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一石二鳥とはきっとこのことなんだろう。


日が少し地平線の先に沈みそうになった時、俺たちはかなり見上げなければ上が見えないほど高い壁の前にいた。

予定なら一度野宿するはずだったが、途中で心優しい商人に「乗ってくかい?」と言ってもらったので、のせてもらった。


今は帰りで、何も商品を載せていなくて、荷台には何もなかった。

こういうことはたまにあるらしく、マクノスも慣れたように「ありがとう」と言って乗っていた。


そして門の前で降りて、人用の入り口の検問の列に並んでいる。

それなりに検問は厳しいらしく、かなりゆっくり流れていく。


「この後私たちはギルドに任務を報告して報酬をもらって、それからその報酬で飲んでから帰るけど、あなたはどうするの?」


半分くらいまで列が進んだ時、カリナがそう言ってきた。


「記憶がないとなると、家がどこかも知らないんじゃないの?」


あ、そういえばそんな設定だったね。


「そうだな、ギルドって二十四時間開いてたりする?」


「ギルドは職員が交代で務めてるから、閉じてることはないわね」


それはラッキーだな。


「じゃあ、ギルドで泊まろうかな?」


「それがいいかもね。」


よし、今日はこれで決まりだな。


「あ、そういえば、お前ゴブリンの魔石持ってるか?」


と、後ろからマクノスが言ってきた。


「ん?持ってるけど…」


「実はな、ギルドの任務達成の証明のために魔石が欲しいんだ。」


なるほど。

確かに倒して出てくるんだから証明にはもってこいだろうな。


「オーケー、はい」


ポケットから魔石を出して、マクノスに渡す。


「ありがとよ。じゃあ、報告出来たら返すからな。」


「え、返してくれんの?」


「そりゃあ、あくまで出すのは証明のためだから、その時点でギルドには渡さないんだ。証明し終わったら売るかどうか聞かれるから、その時にこの魔石だけ取ってもらうからな。」


そりゃあ得だな。

魔物を倒して任務としての報酬と魔石の換金でのお金が入るんだからかなりお得な仕事なんだろうな。

その代わり死のリスクは高いんだろうが。


「っていうか、魔石見せたらなんの魔物の魔石かわかるの?」


それがわかるなら俺が作り出す魔石は何の魔石に判定されるんだろう?


「ん?魔石だけじゃあなんの魔物かはわからんよ。だが、魔物の大体のLVはわかるな。」


へ~、それじゃあ、俺の作り出す魔石は博識者さんの制御のもと俺の要望通りの魔石を作ってくれるだろう。


《可能です。》


実に優秀なスキルだな。

そんな会話からしばらくして、検問の前についた。


冒険者ギルドに入っている人は、『ギルドカード』を出しているらしい。

俺みたいな人はたまにいるらしく、荷物検査して軽く確認してから入れた。

荷物検査は結構厳しかったが、あらかじめ銃を消したため、何も持っていないので、すんなり通れた。


中に入ってすぐもった印象は、テンプレかよ!だった。


THE・中世ヨーロッパで、異世界ものでよくある感じの街だ。

魔法があるから、科学というものが必要なく、今の時点で何不自由なく回っているのだろう。

中に入ってからマクノスたちに合流して、街を歩く。


街にはメインストリートみたいな感じでまっすぐ伸びた広い道があり、その先には白くて立派な城がそびえたっている。

メインストリートを中心として碁盤の目のように細い道が伸びている。


住宅はメインストリートから少し別れた先に密集しているようだ。

メインストリートにはレストランや鍛冶屋、その他にもいろいろとお店が並んでいた。

屋台とかも並んでいて、おいしそうなにおいがとても漂っている。


なにより…人が多い。


冒険者や商人が行きかい、たまに白い屋根が付いた馬車が通っている。


「凄い人だな。」


「そりゃあ、ここはクシャルエラの一番の中心区だからな。クシャルエラは大陸の中心にあるからいつも賑やかで、いろんな武器や防具が並んでいるんでな。」


そりゃあ凄い。


そうなると、道具系には困らないかな?

初期スポーン地点はいろいろといい場所だったんだな。


さらにしばらく歩いて、メインストリートの中腹あたりに来た時、マクノスたちが足を止めた。


そこにはすべてが木で作られた二階建ての一見すると派手な大聖堂かと思うつくりをした建造物があった。

入り口は大きな開きっぱなしの門になっており、薄暗くなってきたメインストリートの一部を明るく染めている。


「よし、ここがギルドだ。」


結構でかいんだな。

それだけ冒険者っていうのは多いか、ギルドに権力があるんだろう。


「じゃあ、任務を報告しに行くか。」


そう言ってマクノスは中に入っていった。

その背中について行って中に入る。

入って右の壁には、埋め込まれるように木造のカウンターがある。


そこの前に少し空間が開いてから、机といすが洋風のレストランみたいな感じで並んでいた。

入って左の壁は七つの区切りがあり、壁からセリ出るような二階にもう一つある。そのそれぞれに張り紙が貼ってある。


そして、七つの区切りの奥にはカウンターがもう一つあった。

マクノスたちは左側のカウンターに向かっている。

そらくおっち側がクエストカウンターなんだろう。


「じゃあ待っててくれ」とマクノスに言われたので、少し張り紙のほうを見た。

そこには日本語で書かれた文字で様々なことが書いてあった。


っていうかなぜ日本語?


《多言語理解による補正を博識者で認識し、それを視界に反映させた結果です。》


なんか勝手にされてたっぽい。

まあ、便利なことに変わりないからいいんだけど。


しかし、八つって多いな。

多分、ABCDEFと、その上にSがある感じかな?


それなら八つだ。

そんなことを考えていると、マクノスが戻ってきた。


「ああ、それはクエストボードっつって、冒険者はこれを見て受ける依頼を決めるんだよ」


と説明してくれた。

俺の予想に狂いはなかったようだ。


カウンター側からABCDEFGとある。

そんでもって、二階にあるのはS級用の任務らしい。


「はい、ありがとさん」


マクノスが魔石を手に置いて、俺に差し出した。

「ありがと」と言って魔石をもらう。


「魔石はそこのカウンターで換金できるからな。」


「オーケー了解。」


「じゃあ、俺らは飲んでから帰るからな。」


「ああ。昨日と今日は面倒見てくれてありがとう。感謝してるよ。」


流石にお礼は忘れない。


「いや良いって。」


「そうよ。この人はあなたみたいな困ってる人はほっとけないたちの人だから。」


「うるせえ。」


そんな仲睦まじい会話をマクノスとカリナがして、俺たちは別れた。

ギルドのレストランのように並んでいる机と椅子の一つに腰かけ、周りを見渡す。


ギルドの建物は結構キレイだが、歴史を感じるような色合いを感じる。

ある程度ギルドの中は明るいので、眠気が来るまでしばらくかかりそうだ。


そういえば、銃を撃った後の反動って抑えられないの?結構きついんだけど…


《スキル:『衝撃吸収』で抑えることは可能です。》


流石ですね。


《スキル:『衝撃吸収』を設定しますか?》


よろしくお願いします。

よし、じゃあこれで銃は快適につかえそうだな。


そこからしばらくして、俺はゆっくりと眠りに落ちたのだった。


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