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ゾンビーナ!  作者: とれさん
107/378

107 GO WEST part7


ー洞穴深部ー


《黒竜‼入り口に配した者達が何者かに蹴散らされております‼》


バハムートが黒竜の座す間に駆け込んで来た


((何を慌てている?雑魚が何匹倒され様が構わないだろうが))


黒竜の脇に控えていたオロチがバハムートを窘める


《ですが…》


((ふん‼どうせ雑魚の集まり、此度のドラコニア進軍に当たっても露払いにもならない存在よ‼))


『…待て、オロチよ。雑兵とは言え妾を信じて集いし大切な兵力じゃ。無駄に命を散らす必要はない』


((…黒竜様はお優しい。で、この洞穴に攻め入る命知らずは何処の軍隊だ?))


《はっ‼そ、それが…一軍ではなく単騎にての突入で…》


ガタンッ‼


((何だとっ⁉木っ端とは言え数千のワイバーン達が飛び交うこの洞穴に単騎で攻め入るとは…四竜が内の一体かっ?))


《い、いえ‼報告によると「人間」だそうで…》


((馬鹿な…たかが人間如き矮小なる小虫に竜族が討てる訳がないわっ!))


《ですが…その…》


((ええい‼そんな戯言埒があかぬわ!我輩が出て直接確かめてくれる!))


『そうじゃな、オロチが出れば憂いは晴れよう。』


((では直ぐに戻ります))


『頼んだぞ』


黒竜はお腹を擦りながらオロチを見送った


ドドォ~ン!ズバンッ‼ザシュッ‼


((な、何だこれはっ⁉))


洞穴深部より現場に向かったオロチは信じられない光景を目の当たりにしていた


雑魚と切り捨てたワイバーンやドラゴネット達は勿論サラマンダーや正規兵力であるバハムート達も木葉の様に舞い散っていたのだ


《あ、あれが侵入者です!》


((…まさか…まさか本当に人間が1人で乗り込んで来ているとは…))


バハムートが指差す方向にあり得ない速度と角度から疾風の様に攻撃を加えている日向子をオロチも捉えた


((…兵を退かせろ))


《…はっ?》


((聞こえなかったか?兵を退かせろと言っておるのだっ!))


《は、ははっ‼》


オロチはバハムートに一時撤退を指示し自ら日向子に向かって歩み出る


《ゴルァァァッ!!》


バハムートの咆哮に気付いたドラゴネットやバハムート達は一斉に退いて道を空ける


「あら?あなたがオロチさんね?」


((お前は…お前な何者だ!))


「私は日向子。そうね…平和を望む者とでも言っておこうかしら?」


ガッ‼ギャッ⁉


「あ、今来たのがキメちゃんね」


《ハァハァ…主よ少し待っ!?》


「キメちゃんは休憩しててね。ちゃちゃっとやっつけちゃうから」


《…はぁ…オロチを「ちゃちゃっと」ね…》


キメは呆れ発言にはもう慣れたと言いたげにその場に座り込む


((ぐぬぬ…どこまでも舐めた態度を取る人間だ…灰塵に帰すが良いわっ!))


「あははっ♪やれるモノならやって見なさい‼」


キメやバハムート達が見つめる前で日向子とオロチの戦いが始まった


((グゴォァァァ‼))


ガチンッ‼ゴウッ‼ブンッ‼


オロチは5つの頭と5つの尻尾で苛烈な攻撃を仕掛ける


「…ふぅん、流石にやるじゃない」


日向子は全ての攻撃をひらりひらりと躱しながら感心する


((そんな余裕がいつまでも続くと思うなよ‼))


オロチは炎や酸を吐き鋭い牙で噛みつこうとし、背後に回った日向子に尻尾で交互に凪ぎ払おうとする


「でもね…」


日向子はオロチの正面に回り一直線にオロチに跳躍する


「どれだけ数が増えようと胴体が一つならソコを狙えば一発よ!」


キュンッ‼ズドッッッ!


((ぐわあっ⁉))


5つの頭を掻い潜り日向子の拳がオロチの腹を貫いた


ゴバッ‼…ドドォ~ン!


オロチの体を突き抜けた日向子の後ろで衝撃波が炸裂しオロチは堪らず地面に倒れた


《オ、オロチ様ぁっ!》


二人の激しい戦闘に見守るしかなかったバハムート達はオロチが倒れるのを切欠に我に返った様に動き出す


《皆の者!オロチ様をお守りするんだっ!》


バハムートの一喝と共にその場にいた全ての竜族が一斉に日向子に襲い掛かる


ギュルルッ、ズバッ‼ザシュッ‼


日向子は襲い掛かる全ての者に容赦ない攻撃を加える


「…チッ、逃げられたわ…」


日向子が迎撃をしている間にバハムート達がオロチを洞穴の奥に連れ去っていた


《…この奥に黒竜がいるんだな》


キメは明らかに疲労が蓄積した体をヨロヨロと起き上がらせ気合いを入れ直す


「あらら、キメちゃんはもう少し休んでいなさいよ。フラフラじゃない」


《しかし…》


「あのねぇ、キメちゃんがフラフラじゃ私どうやってドラコニアに戻れば良いのよ?嫌よ?歩くの」


日向子は身勝手発言をしている様で実はキメの事を思って発言している事はキメ自身が痛い程分かっていた


《じゃあもう少しこの場で休んでから奥に向かう、それなら良いだろ?》


「うん、無理はしないでね?」


《…分かった》


キメも今無理して同行すれば日向子の足手まといになるのを十分に理解していたので食い下がらなかった


「じゃあパパっとやっつけて来ちゃうからね‼」


日向子は単純洞穴深部に向かって駆け出した

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