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ゾンビーナ!  作者: とれさん
155/378

155 間者の末路

明けましておめでとうございます‼


今年も地道に投稿していきますので宜しくお願い致します!


…ブゥン、ブゥン…


((…ん…此処は…))


ガントスが気絶から覚醒すると何処かの部屋に寝かされている事に気付いた


((っ‼しまった‼))


ガッ、ジャララララ‼


ガントスはどうやら敵に拘束されてしまった様だ


((…どうする?変態して力すくで脱出するか?

…しかし薬師が見つからねばドラク様に顔向けが出来ぬ…一旦大人しく捕まったフリをして様子を見るか…))


ガントスはいつでも脱出出来ると高を括って寝かされたベッドに大の字に寝転んだ


…コンコン、ガチャ。


「どう?目覚めたかしら?」


部屋に入って来たのは華やかなオレンジ色の前髪の女性と筋骨隆々の美男子だった


((⁉貴様が領主か?))


「そうよ、初めまして。こっちはシルちゃんね」


((…そうか。さっきのデカイ蜂はお前の使い魔か…))


「んー、違うけど今は関係ないわね。じゃあ知っている事を全部吐いて貰おうかしら?」


((ハハハ、そんなに簡単に口を割ると思っ…あぱぁっ⁉))


ガントスの口上を最後迄聞く日向子ではない

ガントスのこめかみには日向子の指先から伸びた触手が刺さっていた


『…主殿…なかなかにエグい技だな…』


横ではシルグがドン引きしている


「そう?拷問するよりはスマートだと思うんだけど…シルちゃんも後で体験してみる?」


日向子の軽い調子にシルグは身震いして断固拒否した


「さて、冗談はここまで。早速隠してる事を教えてね」


((…はい…何なりと…))


日向子の尋問はかなり長い時間続いた


。。。


「キメちゃーん、少し警戒を解いても大丈夫よー‼」


ガントスの尋問を終えた日向子は元謁見の間でキメを呼び出した


…ブーン、ブーン、ザザザザ…


キメの分体蜂が1つ所に集まるとキメの本体が姿を現した


《主、何か分かったのか?》


「うん。あの間者、首謀者の間者だったみたい。それにあのラクルのお兄ちゃんのね」


今回のゴルド事件の首謀者の側近を捕まえた事で事件の全容やバンパイア族の思惑、全てが判明したのだ


「分かった情報は皆で共有しないとね、今から会議するわよ」


日向子達は連れ立って円卓のある部屋に入って行った


。。。


ガントスから得た情報はこうだ


薬師から得たラクルの実兄ドラクと元老院の関係、ラクルとの確執、薬師の重要性

ここまでは知っていた情報だ


ここからは新情報

ドラクは薬師の拉致の責を負い必死になっている事、

ラクルはドラクの動向を取り敢えず静観している事、

そして元老院はあわよくば今回の失態をラクルにも負わせて王位剥奪を目論んでいる事、だ


「他にも細かい所聞いたんだけど大まかにはこんな感じね」


《ではラクルの間者も近くで監視しているのでは?》


「あぁ、それはご心配なく」


…ブゥン、ブゥン、


《な、何だこの蜂は⁉》


「あれっ?さっき見てなかったんだ?これが私の分体蜂、オオススメバチちゃんでーす‼」


…ブゥン、ガチガチガチガチ…


《ひっ⁉こ、こいつかじろうとしてくるぞ⁉》


「あはは、この蜂は肉食だからね。って流石にキメちゃんを襲わないわよぉ~」


オオススメバチは単に強靭な顎を鳴らしていただけだった


《そ、そうか。で…安心してとはどういう事だ?》


「それはね、ほら。」


…ブゥン、ブゥン…ドサッ‼


「もう見つけて捕らえちゃったから」


日向子(分体)はガントス捕縛に向かう途中、千里眼に反応した壁に気付いた


念の為攻撃したら壁と同化していた間者をあっさり捕縛していたのだった


《そんな…俺の分体はガントスしか気付かなかったぞ?》


「あー、こっちは何かテクニシャンで本当に壁と同化してたのよ。凄い技術よねぇ」


『ワハハ、既に師匠を越えたな。ワハハハ‼』


シルグは呑気にその様子を笑っていた


《…シルグ様…貴方も既に越えられているやも知れませんよ?》


『ん?そんなのは当然だ、ワハハハ‼』


シルグにはキメ程のプライドはなかった


長寿が故のおおらかさなのか強者は強者と素直に認める心の広さがあったのだ


キメは日向子に寄せる想いから少し意地を張っていた為そこまで広い心を持てなかったのだ


嫌味をあっさり躱されたキメは顔を真っ赤にして俯いた


『ワハハ、キメもまだまだ若いのう‼』


「なぁに?二人で楽しそうにして、私にも教えてよー‼」


『いやいや、何でもない。では更に情報を搾り取ってやろうではないか‼』


シルグはキメのプライドを守って話題を尋問にすり替えた


《そうか…俺は主を身を賭して守る事が唯一想いを伝える手段なんだな…》


キメはシルグの含んだ意図を正しく理解して気持ちを切り替えていたのだった

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