表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゾンビーナ!  作者: とれさん
208/378

208 邪魔した報い part2


鉄の処女から聞こえる耳をつんざく程の悲鳴、台に拘束された盗賊達の理解不能な悲鳴が入り乱れ


衆人環視の公開拷問は続いていた


水責めと革袋の拷問に関しては見た目からか観衆にその陰惨さが伝わらずどよめきが多くなっている


ソコに査問官がこれらの拷問の補足説明を始めた


「この水責めと革袋の拷問は斬首よりも陰惨で受けた者達の精神を破壊する拷問である

同じ罪を犯せばどうなるか、皆刮目して心に刻む様に‼」


「…陰惨って言われてもなぁ…ただ水滴がポタポタ落ちるだけなら余裕じゃね?」

「革袋にしても殴りつけてるんじゃなくて当ててるだけだからな…」


観衆達は疑いの目で盗賊達を眺めているが当事者達はそれどころではなかった


「…あがっ、うきっ、」

「。。。」


先程迄喚いていた水責めの盗賊は今は口を閉ざしてしまっている


「やっぱり温いんじゃねぇ…」


ギャハハハハッ!やめっ!


代わり映えのない光景に観衆が失望し始めた時、水責めの盗賊が発狂した


「!?」

「何だ?どうなった?」


盗賊は身動き1つ取れない台の上で泡を吹き白目を剥いている


「…次!」


査問官は台の上で発狂した盗賊を下ろすと檻の中から1人引き出した


「や、やだ!あんな訳分からねぇ拷問だけは嫌だっ!」


査問官は盗賊の願いを聞き入れたのか、盗賊を別の台に固定する


「…た、助かった…」


盗賊はホッとするが次の瞬間それは後悔に変わる


…ジャラ!ジャラリ…ガチャガチャ…


処刑人は台の上に木枠を取り付けると鉤付きの鎖を金具に取り付ける


見た目はベビーベッドの上に良く付けられる「ベッドメリー」と酷似している


処刑人は組み立て終わると鎖の先に付いた鉤を盗賊の皮膚に突き立てた


「えっ!?ギャアッ!」


先程からの温めのスタートに慣れてしまっていた盗賊はいきなりのハードスタートに痛みよりも先に驚きを感じてしまう


…ザクッ、ギャッ‼プスッ、痛っ⁉


鉤そのものが小さい為に痛みが断続的に襲ってきても耐えられそうな雰囲気になっている


「…いやぁぁ~っ‼」

「エグいな…」


やられている本人よりも観衆の方がその異様さに悲鳴をあげる


盗賊の身体中に鉤が無数に付けられ操り人形の様になっていた


「…良し、上げろ‼」


「!!ッ⁉ギャァーーー!!」


鉤を付けられた盗賊が断末魔の様な悲鳴をあげる


自身の体重が鉤を1つ1つにかかり皮膚が裂ける


…ブチブチブチィッ‼


「ギィィッ⁉」


皮膚の裂ける感触と激しい痛みに盗賊は悲鳴すらあげられなくなってしまった


「あぎっ⁉えひゃっ‼」

「やめf@lnsbce!!」

「出してくれぇ‼」

「ギャイィィッ‼」


まだ4人しか拷問されていないのに会場は阿鼻叫喚と化している


「次っ‼」


査問官は釘が刺さった水車の羽根に盗賊達を乗せ留め具を外す


「ギャアッ‼」


更にネズミを足元に放つ


「アガァァァッ‼」


観客席にはあまりにも惨たらしい拷問に失神する者も出てきていた


正直日向子は(やり過ぎたわ…)と思ったが後の祭りであった


かくして公開拷問は恙無く行われこれらを執行した日向子には新たな(字)が加わった


「苛烈姫」「虐待公」等である


これらは日向子の耳には届く事はなかったが一般人の間では隠語としてかなり広範囲に広がったのであった


ーエレモス城ー


「今回の働きも素晴らしかったぞ‼」


国王は脅しに屈服もせず被害者も出さずに事件を処理した日向子を手放しに褒め称える


「現場で始末せずエレモスに運ぶの大変だったんですからね?割り増し頂かないと」


日向子は冗談でゲスい話を織り混ぜる


「む?割り増しとな?」


国王には冗談は通じない様だ


「冗談ですよ、冗談‼それよりも今回のパフォーマンスはどうでした?」


「おぉっ‼相当効いた様でな、囚人も続々自白しておるし領内の犯罪もほぼ消えたわ」


実は今回の公開拷問は国王の要請により行われたのだ


以前は魔獣による被害が大きかったエレモス領内だったが日向子率いる討伐部門が早期対応しているお陰でほぼなくなった

その代わり人間の起こす犯罪が増えて来たのだ


これを憂慮していた国王が今回の捕縛劇に乗じて「見せしめ」を行ったのである


エレモス国は犯罪者を許さない


日向子が開発した拷問道具を全て採用したのはこの意思を内外に知らしめる為であったのだ


「折角の休暇にすまなかったな。ワシからも許可を与えるのでゆっくりと休むが良いぞ」


「うーん、のんびりもし過ぎると飽きるんで少しずつ復帰しますよ」


マシラ達との生活に飽きが来た訳ではないがどうやら日向子の周りではトラブルが起きやすい様だ

今回の一件も目を離した途端巻き込まれた


なら大胆に休暇を取らず暇が出来たら休めば良い


日向子はそう思う様になっていたのだった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ