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ゾンビーナ!  作者: とれさん
114/378

114 ゴルド王国の滅亡 part1

本日からゴルド滅亡編が始まります。

少し多めに投稿しておきますので頑張って(?)お読み下さい


ーマンライの街、ドルネ商会ー


「こんにちはー、ドルネさんはいますか?」


「あ、日向子様お久しぶりです。どうぞこちらに」


日向子はドルネがいる執務室に案内される


コンコン


「旦那様、日向子様がいらっしゃいました」


「お入り頂いて!」


ドルネは待ちわびていたのか慌てた声で日向子を迎え入れた


「あぁ、日向子様!急に呼び出して申し訳ございません‼」


ドルネの慌てた態度に日向子は驚いた


「ドルネさん、一体何があったんですか?」


「あぁ…一体どこから話したら良いか、分かりません…と、とにかくこちらへ‼」


ドルネは日向子に席を勧めメイドに紅茶を運ばせた


「実は…その前に日向子様はゴルド王国はご存知ですか?」


「えぇ、名前だけは。確かエレモス国と国交断絶してるって聞いてます」


「はい。そのゴルド王国は此処マンライの街の北、トゥルネ山脈を越えた先にある大国なのですが…」


ドルネは震える手でティーカップを持ちカチャカチャと鳴らしながら紅茶を啜った


「その…ゴルド王国が滅亡しました…」


「えっ?いきなり滅亡ですか?何で??」


ドルネは日向子の問いに小さな声で答えた


「ゴルド王国は…バンパイアに攻め滅ぼされたとの事です…」


…ガチャン‼


ドルネはティーカップを落としてしまい破片が周囲に飛び散った


「‼旦那様、お怪我はありませんか⁉」


割れた音に気付いたメイドが入室してきて慌てて破片を片付ける


「…大丈夫だ、新しいお茶を。日向子様にもな」


「畏まりました…」


片付けの終わったメイドはスッと退室する


「ドルネさん、落ち着いて下さい。ちょっと訳が分からないので最初から話して頂けますか?」


バンパイアの襲撃、ゴルド王国の滅亡、ここまでは分かる

だが何故ドルネがここまで動揺しているのかが全く繋がっていないのだ


「…そうですね、いきなり滅亡の話からでは分かりませんよね…

少しお待ち下さい、気持ちを落ち着かせてからお話し致します…」


ドルネはメイドが新たに運んだ紅茶をゆっくりと飲みながら気持ちを落ち着かせ、重い口を開いた


。。。


ドルネは元々ゴルド王国の出身で実家もゴルド王国で商会を開いていたそうだ


次男であるドルネは新天地を求めてエレモス領でドルネ商会を立ち上げ大成した


国交断絶後はそれほど行き来が出来なかったが実家の商会とはお互いに商品のやり取り等で交流があり

実兄である長男ポルカとは兄弟でありライバルでもある良い関係だった


それが先月、急にポルカからの定期便が途絶えてしまった


連絡もなく途絶えるのはおかしいとドルネは自身の従業員に頼んでゴルド王国へ様子を見に行かせた


1週間後、ボロボロになって帰って来た従業員の話にドルネは動揺と絶望したのだ


「バンパイアの襲撃によりゴルド王国、滅亡」


国交がない為にリアルタイムで情報が流れて来ない事が災いして気付いた時には既に手遅れだったのだ


ドルネも手をこまねいていた訳ではない。


情報を仕入れてから急いで傭兵と医師を集め救護隊を編成し国境を越えさせたのだが

命からがら戻ってきた傭兵が告げたのは「救護隊全滅」の一言だけだったのだ


「…日向子様に危険な依頼をするのは心苦しいのですが…私の兄を…生存者を救って頂きたいのです!」


ドルネの必死な願いに日向子はドルネの手を取って応えた


「ドルネさん、力になれるかは分かりませんが全力でお応えします‼」


「…うっく…ありがとう…ありがとう…」


ドルネは涙で言葉を詰まらせながら感謝の言葉を繰り返した


「すいませんが戻ってきた従業員さんか傭兵さんを呼んでくれますか?少しでも情報が欲しいので」


「…分かりました」


ドルネはメイドに告げて程なくして傭兵風の男が入室して来た


「初めまして、傭兵業をやっておりますルドバと言います」


「こちらこそ初めまして。早速ですが私、ゴルド王国の地理が詳しくなくて…

何処に何があって人が何処に住んでいるのかも分からないんです。教えて頂けますか?」


「…分かりました。では地図等でご説明しましょう」


ルドバはドルネに頼んでゴルド王国周辺の地図や資料を持って来させ説明を始めた


「ゴルド王国はこのマンライの街の北部、トゥルネ山脈を越えた先にあります。

山脈の麓から馬で走って3日程の距離ですが今はその麓の村も壊滅しておりました」


「…麓の村って…」


「はい、我々が山脈を越え村に着いた時には既にバンパイア化した村人かゾンビしかおりませんでした…」


「そこまで被害が広がっているのにこっちには来ないんですか?」


「…これは山脈を越えた者しか知らない事ですが…

何か見えない壁の様なモノがあって魔物やアンデッド達はその壁を越えられません」


「壁、ですか?」


「はい、誰が何の為に等疑問はありますが…在る、と言う事しか分かりません。

ただ人や家畜は素通り出来るので誰も不自由はしていないのです」


「何かの意図を感じるわね…でも今回の一件には関係がなさそう」


「はい、恐らくは。」


ルドバの話はまだまだ続く

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