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ゾンビーナ!  作者: とれさん
106/378

106 GO WEST part6


「じゃあ行ってきまーす‼」


日向子はいつもと変わらぬ調子でキメに跨がり北西の空へと舞い上がった


『しかし…ちょっとソコまで散歩に行く程度の言葉で死地に向かうか?普通…』


ワイトは日向子の言葉に呆れている


『主殿は死地に向かうとは思っておらんよ、多分な』


シルグにとってはいつもの日向子であった


バサッ、バサッ、バサッ、


「キメちゃん、そろそろ下に降りて歩こうか?」


《そうだな、ドラゴネットやワイバーン達に見つかっても厄介だ》


キメは眼下を見て一番目立たなそうな岩陰を目指して降下を始めた


バサッ、バサッ…スタッ


「さぁて、ここからどう進もうかな?」


《黒竜は戦の準備をしているなら多分外敵を警戒している筈だ、ここは俺の分身体を斥候に出そう》


「…そうね、念には念を入れて出来れば黒竜の間近迄接近出来れば余計な戦闘は避けられるしね」


《では出すぞ…》


グググ…キシャアッ‼


キメが今回出したのはワイバーンだ


《これなら多分奥まで行けるだろう》


キメの分身体ワイバーンは叫び声をあげながら黒竜達のいる岩山に飛び去って行った


。。。


「どう?上手くいってる?」


日向子達は最初に潜んだ岩陰で斥候の情報待ちをしていた


《…ここにも洞穴がある様だ。今入り口のワイバーン達と情報交換をしているからもう少し待て》


「うん、気をつけてね」


キメは分身体のコントロールに全神経を費やし内部情報を聞き出している


《…良し、大まかな実数が分かったぞ。ワイバーン千体、ドラゴネット千五百体、バハムート七百体、

サラマンダー千二百体、火竜千三百体、ドラゴン二十体、オロチ一体と黒竜だそうだ》


「…結構な数ね…洞穴だと奥に潜んでるだろうし直に叩くのはほぼ不可能じゃない?」


《ワイバーン達によると事情は分からないが最近洞穴のドラゴン達が活性化しているそうだ》


「どうやらドラコニアへの侵略準備が整っていざ戦闘開始って事かしらね」


《…ああ、近々何処かに遠征命令が出てワイバーン達も殺気立っているらしい》


「じゃあ急がなくちゃね…シルちゃんの時の作戦で良いかなぁ?」


《ちょっ⁉あの時も確か行き当たりばったりで突っ込んで行っただけで作戦じゃな…》


「よーし、じゃあ行ってきまーす‼あ、キメちゃんは分身体戻って来たら応援に来てね‼」


日向子はキメの言葉を遮って歩き出してしまった


(…斥候出した意味が…)


結局綿密な作戦を練る事など不可能な日向子であった


…トコトコトコトコ…


!?

ギャギャッ⁉

グギャッ‼


最初に日向子の接近に気付いたのは入り口付近で滞空していたワイバーン達だった


ワイバーンの雄叫びに近くにいたドラゴネットも反応して日向子に集団で襲い掛かる


ブンッブンッ‼ジャコッジャコッ‼


日向子は歩きながら手甲剣を伸ばし立ち止まる事なくワイバーン達の群れに突っ込んで行く


…ブッッ‼ゴッッ‼…パパンッ!


日向子は空より迫り来るワイバーン達に向かってシャドウボクシングの様にパンチを繰り出す

それだけで衝撃波がワイバーン達に命中し、バタバタと堕ちていく


…ダッッ‼ザスッ‼ドシュッ‼


走り出した日向子の手甲剣が地上のドラゴネットを文字通り蹂躙していく


上空より一気に降下して敵を襲うワイバーンの戦術は高速移動する日向子を捉え切れず無様に地面に激突している


グギャァァァァッ‼


日向子の周囲には反応すら出来なかったドラゴネットやワイバーンの断末魔が連続して響いている


ゴァァッ‼


ギャギャア⁉


「あ、キメちゃん‼」


日向子の虐殺劇に分身体を戻したキメが参戦した


《このまま殲滅していけば洞穴から敵が出てくるぞ‼》


「それが狙い…って言うより面倒だから突っ込むよ!」


日向子は入り口の死体の山を駆け上がって洞穴に突入していく


「キメちゃん、この辺の処分は宜しく!」


《了解した、片付けたら俺も後を追うぞ‼》


キメはドラゴネットを食いちぎりながら日向子に叫んだ


ダダダッ‼ザシュッ、ザシュッ‼


!?

ギャッ⁉


洞穴の様な天井がある空間は日向子の運動性能を遺憾なく発揮出来る得意フィールドだ


床から壁、壁から天井、天井から床へと跳びながら加える攻撃は洞穴内で安心していた火竜達を即死させていく


…ビシュッ‼


!?


敵(日向子)から離れている火竜達も日向子の斬撃が生み出す真空涙により真っ二つにされる


「うーん、流石に数が多いわねでじゃあこれならどうだ!」


日向子は火竜達と一旦距離を取り空中に向かって斬撃を無数に放つ


…ィィィ~ン…ザザシュッ‼


交差させて空を斬った斬撃は逃げ場のない真空涙を生み出し火竜やサラマンダー達を空気の刃で切り裂いていく


「良し、上手くいったわ‼」


日向子は前方に駆け出すとそのまま火竜達の群れを突っ切った


ドガガガガッ‼


木っ端の様に飛び散る火竜達は自分の掌以下の日向子を捉え切れずほぼ無抵抗で肉塊と化していったのだった

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