21 ニル達の活用法
ニル達が日向子に拉致?されてから2週間が過ぎた
「ニルちゃん‼ちゃんと周りと足並み揃えて‼」
「ヒヒン…」
「ハクちゃん3号もちゃんと隣を見ながら走ってね」
「ヒンッ…」
伝説の神獣達は今空の荷馬車を牽く練習をしている
「あれまあ、ヒナちゃん今日も頑張ってるだねぇ」
村人がそんな日向子の勤勉さに感心している
「はい‼早くちゃんと仕込んでエサ代稼がないと結構大変なんですよ~」
シロ達ブルピットもゴメリの先導で討伐に協力しているが魔物の発生は頻繁ではなく収入も不安定な為に
日向子はニル達の輸送業による収入の安定化に期待していたのだ
「うーん…ニルちゃんは一途輓きの方が良さそうね?」
ユニコーン達も普通の馬に比べたら巡航速度は倍以上、航続距離も数倍はあるのだが
スレイプニルはその更に上をいく為にペースを合わせ辛そうにしていたのだ
(そうだなぁ…ハクちゃん達を「快速」としたらニルちゃんは「特急」か「新幹線」レベルなのよね…)
スレイプニルがユニコーンの速度に合わせていたらストレスが溜まるかも?と考えた日向子は
一頭立ての人員輸送サービスが可能かどうかを相談する為ドルネのいる街に出かける事にした
ー北の街、マンライー
「へー、やっぱり街は活気が違うのね」
日向子は初めて村以外のコロニーに来て感心していた
人口にすれば数倍以上はあるであろうマンライの街は交易の要所として栄えているせいか
人種も様々、活気も村とは比較にならない程栄えていた
「ソコの美人さん‼冷やし果実水はどうだい?冷たくて美味しいよ‼」
「えっ?私?」
「周りに美人なんて何処にいるんだい?お嬢ちゃんだよ‼」
「えぇ~?」
気付くと日向子の右手には冷やし果実水が握られていた
「あ…あんなバレバレなおだてに乗るなんて…恥ずかしい(///」
「ソコのお嬢ちゃん、魔物の肉串どうだい?」
「えぇ~?」
。。。
ドルネの商店に到着する頃には日向子の両手は屋台の食べ物で満載状態になっていた
「いらっしゃいませ。ご用件を承ります」
「あのー、ドルネさんはいます?」
「失礼ですがお名前は?」
「日向子って言います。以前何かあったら連絡してくれって言われたんですけど時間がないので直にお伺いしました」
「主に確認して参ります。少々お待ち下さい」
受け付けにいた女性は事務的に応対し奥に下がって行った
《何っ⁉日向子殿が此処に?》
奥の部屋からドルネの声が漏れる
ーガチャ、バタンッ‼ドタドター
「これはこれは日向子様、ようこそ我がドルネ商会へ‼」
ドルネは諸手を挙げて日向子を歓迎した
「…主様、また新しい女を囲ったのですか?」
先程の受け付けの女性が般若の表情で日向子とドルネを見つめる
「ば、馬鹿者‼この方は私の命の恩人だ!」
ドルネは女性を一喝する
「まぁ⁉ではピレネーの村で主様を救った女性というのが貴女なの?」
「はい、日向子と言います。えっと…」
「それは大変失礼致しました。私、ドルネの妻のライラも申します。」
「あーー。成る程。」
日向子は一瞬で理解した
ライラは日向子を浮気相手と間違ったのだ
「え?でも何で私が?」
「…主様はこんな事が日常茶飯事なんですのよ。ねぇ?」
「ウォッホン‼これはとんだ失態をお見せ致しました…面目ない」
「アハハ、ドルネさん浮気はダメですよ?」
ドルネは冷や汗をかきながら話題を変える
「ところで今日はどう言ったご用件で?」
「前に言っていた魔物を使った輸送業を営もうかと思って相談しに来たんですよ」
「おぉ‼早速魔物を使役しましたか‼出来れば見せて頂けますか?」
「勿論ですよ、おいで、ニルちゃん」
「ヒヒーン‼」
スレイプニルは日向子の呼び掛けに応じて空から舞い降りた
「…えっ⁉」
ドルネは商売柄色々な文献も読み知識はある。そのドルネが見るにこの魔物…
いや生き物は神獣スレイプニルに違いない
「日向子様…これはスレイプニルですな?」
「あ、知ってたんですね?ゴメリさんに散々言われたんですけどドルネさんも言うなら本当に神獣なんだぁ」
「ヒンッ‼」
ニルは何故か誇らしげだ
「日向子様?まさかスレイプニルをお使いに?」
「そこが悩みの種なんですよ、ハクちゃん達と脚力が違いすぎて足並みが合わせ辛いんです」
「「ハクちゃん」とは?」
「ニルちゃんと一緒にいたユニコーン達ですよ」
「ユ、ユニコーン⁉」
「ね?何かそっちの方が神獣っぽいでしょ?」
「ままま…まさかそのユニコーン達に?」
「はい、ハクちゃん達は10頭いますので色々バリエーションを変えて荷役が可能かな?と。」
(…ユニコーンに運ばせる運送屋、か。こりゃ話題性抜群だな)
「成る程。それでこのスレイプニルに関してのお名前とは?」
「ニルちゃんは脚が速いので一頭立てで人を運ぶ幌馬車を牽くパターンにしたいんですけど…需要ありますか?」
「…あるどころじゃないでしょうね」
こうして日向子の計画は進んでいくのであった




