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ゾンビーナ!  作者: とれさん
173/378

173 スパイ大作戦?


ラクルとの協定を結んだ日向子は意気揚々とゴルド城に戻ってきた


「ただいまー♪」


キメやシルグをはじめ城内で働く従業員(?)達も皆日向子の笑顔に安堵の表情を浮かべる


《ラクルとの話し合いは上手くいった様だな》


「うん、大した戦闘にならなくて良かったよ」


『やはり説得に至る迄には数手組み合わなければならなかったか』


「まぁねぇ、アポなし突撃だもん。前と何ら変わらなければ疑われるのも已む無し、よね」


まぁいずれにせよ日向子はラクルと個人的な停戦と和平の協定をとり結んできたのだ


その成果を以て次の段階に進む事となる


「正直ラクルさんがどんな理由であっても元老院と直にやりあったら禍根は残るでしょ?

憎まれてても一応は最大派閥なんだし」


『そうだな、元老院の郎党は一気に力を失う訳だし平然とはいかぬだろう』


「かと言って私達がおおっぴらに動いたら内政干渉も甚だしいじゃない?」


《まぁそれで解決しても他は納得はしないな》


日向子は皆の同意を得て我が意を得たり!とばかりにスックと立ち上がった


「はい‼ソコで私はスパイによる元老院の内部崩壊作戦を提唱します‼」


キラキラしたオッドアイに満面のドヤ顔、日向子の何かのスイッチは連打状態になっていた


(…また厄介な事にならなきゃ良いんだが…)


腰に手を当ててふんぞり返っている日向子をキメとシルグは生暖かい目で見つめていた


。。。


翌日、日向子はキメとシルグ、霊能者ドラを円卓の間に召集した


《主、改まってどうした?》


『…良い予感がせんな…』


〈私がこんな重要な席に隣席して宜しいのでしょうか?〉


三人が三様の不安を溢しながらそれぞれ着席する


《?シルグ様、此処に箱の様なモノがありますが…?》


キメが見慣れない箱状の物体を見てシルグに報告するがシルグにしても初見だったらしく首を傾げている


『ドラ殿、お主はこの物体の見識があるかな?』


シルグはバンパイアの見識ならば、とドラにも尋ねた


〈いぇ…一件西方のオルゴウルという楽器にも見えますが…初めて見ました〉


『バンパイアの見識は我々よりもかなり進んでおる。そのドラ殿が初見であれば我々が知らずとも致し方あるまい』


三人ともお手上げ状態だ


《…ん?此処に何か紙が挟んであります》


キメは箱の下に紙が挟まっているのに気付きゆっくりと引き出す


【赤いボタンを押して下さい】


《?》


キメは箱の手前に付いている幾つかのボタンに目をやり1つだけある赤いボタンを押す


…サザー…お早う、フェルプス君。


『《〈!?〉》』


箱の中から聞こえてきたのは強引に男性の声を出そうと無理をしている日向子の声だった


…今回、君の使命は先日捕らえた三の矢を此方側のスパイに仕立て上げ元老院の中枢に潜り込ませる事にある。

潜入後元老院のメンバー全員のリストと背後関係、ゴルド襲撃に関わった人物を特定して欲しい。


例によって君、若しくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても

当局は一切関知しないからそのつもりで。尚、このテープは自動的に消滅する。


成功を祈る。シュシュ~…


『《〈。。。〉》』


《…おい、主。一体何をしたいのだ?》


「…えへへ、バレてた?」


《当たり前だ。で、一体何の茶番なのだ?》


この世界にテープレコーダーなぞ存在しない

だがどうしてもやりたくてわざわざ木箱を用意し煙を出す薬品もウシャ爺から買い付けた


かの名セリフは再現不可能だったので影に隠れた日向子が糸電話で直に話していたのだ


「い、良いじゃない‼やりたかったの‼やってみたかったのよぉぉ~っ‼」


日向子の絶叫に一瞬時が止まり次の瞬間冷静にツッコんだキメが切り揉み状態で壁に激突していた


〈ひぃぃっ⁉〉


日向子の暴走を初めて見たドラ(ドラク)は顔を青ざめさせて悲鳴を上げた


『…主殿、今回もだがキメは一切非はないぞ…?』


シルグは自分に矛先が向かない様、細心の注意を払いながら日向子を窘めた


血反吐を吐きながらビクンビクンと痙攣するキメを横目に日向子は断言する


「男の…いえ‼〈女の浪漫〉に冷静にツッコむとかあり得ないスタッフに〈躾〉は必要なのですっ‼」


『〈浪漫って。。。〉』


シルグもドラも思わず口先迄言葉が出かかったが未だに釣り上げられた魚の様にビチビチ跳ねているキメを見て呑み込んだ


『と、とにかく三の矢を洗脳して味方に付け敵の内部事情を偵察させれば良いのだな⁉』


〈わ、私は…恐らく手に入れた情報の精査やリスト化、分類の為に呼ばれたのですねっ⁉分かります‼〉


《。。。》ピクピク…


「キメちゃん‼いつまで寝てるの?」


《。。。》


「。。。」


日向子は痙攣の収まったキメの頸動脈に指を当てる


「あ…ヤバいかも⁉」


その後日向子の救命作業により息を吹き返したキメは前後の記憶を「何故か」失っていたと言う

更新が滞っているお詫びにもう一話投稿します

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