137 ゴルド王国の滅亡 part24
昨日ボケて1話飛ばして投稿してしまいましたので修正しておきます。
日向子達はサンプルを持ち寄り状況確認をしていたが日向子の
《G》嫌いを知ったシルグが失言をして逆鱗に触れ倒されていた
「と、とにかく城下町近辺はお掃除終わったみたいだから次は村や町を捜索してみましょ!」
《…主、念の為に俺は通路をもう一度捜索したいのだが良いか?》
「えっ?も、勿論よ⁉…居るから全部焼き払って来てね」
《…やっぱり…》
集合する時やけに遅かったのは例のアレに出くわしたからだとキメは推測した
「じゃあ私はシルちゃんと周りを見てくるわね、っていつまで気絶したフリしてるのよ?」
日向子は気絶して弛緩中のシルグの体をガクガクと揺すっている
《あ、主っ‼もう少し優しく…》
「大丈夫よぉ、伝説のドラゴンなんでしょ?しかもその中のトップなんだからこの位どうって事ないわよぉ」
ガクガクガクガク…ゲハッ⁉
『…此処は何処だ?』
シルグは力任せに揺すられて記憶が飛んだ様だ
「何寝惚けてるのよ、周辺のエリアを捜索しに行くわよ?」
『う、うむ。…しかし何故気を失っ…』
「ほらほらっ‼ぐずぐずしないの!」
『…うむ。では行こうか』
日向子も日向子で大概だがシルグもシルグで大概なんだな、と思うキメであった
ー地下通路ー
…ガサガサ…ザワザワ…
《…やっぱり逃げたんだな?》
ゴウッッッ‼…ギィィィッ⁉
キメは日向子がスルーした《G》達を焼き払っている
《まぁ前の様に卒倒されてピンチにならなかっただけでも僥倖か…》
キメは日向子が無事だった事が唯一の救いだと思い直し丹念にサーチ&デストロイを繰り返していた
…ガタッ…
《っ!?》
キメは前方の物音に気付いて身構える
「…チッ、見つかってしまったか…」
キメの前に現れた人物は背中に大きな箱を背負った商人風の男だった
《…お前まさか…この王国に薬をもたらした薬師か?》
「ほう、そこまで知っているとは…あの無能な愚王にでも聞いたのか?」
謎の男は懐から短刀を取り出しながらキメに質問する
《…俺に出会ったのが運のツキだったな。生け捕りにさせて貰うぞ》
「はっ!この俺様を生け捕りとは大きく出たな!ただの人間風情に…」
…カプッ
「ニャッ⁉」
《お前の切り口上を全て聞く必要はあるまい?戦闘中に呑気なモノだな》
「ぎ、ぎざま…だにを(何を)…?」
《なぁに、ちょっと痺れさせただけだ。因みに解毒は出来ないから下手に薬を飲むなよ?》
キメは男が侮っている間に尻尾の毒蛇を接近させ麻痺毒を見舞ったのだ
…シュルルルル…
「ぎざま…ひんげんでハにゃいのは?」(意訳;貴様、人間ではないのか?)
《誰が人間だと言った?お目出度い奴だ》
こうしてキメは大手柄を手中に収めたのであった
。。。
シャキーンッ‼ゴウッッッ‼
ギャアァァァッ!
「うーん、此処はこれで全部かな?」
日向子とシルグは近隣の村々や町を時計回りに回って掃討を繰り返している
『主殿、1つ提案しても良いか?』
「ん?何?」
『目視による殲滅は限界があるのではないか?隠れられていたりしたら討ち溢しは出るだろう?』
「…まぁそうね、隠れられていたらそれこそキリがないわ」
『多分主殿は知らぬのであろうが…キメは目に見えぬ細かい魔物を飛散させて文字通り殲滅が出来る筈だぞ?』
「。。。え?」
『だから…キメにこの作業を任せればいちいち出向いて殲滅をせずとも討ち洩らしもなく遂行が可能だと…』
「。。。何ですって?」
…ギリギリギリギリ…
(…はっ‼しまった⁉)
シルグはまたも不用意に日向子の逆鱗に触れた事を察知した
『…と言う事をキメから聞いた様な聞かなかった様な?…何故キメはその事を主殿に言わなかったのであろうなぁ?アハハ…』
「。。。そう…そんな便利な能力があるのにキメちゃん…隠していたのね…?」
(…キメよ、すまぬっ‼)
ドラゴンの頂点、四竜が内の一体風のシルグは今保身の為にキメを売ったのだった
。。。
『キ、キメは少し遅いなぁ?』
シルグは横で怒りのオーラを駄々漏れにしている日向子に耐えられずキメを心配するフリをした
「…そうね」
『…ひぃぃ…』
シルグはこれ以上余計な事を言う危険を犯したら…と怯えていた
《主ー‼凄い土産を持ってきましたよー‼》
ソコに何も知らないキメがホクホク顔で登場した
「…キメちゃん、お話があるんだけど…」
《!?》
日向子は手柄を持ち帰り有頂天だったキメの首根っこをむんず、と掴みシルグから離れた
(キメよ…弱いワシを許して安らかに成仏してくれい⁉)
シルグは自らの行いとキメの行く末に耐えられずギュッと目を瞑った
…
『?』
(何の音もしないな…ま、まさか蒸発させてしまったのか⁉)
シルグは物音1つしない事に疑心暗鬼になっていた
『あ、主殿ぉ?』
シルグがゆっくりと目を開けると目の前に日向子の憤怒の顔が目と鼻の先にあった
『ぉおあっひゃっ!?』
恐怖と罪悪感でごちゃ混ぜになっていたシルグは日向子の顔に奇声をあげて尻餅をついてしまった
「シルちゃん?何でそんなに怯えてるのかしらぁ?」
『アハハ…そ、そんな事は…』
シルグが辺りをキョロキョロ見回すとさも当然と言った態度で頷くキメが脇に立っていた
『や、やぁ、キメ君。ぶ、無事だったのかなぁ?』
《…シルグ様…俺を売ったんですか?》
『い、いやぁ?そんな事はした覚えが…』
「…いいからいらっしゃい」
『…はい…』
その後シルグが受けた「躾」はキメの心にもトラウマを作ったのである




