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ゾンビーナ!  作者: とれさん
180/378

180 里帰り


バサッ、バサッ、バサッ、


日向子は今、キメ達の計らいでピレネー村へ向かって飛んでいた


たまたま立ち寄ったゴメリに優しい言葉を掛けられ里心に火がついてしまったのだ


「皆元気かなぁ…?早く驚く顔が見てみたいわ…」


日向子ははやる気持ちを抑えてゆっくりと飛行する


ただ里帰りするだけでは悪いと思いゴルドからピレネー村迄の間を視察しながら帰ろうと思ったのだ


…ヒュッ‼…ギャッ⁉


途中で見かけた魔物は害を及ぼさない様に討伐していく


そんな日向子の眼下に商隊の馬車が連なっているのが見えた


「あれは…」


日向子は降下して商隊の横に舞い降りる


「な、何者だっ‼」


商隊の護衛達が敵の急襲と誤解して刃を抜く


「待ったぁ‼その方は敵じゃないぞ‼」


馬車から飛び降りた人物が大慌てで護衛達を制する


「日向子様‼こんな所でお会いするとは」


「本当奇遇よね、ゴルドじゃお互い忙しくて会えないって言うのに…で、何処に行くの?」


「はい、これからエレモスの城下町に行って商材を買い集める所なんですよ、日向子様は?」


「私は休みを貰ってピレネー村に里帰りする所なのよ」


「あぁ、宜しいですな。では道中お気をつけて」


「ドルネさん達もね」


お互い挨拶を交わすと日向子は大空に舞い上がった


「…相変わらず見る度にワクワクさせてくれる方だな…」


ドルネは日向子の変貌に胸を高鳴らせつつ見送ったのであった


バサッ、バサッ、バサッ、


「ほら‼ガンザさん、早く荷物を積まないと予定の時間に着きませんよっ‼」


「だー、もう‼分かってるって‼」


「スリちゃん達は城下町でドルネさんと合流して荷物を運んで下さいね」


「了解、じゃあ行ってきまーす」


久しぶりのピレネー村、久しぶりの神獣運輸にどう挨拶したモノかと上空を旋回していると

スタッフ達は大忙しで働いていたので声を掛けるタイミングを失ってしまっていた


…グル?…‼ワオーン‼


「きゃっ⁉シロちゃんどうしたの⁉」


鋭い嗅覚で上空にいる日向子を見つけたシロは尻尾が千切れるんじゃないか?と思わんばかりに振って遠吠えをした


「「「「日向子さん⁉」」」」


「えへへ、ただいま。」


シロの遠吠えにより日向子を発見したスタッフ達はビックリしながら日向子を迎え入れる


「何で羽生えてんすか⁉」

「きゃー‼その瞳、かわいい‼」

「イメチェンっすか?」

「…これでビキニアーマー着たら無敵っすね??」


その場にいたコロン、スリ、ガンザ等々が次々に日向子に声を掛ける


ワフッ‼ワフッ‼ワオーン‼

ブルルッ‼ヒヒーン!

ゴアアッ‼


シロをはじめ神獣、魔獣の皆も日向子の帰りを興奮しながら迎えてくれた


「長らく任せっきりでゴメンね」


日向子は申し訳なさそうにスタッフに謝る


「とんでもない‼日向子さんがいない分、皆で団結して運営に取り組んできましたから‼」


テロンは日向子を労った


「今日はお休み貰って皆に会いに来たの。数日お世話になるわね」


「お世話だなんて水くさい‼どうかゆっくりと休んで下さいね」


コロン達は日向子の里帰りを温かく迎えてくれたのであった


。。。


翌日は朝早く起きてシロ達から順に散歩に出掛けた


ワフッ♪ワフッ♪


「うふふ、嬉しそうね。喜んでくれて私も嬉しいわ」


そんな散歩の途中、日向子は行き倒れを見つけてしまう


「えっ⁉大丈夫ですか?」


「み、水を…」


「持ってないわ、今村に連れて行きますね‼」


日向子はシロの背にその人を乗せると急いで村に運んだ


「テロンちゃん、行き倒れ‼多分脱水症状‼」


日向子は事務所に戻るとテロンに医者を連れて来る様に指示した


ウシャ爺がゴルド領に行った後、彼の弟子がピレネー村に常駐して医療を担当している筈だ


少ししてやって来たウシャ爺の弟子に回復薬を処方する様に指示した日向子は先頭に立って治療を行った


「…良かった。大した事なさそうね」


容態も安定して眠りにつく患者を見て日向子は一安心していた


ー翌日ー


「う…此処は…?」


日向子に救われた男性が目を覚ました様だ


「此処はピレネー村ですよ。良かったですね、大した事なくて」


テロンは男性に声を掛ける


「⁉…ここがピレネー村ですか?こ、此処に神獣運輸という会社があると聞いたのですが…」


「えっ⁉此処がそうですけど…何かご用だったんですか?」


「そ、それは天の助けだ‼ど、どうか私の村を救って下さい‼」


男性はテロンに縋りつく様に頼み込んで来た


「ちょっ、落ち着いて下さい‼今社長を呼びますから‼」


テロンは事務所の二階で休んでいる日向子を慌てて呼びに行ったのだった

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