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ゾンビーナ!  作者: とれさん
11/378

11 Road to 討伐者part4


ゴメリと日向子が魔物の死体処理(血抜き等)を行っていた時、

村の中では逃げ戻ったミリガン達から日向子の活躍を聞いた村人達で大騒ぎになっていた


「えっ?カント婆のトゴのヒナちゃんが⁉」

「あんな娘っ子に魔物が倒せる訳ねぇべ‼」

「きっとゴメリが止め刺したんだろう」


ここ数日二人の特訓を見守っていた村人もまさか日向子が討伐出来たとは思っていない


「本当だってば‼ヒナちゃんが突然現れて魔物が吹っ飛んで…」


「あはは、幾ら何でも女の子の蹴りじゃ魔物はビクともしないだろ?嘘こくんでねぇよ」


「ほ、ホントなんだってばぁ‼」


ミリガン達が必死に説明していると遠くから軽い地響きが近づいてきていた


ー…ズン、ズン、ズンー


「あ、良かったぁ‼ミリガンさん達村に戻っていたんですね?」


「「「!?」」」

「ヒッ⁉」


紛糾する村人達の前に山の様な体躯を持った魔物を軽々と担いだ日向子が飄々とした顔で戻ってきた


「ヒ、ヒナちゃん⁉そ、それは??」


「あぁ、倒した魔物ですよ?」


ードスゥゥン‼ー


日向子が背負っていた魔物を下ろすと軽く地面が揺れた


「…オラぁの出る幕がなかっただ…」


後から歩いてきたゴメリが頭を掻きながら戻ってくる


「はっ⁉こ、これをヒナちゃん1人で?」

「…首は何処だ?」

「こんな大きな魔物を担いで?」


村人達がどよめく


「この魔物の肉は鍋にすると美味しいらしいですね?皆さんで分けましょうよ」


ニコニコと魔物の体を叩く日向子に顎が外れていた村人達は無言で頷く


「…折角だ、今日はヒナちゃんの初陣祝いに皆で集おうだよ‼」


カント婆さんの一声で我に返った村人達から歓声が上がった


ーグツグツ…グツグツ…ー


「はぁ~、良い匂いですねぇ…」


村の中心にある広場で大鍋を囲み日向子の初陣祝いの準備が着々と進んでいる


「しがしあのブラックベアを一撃とはなぁ…ヒナちゃんを見くびっておっただ」


大工のゲンガが盃を片手に日向子に近づく


「え?あの魔物、ブラックベアって言うんですか?」


日向子は記憶を手繰る


(確か月ノ輪熊の英名は「Asiantic black bear」だった筈…まんまじゃん⁉)


「あの…あれは魔物じゃなくて動物じゃないんですか?」


「あぁ、確かに熊と似てるけんど…違いがあるんだぁよ」


ゴメリが持ち帰った頭部を日向子に見せる


「ほれ、ここに角が出てんのが見えるか?」


そう言ってゴメリは魔物の額を指差す


「あ、ホントだ」


「この角が生えてると魔物、生えていないとただの熊だんべ。

まぁその他にも目が真っ赤だったり体が一回りも二回りもデカいけんどな」


「?…成る程?」


日向子は首を傾げながら頷く


確かにこのブラックベアと言う魔物、月ノ輪熊にしては体が大き過ぎる

まるでヒグマ並みだ。

体重も多分300kgは超えているだろう


日本の月ノ輪熊の体長は大きくて成人男性と同じ、体重も150kg程度だと考えるとデカい


それに額に角が生えてるとは聞いた事がなかった


「さー皆ーっ‼鍋が煮えたどぉー‼」


カント婆さんの掛け声に村人達が一斉に振り向く


調理していた女性達が手際よく鍋を取り分け全員に配るとゴメリが声を張る


「今日はヒナちゃんの初陣祝いだ‼皆でヒナちゃんを祝福すんべ‼」


「「「おおっ!」」」

「ヒナちゃんおめでとー‼」


村人の歓声に日向子は恥ずかしそうにお辞儀をした


「という訳で皆さん沢山食べて下さいね」


「「「いただきます!」」」


こうして日向子の初陣祝いは始まったのだった


ー痛ててて…ー


日向子は疼く頭を押さえながら体を起こす


「おんや?起ぎたか?」


「…はい」


「辛かったらもう少し寝てるがえぇだよ」


「いえ、大丈夫です…私どうしてベッドに?」


「あれまぁ、覚えてないんけ?」


「えぇ…」


「昨日あんた浴びる程酒飲んで皆の前で上着脱いだかと思ったら踊り出したんだぁよ」


「…はっ???」


「まぁ辛うじて下着は脱がさん様にしたがのぅ…そのまま踊り疲れて倒れたのをゴメリが背負って連れて帰ってくれたんじゃ」


「はっ恥ずかしいっ‼(///」


「まぁ年寄り達にゃ良い目の保養になったじゃろ。あはは」


「「あはは」じゃないですよぅ…止めてくれたら良かったのに」


「ん?止めようとしたゴメリが殴られて吹っ飛んでの、誰も止められなかったんじゃよ」


「。。。」


「起きれるなら起きてゴメリに侘びに行ってきたら良いだよ」


「は、はいっ‼」


日向子はベッドから飛び起きると玄関からすっ飛んで行った


「全く…嫁入り前の娘がはしたないだの。まぁ若い頃の私にゃ敵わんがの」


読者(?)には余り聞きたくない情報を追加しつつカントは日向子を見送ったのであった

今日は繋がりて4話投稿しました

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