い顔をした


「?どうした?流石にもう退役した奴も多いだろうが少しはいるんだろ?」


「…ご存知なかったんですね…」


リースは重い口を開き少しずつ語りだした

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