表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゾンビーナ!  作者: とれさん
241/378

241 恋のキューピッド?


日向子はテロンとガンザをくっ付ける為にガンザの脳に直接指令をインプットした


「うんっ‼これで大丈夫。この触手を外したらガンザさんはテロンちゃん一筋になってるわよ」


日向子の言葉にテロンが微妙な顔をする


「でもそれって…洗脳で無理矢理好きにさせてるだけじゃないんですか?…それならちょっと嫌だな…」


テロンが危惧するのも当然だ


「ううん、それは違うわ。元々テロンちゃんに好意があったのは本当だったから逆に他に目移りしない様にしただけだもん」


「…そっか、そうですよね?」


テロンの顔がパッと明るくなったのを見て日向子はガンザから触手を外す


「…あれ?俺は一体…?」


ガンザは狐につままれた様な顔でキョロキョロ辺りを見回している


「ガンザさん…」


テロンがガンザに声を掛ける


「…えっ!?」


ガンザはテロンの姿を見て雷に打たれた様な衝撃を受けている様だ


「テロンちゃん」


「はい?」


「結婚してくれっ‼」ガバッ‼


ガンザはテロンを見て直ぐ様プロポーズしつつ抱き締めるというセクハラ紛いのアタックに打って出た


「ちょっ⁉ガンザさん幾ら何でもそれじゃドン引…」


日向子がガンザのアタックにたじろいでツッコミを挟もうとすると


「…はい///)」


「えっ⁉い、いけたの⁉」


日向子にはドン引きプロポーズでもテロンの心にはグッサリ刺さった様だ


「テロンちゃん…」

「ガンザさん…」


抱き合って盛り上がる二人に若干引きつつも日向子はそっと退室する事で応援する事にした


…バタン…


「あ、テロンちゃんいたでしょ?」


外にいたスリは日向子に声を掛ける


「…スリちゃん…事務所にはもう少し時間をおいて入ってね」


「??」


日向子はめまいを覚えつつ気分転換にニル達のいる厩舎に向かった


!?ヒヒーンッ♪


久しぶりに見る日向子にニルやハク達は大喜びだ


「あはは、ただいま。皆元気にしてた?」


ユニコーンのハク達は喜びの余り日向子の周りを駆け回りスレイプニルのニルに至っては八本足をその場でバタバタさせて跳び跳ねている


「よしよし。あれ?あの子達は誰?」


一頭ずつ撫でていると見た事のない小さなユニコーン達が数頭駆け回っている


《アレはハク達の子供。カワイイだろ?》


人語を覚えたニルが日向子に教えた


「そうなんだ、やっぱり子供はカワイイわねぇ」


日向子がハクの子供達を呼ぶと跳び跳ねながら寄って来た


「わぁ、本当にカワイイ♪私は日向子、宜しくね」


《この子達には主様の事は教えてアル。やっと会えて嬉しいと言ってイルぞ》


首を擦り付けて来るハクの子供達にもみくちゃにされながら日向子は癒された


「あー、何か皆カワイイからとっても癒されちゃった。ニルちゃんありがと」


《シロ達がいたらもっと喜ぶだろうケド今討伐依頼に出掛けテル》


「そうなんだ…ちょっと残念ね…あ、じゃあお手伝いに行っちゃおうかしら?」


日向子はニルにシロ達の居場所を聞くと急いでその方角に飛び去った


バサッ、バサッ、


「あ、いたいた‼」


ガルルッ‼

ギャウッ⁉


シロ達はブルピットの群れと戦っていた


「あら~、同族同士じゃ戦い辛そうね…」


日向子の眼下ではシロ達が20頭程のブルピットに囲まれて苦戦中だった


「よーし、ちょっとお手伝いしちゃおうっと‼」


…ギュッッ…ゴガガッ‼


ギャンッ‼グエッ‼


《ッ!?》《あっ⁉》


突如巻き上がった土埃が収まるとソコには手甲剣を構えた日向子とほぼ壊滅状態に陥ったブルピット達が震えながら立っていた


《あ…主様!》《何で此処に⁉》


シロ達はいない筈の日向子が突如現れた事で驚いている


「ただいま、シロちゃんペスちゃん。会いたかったよ」


《《ク、クゥーン‼》》


シロ達は嬉し過ぎて腰砕けになっている


残っていたブルピット達はリーダー格がいなくなった事で戦意を喪失し、逃げ出そうとしている


「あ、ちょっと待った‼」


…ヒュヒュッ‼…ビタタッ‼


日向子の触手により自由を奪われたブルピット達は暴れたが余計に絡まってその場に倒れこむ


《主様、コイツ等をどうするつもりですか?》


「ん?一応メスっぽい個体を残したつもりだったんだけど違ったかしら?」


シロ達が捕まっているブルピット達を見回すと確かにメスしか残っていなかった


「ちょっと強引だけどシロちゃん達のお嫁さん候補にどうかな?ってね」


同族とは言え先程迄戦っていた相手同士を見合いさせるという暴挙にシロ達は困惑したが

元々群れを為すブルピット達の生態ではそれほど珍しい事でもなかった事を思い出した


《で、でもこればかりは強引に進めて良いモノでもない…》


…キュウ~ン…


捕まったブルピット達はシロ達と日向子に既に完全降伏している様で中には腹を見せている個体もいた


「あはっ♪何か上手くいきそうじゃない?クロちゃんとポチちゃんが抜けてから寂しそうだったからね」


シロ達はブルピットの近くに行き匂いを嗅ぎあっている


「良かった♪仲間は多い方か楽しいもんね」


日向子は触手を外すとシロ達だけにする為に事務所に飛び去ったのだった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ