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ゾンビーナ!  作者: とれさん
234/378

234 婚約騒動 part2


エレモス国王の求婚を躱す為、日向子とラクルは偽装婚約をする事となった


二人は色々と策を考えてはみたもののあまり複雑過ぎるとボロが出ると言う結論に至りシンプルにいく事にしたのだった


ーエレモス王城ー


「おぉ、日向子。今日はどうしたのだ?いよいよワシの妃になる決意がついたのか?」


「いえ、今日はその件につきましてお話があって来ました」


日向子はラクルを呼ぶと早速国王に紹介した


「この方は私の許嫁、ラクルさんです」


〈エレモス国王殿、初めてお目にかかる。我はバンパイア族の王ラクルと申す〉


「む、日向子?バンパイアの王が許嫁だと?」


国王は少し驚いた顔でラクルをまじまじと品定めしている


「はい。王様はご存知ないかも知れませんが私は今人の理を外れた存在になっています。

例え王様の妃になっても寿命が違い過ぎるのです」


日向子は長老に聞いた事を素直に吐露して諦めて貰う様に諭した


「…理を外れた?だが今迄と姿形は変わらんではないか?」


「そうですね、でも私の心臓は今竜核で出来ています。その為にきっと竜に近い寿命を得ているだろうとドラゴンの長老に言われました」


「…ドラゴンの長老?」


「です」


「…よもや…いやまさか…?」


『そのまさかじゃよ、エレモスの小僧』


「ガ、ガビル様…ですか?」


国王は突然入ってきたゴリゴリのマッチョを見て驚愕する


「えっ⁉あれ?長老さん??どうして此処に?」


日向子も何故長老が現れたのか知らない様だ


『ワハハ、実はシルグの坊主に頼まれての。この小僧とは昔会った事があると言ったら是非日向子を助力してくれと頼まれたのだよ』


国王はゴリマッチョが本当に長老だと分かると跪いて出迎えた


「ガビル様、お久しぶりです。幼少の頃に受けたご恩は忘れておりません‼」


『小僧、そう畏まるでないわ。日向子が呆れておろうが』


「はっ、申し訳ございません‼」


「え?一体どういう事なの?」


『知らぬのは仕方がないな。この小僧が幼き頃、ドラゴンキングダムに迷いこんだ所を助けた事があったのじゃよ』


「はは…お恥ずかしい…ですがガビル様が長老だとは思いませんでした」


『まぁ積もる話は後でも良い。それよりも問題は日向子を妃にするとか申しているそうだな?』


「はぁ、そうですが何か…?」


『お主は生きて精々数十年、日向子は数千年は生きよう。その数千年を未亡人で過ごせと言うのか?小僧』


「えっ⁉数千年⁉」


瓢箪から駒とは良く言ったモノだ。

日向子は長老から聞いた事を理由とする為に憶測混じりで話したが本当に数千年寿命があるとは思っていなかったのだ


『まぁどうなるかは分からんが竜核を持てばそうなるな』


「…じゃあますます貰い手がなくなっちゃうじゃないの…」


「ん?日向子はラクル殿と婚約したのではなかったのか?」


「…あっ⁉あははぁ‼そ、そうでした~‼」


「…何か怪しいな…」


「そ、そんな事ないですよ?ねっ‼ラクルさん☆」


〈ああ、我は日向子を伴侶に望んでいる。我が一族にも相応しい女性だ〉


「…ラクルさん(///」


『ほれ、見てみろ。既に小僧の入り込む隙すらないではないか』


「ぐぬぬ…ガビル様にも言われてしまったら諦めざるを得ませんな…」


国王は渋々二人を認めた様だ


「まぁ半分は冗談から出た事だ。二人の門出を快く祝おうぞ」


「ん?半分?」


「うむ。日向子は魅力的な女性ではあるがなかなか相手が見つからなかったからな、

ならばワシが立候補しようかと思い直したのだ」


…グゴゴゴゴ…


「え?」


〈‼日向子、落ち着け‼〉


「え?…王様今何て?」


国王は地雷を踏み抜いた事に漸く気づいたが手遅れだった


「あ…いやその…まぁ何だ‼ラクル殿とそういう間柄になったのは非常に喜ばしい事であるぞ⁉ねっ、ねぇガビル様?」


『うぉっ⁉此方にまで火種を投げるでないわ‼ワシはシルグの坊主に頼まれて来た只のキューピッドじゃぞ?』


〈と、とにかく我は病み上がりだ。落ち着こう、な?〉


日向子の体から負のオーラが滲み出て来ているのを皆慌てて抑え込もうと必死になっている


「…どうせこんな暴力女には誰も貰い手が付きませんよ?そういう意味ですよねぇ?王様?」


「ひいっ⁉」


日向子はいつ暴走してもおかしくない程危険な状態になっている


〈日向子⁉〉


ラクルは決死の覚悟で日向子を抱き締め唇を奪った


「んっ⁉…(///☆」


ラクルのファインプレイにより日向子から迸る負のオーラは瞬時に消えた


〈日向子、落ち着くのだ〉


「…はい(///」


一気にしおらしくなった日向子を見て長老と国王はホッとしたのと共に自分達は一体何を見させられているのだ?と混乱もきていた


〈とにかくこの一件は無事片付いたのだ。我と共に城へ帰ろう〉


「はい(///」


ラクルに連れられて帰っていく日向子を残された二人は手を振って見送ったのであった

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