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ゾンビーナ!  作者: とれさん
262/378

262 南半球講座&ギルドカード


メメルに南半球の話を聞いていると報告書を書き終えたアーチが奥の部屋から出て来た


「日向子殿、ギルドの事は大体分かったかな?」


「あ、はい。大体は。それで…」


日向子はアーチに言い難そうにモジモジしている


「あぁ、登録料だな?それは村長より免除許可がおりているので此方で建て替えるよ」


「…すいません…何分無一文なモノで…」


日向子は申し訳なさそうに謝る


「ワハハ、困った時はお互い様だよ。それに俺達も話も聞かずに攻撃してしまった負い目もあるからな。…あっさりやられてしまったが」


アーチは頭を掻きながら話す


「いえ…此方も言語が分からず思わず反撃しちゃいましたし…お互い様です…」


日向子は更にペコペコと頭を下げた


「…オイ、聞いたか?アーチ達の攻撃をやり返したらしいぞ?」

「四護の魔法攻撃をか?冗談だろ?」


日向子達の会話に耳を傾けていた冒険者達の間に不穏な空気が流れ出す


「…まぁとにかく登録だ。ほれ、20スリだったな?」


アーチはメメルに20スリを渡すと登録を促した


「はい、確かに。それでは今からギルドカードを作成しますので此方の書類に必要事項を書き込んで下さい」


渡されたカードには細かい項目があったが名前と希望する職業以外は未記入でも良いらしい


『日向子・冒険者』

『マイラ・冒険者』


取り敢えずはこの2項目だけ記入して登録する事にした


登録後、変更や追加はある程度無料でやってくれるらしいのと説明された他の職業がイマイチピンと来なかったからだ


「はい、確かに。それでは此方の装置に右手を置いて下さい。あっ、種族や他に秘匿したい情報があれば事前に申し出て下さいね?

自動判定で書き込まれますから出来上がってから秘匿したい項目があれば変更依頼をして頂ければ書き換えますので」


日向子は現時点で人間か?と言われれば甚だ疑問だ

そもそもゾンビからのスタートだしその後の変化で種族がどう変化したのかは分からない


(まぁカードが出来てから秘匿すれば良いかな?)


日向子はそもそも超ポジティブ人間だった


「それでは此方に」


日向子はメメルの指示に従い手を装置の上に置いた


…シュウゥゥーーーン…


鈍い光と共にカードの表面に文字が刻まれて行く


(自動判定とか言ってたけど何を判定してるのかしら?)


ボンヤリ考えていると記入が終わった様で鈍い光がスッと消えた


「はい、これで登録は終了です」


メメルは記入済みのカードを日向子に手渡した


「では彼方で記入事項に相違がないかご確認下さい。じゃあ次の方…マイラさんどうぞ」


日向子はキメと席を代わり自身のカードに目を通す


『日向子・冒険者』

・種族

・ステータス

ー知力

ー体力

ー魔力

ー経験値

ーランク


表面にはこんな項目が並んでいる


「えっと…種族は…えっ?」


もう初っ端から躓いた


日向子のカード表記でいう彼女の種族は…


『種族;竜種キマイラ族バンパイア科人目ゾンビ』


と書かれている。滅茶苦茶だ


「ステータスも何が何だか…」


『ステータス;知力?体力∞魔力?経験値∞ランク∞』


「…これじゃ何だか分からないじゃない…早速メメルさんに聞かないと…」


日向子がカード表記について説明を求めようとカウンターに向かうと丁度キメのカード記入が終わった様だ


「はい、これで登録完了です」


渡されたカードを見ながら歩いて来るキメを引き留めて内容を確認させて貰った


『マイラ・冒険者』

『種族;秘匿』

『知力A体力S魔力?ランクSS』


(…あれっ?魔力以外はちゃんと出てるじゃない?)


《流石に種族は秘匿させて貰った。キマイラとか出たら魔物扱いされるかも知れないからな》


「え?じゃあ私はどうなっちゃうの?」


日向子はキメにそっと自分のカードを見せる


《…ヤバいな、何だ?この種族設定は…》


∞とか言う値もヤバそうだ…


(…キメちゃん、これ全部秘匿して貰った方が良いよね?)


(《だが秘匿依頼するのにメメルに提出しなければならないぞ?》)


二人は小声で話し合いを続ける


「どーれ?日向子殿のステータスはいかほどなのかな?」


気が動転していてアーチの接近に気付かなかった日向子のカードは背中から伸びるアーチの手にあっさり奪われてしまった


「。。。な、何だこりゃあ!」


アーチは日向子のカードを見て愕然としている


「あ、あのっ‼これには色々と事情がありまして…」


日向子が慌てて言い訳を始めたがアーチの耳には一切届かなかった


「…日向子殿…ちょっと此方へ。」


アーチは日向子の手を引いてカウンターの奥へと連れて行ってしまった


「…何だよ?そんなにヤバいのか?」

「まさか犯罪者だった、とか?」

「それならアーチがあんなに真っ青な顔にならないだろ…」


冒険者達はアーチの異常な反応に再びざわつき始めていたのだった

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