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淡彩に轍/詩集その2

無題

作者: 浅黄 悠

ビル群を行き交う車の音

踏み出す足は硬直していて

まるで雲を踏んでいるようなんだ

車体に紅い灯の雫が流れていく


液晶の支配下ですれ違う文面

好きで始めたことだけど

今となってはよく分からなくなってしまった

どうして優しさだけじゃ生きていけない


彩色の火花がビードロの中で弾けている

煌めくFluorescent colorの世界で踊る人がいる

興奮だけが浮き上がっていく都会を後にする




古い電車、窓枠の側の席

ポスターの凍った景色には

青空と飛行機があった


旅に出たい

ただそう憧れる際限ない夜の底

渇きのように喉が痛い

そう、とても大切にしていた何かを

忘れているような気がするのはこんな時だ


明日も朝が来る

僕の世界が剥がれて

正しい道を歩んでいるのか分からないまま

朝が来るからまた歩いている

そんな毎日




穏やかで永遠不変のような時間

目を閉じ静かに

血を吐き叫びたい衝動を噛み潰している


明日死ぬとしても

昨日死んでいたとしても

罵倒の代わりに

歌を唄い

断末魔の代わりの

音を奏でたい


誰にもその意味を見出だされず

僕でさえ見出だすことができずに

空虚なこの日々に打ち捨てられようが

ただ音はひたすら鳴り続け

琴線の上を夜露のように落ちてくる時

気紛れでこんな文を綴ってみる


夜の空気の中で育つ木の芽の甘い香り

先はまだ長く

長い

まだいる誰かの微睡みを送るために

プラットホームから電車が去っていった


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