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ゾンビーナ!  作者: とれさん
140/378

140 ゴルド王国の滅亡 part27


シジル達が生存者の希望調査をしていたその時間、日向子達は最後の仕上げである王城の掃討に着手していた


「流石にお城ね、部屋が沢山あっていちいち開けて確かめてたら何日掛かるか分からないわ…」


日向子は勿論だがキメも部屋数の多さにうんざりしていた


《少し試したい事があるんだがやっても良いか?》


「ん?うん、この際だから楽になりそうな事はどんどんやっちゃって‼」


日向子もいつ終わるとも知れない雑事に投げやり気味だ


《主命名のナノサーチまでは同じだが…》


キメはナノサイズの魔物を生み出し拡散させる


グゥオオオッ‼


《ここで…こうだ‼》


…ギッッ⁉


部屋から現れたゾンビがいきなり崩れ落ちた


「え?何したの?」


日向子は突然倒れたゾンビに驚いている


《…うまくいった様だな。主のアドバイスを参考にナノ魔物達にある指令を追加したんだよ》


「指令?」


《ああ、主の説明だとゾンビを行動不能にさせるには四肢を切り落とすか頭部を切断、若しくは脳を破壊するしかないだろ?》


「うん、そうね」


《だからナノ魔物達に(脳内に侵入したら爆ぜて破壊しろ)という命令を追加してみたのだ》


「キメちゃん…ナイスアイデアだわ‼これならイチイチ私が倒さなくても見つけただけでデストロイ完了しちゃうじゃない‼」


日向子は小躍りして喜んだ


「あ…でも爆発しちゃったらその細胞は無くなっちゃうでしょ?

そうしたらキメちゃんがどんどん小さくなっちゃうんじゃないの?」


《後で新鮮な細胞を取り込めば元に戻るから心配はいらないぞ》


「そうなの?良かったぁ~」


日向子は本当にホッとした表情を浮かべていた


「そもそも何でゾンビが動けるのか全く分からないのよねぇ…」


《…えっ?》


「えっと…私がいた前の世界では医学が発達していてね、付随して解剖学とかも盛んだったのよ」


《解剖学?》


「うん、要は人体の構造を調べて病気の原因を追求したりするのね、それは人間だけでなく存在する生物全て該当するんだけど…」


《成る程?》


「生物ってのは活動停止…いわゆる「死」を迎えると肉体は腐敗を始めるのよ」


《…まぁそれは分かるな》


「その理論から行くとゾンビって活動するエネルギーが枯渇してる筈だから動けないし肉体の硬直や腐敗を防ぐ原理が分からないのよ」


《…うーむ…良く分からないな…》


「そうなの、それで納得させないと存在自体があり得ないのよ…まぁキメちゃんもそうなんだけどね☆」


《む?そうなのか?》


「うん。普通は細胞同士が拒絶反応示して崩壊しちゃうから何でも取り込めるキメちゃんは不思議ちゃんよ?」


《不思議…ちゃん??》


「前の世界に行ったら間違いなく標本にされるわね」


《標本…とは何だ?》


「そうね…体中解剖されて調べられて…最後は薬品に浸けられて瓶詰めになるかな?」


《…考えただけでも恐ろしいな…主はそんな残虐な世界から来たのか…》


「あはは、のべつまくなし解剖されちゃう訳じゃないわよ?珍しいモノはヤバいけどね」


《…この世界に生まれた事を感謝せねばな》


「そう考えると向こうの世界も大分狂ってるわねぇ…」


日向子は少し落ち込んだが持ち前の明るさでサッと切り替えた


「さ、シジルさん達が来る前にチャッチャと片付けちゃおう」


《そうだな、早く片付けてのんびりしよう》


日向子達はどんどん城内を進んで掃討していった


。。。


「ではシジル隊長、残留希望者を城下町迄送迎して来ます」


「あぁ、頼んだぞ」


シジルは残留組に1個小隊をつけて護衛させる事にした


移住を希望した住民達は既に1個小隊と共にエレモス領内に建設中の仮設施設に向かっている


「これで良し、っと」


シジルは大きくため息をついた


『お前は隊長になってから日が浅いのか?』


シルグはシジルの指揮を見て感じた事を訊ねた


「はい、シジル殿もご存知でしょうが以前は神獣運輸にいるゴメリさん、リースさんが隊長職を担われておりました」


『何?あのイチャコラバカップルがか?…人間とは読めぬ生き物だな…』


「イチャコラ…バカップルって…そんなに酷いんですか?」


『あぁ、余りに酷いので別棟を新たに建てて隔離した程だ』


シジルは最近の二人を知らず勇猛果敢な二人のイメージしか持ち合わせていなかった為に脳内が追い付かないでいた


「隔離とは…随分穏やかではないですね…」


『ワシも少し見ただけだがアレは酷い、キメにでも頼んで合身させた方が落ち着くんじゃないか?と思う程だ』


「合身って…アシ○ラ男爵じゃないんですから…」


シジルは無意識に知らない筈の某有名キャラの名前を言葉にしていた。それほど混乱していたのだ


『…ともかく将と言う者はもっと堂々としていた方が部下も安心するぞ。覚えておくが良い』


「あはは、肝に銘じます。でもこの態度が本性なんですよね…威厳とかないし」


『成る程。では部下の気持ちを拾える将になれ。それもまた名将の素養だ』


「はい、それなら結構自信があります」


シジルとシルグは退屈なのか世間話で時間を潰していた

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