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ゾンビーナ!  作者: とれさん
207/378

207 邪魔した報い part1

本日は複数話投稿します♪


ーエレモス城ー


「帰りましたー♪」


日向子は家程もある大きな網に沢山の盗賊を詰め込んで中庭に降り立った


「日向子様、ご無事でしたか?」


空から迫り来る塊に驚いていた衛兵が日向子に気付いて駆け寄ってくる


「あ、この人達拷問に掛けるからね。準備しておいてくれる?」


「あ、はい‼」


まぁこの小説を読んでくれている方ならお分かりだろうが日向子はかなりのドSである


前世のオペ看時代、かなりのストレスをスプラッタやホラー映画で発散していたのだが

それに慣れると世界の拷問道具に興味を持ってしまい色々調べたりしていたのだ


因みに好きな映画はヘルレ○ザーである


網に囚われた盗賊達は日向子の瞳術により身動ぎ1つ取れない


盗賊達が次に意識を取り戻したのは闘技場の様な観客席付きの広場だった


「こ、此処は何処だ?」


盗賊達は辺りをキョロキョロ見回すと観客席から歓声が上がる


「お前達散々悪い事したんだってなぁ‼」

「ゴルド領主様は美人だけど)る事ぁエグいぜぇ‼」


罵声が飛び交う中、盗賊達のこれまでの罪状が査問看によって宣言される


「この者達は近隣の村や行商人達を襲撃し殺害、略奪行為を働いた者達である!

今回ゴルド領主日向子様直々に捕縛に向かわれ彼等を一網打尽にされ此処に公開拷問を行うモノである!」


ダララララララララララッ‼


鼓笛隊のドラムロールが場内に響き中央にある天幕が引かれる


ウォォォォッ‼


観客席が一気に沸き上がり天幕の下から現れた見た事もない拷問道具に驚嘆している


「あれっ?前の道具と違うじゃん⁉」

「何でも領主様がまた寄贈した新道具らしいぜ?」

「かぁ~っ‼あの領主様、綺麗な顔してやる事ぁホントえげつねぇな‼」


犯罪の抑止効果を持たせるには見た目も必要だが「悪事を働けばあずれこうなる」と徹底して思わせる事が肝心なのだ


前世の世界で串刺し刑等の凄惨な処刑方法はこうした見せしめ効果を狙った部分もあるのだ


今回日向子が盗賊達に用意したのは以前に贈与した凌遅刑・石抱き刑・水車踏の刑の他に4つ


何やら鉄製の人形の様なモノ、鉤がついた鎖、水が入った桶、そして何かが入った革の袋だ


「あの人形みてぇなのが気になるが…あれをどうするんだ?」


観衆の疑問は直ぐに恐怖に塗り替えられる


人形の前面が扉の様に開かれると中は鋭利な釘が無数に生えていたのだ


「まさか…あの中に?」


当たりである。

ただこの鉄の処女はあくまでも拷問様なので釘の長さは微妙に調整してあり

微動だにしなければ刺さらない様になっている


まぁ逆に一気に串刺しになった方が良いかも知れないが


…ガチャ、ジャリジャリ…


「お、おいっ‼何をするつもりだ⁉」


査問官が盗賊の1人を引き回し鉄の処女へと誘う


「こ、この中に入れってか⁉嫌だぁぁ‼」


…ギィィ~…バタン


「…アギャァァッ‼」


「ひいっ‼」「酷ぇ…」


鉄の処女から悲鳴が聞こえると観客席からも悲鳴が聞こえだした


「お、俺達が悪かった‼許してくれぇ‼」


檻の中の盗賊達は仲間の悲鳴で一気に心が折れて命乞いをする


「…貴方達に殺された人達も命乞いした筈よ?」


日向子は冷たい視線を盗賊達に向ける


日向子の合図に合わせ査問官がまた1人盗賊を引き出した


「やめてくれぇ‼」


査問官は盗賊を台に寝かせると水が入った桶の下にセットする


…ピチョン…ピチョン…ピチョン…


桶に付いた蛇口から水が一滴ずつ滴り落ちる


「?」


「???」


査問官は水滴の落ちる速度を調整するとその場を離れる


「え?あれで終わりかよ?」

「さっきのと比べると大分優しい拷問だな…」


観衆はただただ落ちる水滴を額に受けている盗賊に一気に興味を失った


「ありゃハズレだな、領主様も失敗する事もあるんだな…」


観客席から落胆の声がちらほら漏れだした頃合いを見計らって更にもう1人、盗賊が出される


同じ様に台に固定されると処刑人が登場する


「ん?とうとう処刑するのか?」


観衆も檻の盗賊達も固唾を飲んで見守っていると処刑人はテーブルに置いてある革袋を手に取った


「…あれで殴り殺すのか…?」


斬首でも串刺しでもなく撲殺とは…何て酷い処刑方法なんだ…


と観衆の誰もが思っていた時、処刑人は台の横に立ち拘束されている盗賊のこめかみ付近をその革袋で叩き始めた


…トン…トン…トン…トン…


一定の強さとリズムで軽めに叩く姿を見て観衆も落胆する


「なんだ、撲殺じゃないのか…」

「あんな事で盗賊が悔い改めるのかよ?」


観客席のざわめきが次第に大きくなり始めた時、先程の水責めをされていた盗賊が悲鳴をあげる


「や、やめてくれっ‼頭がおかしくなっちまうっ‼」


「「「「「???」」」」」


拷問を待つ盗賊も観衆も悲鳴をあげた盗賊の悲鳴の意味が分からずキョトンとしている


「…あぁぁぁぁぁっ‼やめろぉ‼」


「あっ、あっ、やめっ‼やだ‼」


水責めの盗賊に気を取られていると今度は革袋の拷問を受けていた盗賊が変な声をあげ始めた


「…一体何が起こってるんだ?」


観衆達も盗賊達もおそらくこの世界の人間はこれらの拷問が鉄の処女よりも陰惨なのに気付いていなかった

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