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俺は恐ろしく運がよかったみたいだ

木洩れ日が差し込む森林の中。あたりに建物はなく、ただあるのは、流れる川水と風で揺れる木々。

どこか神秘的な雰囲気を感じるそこは、まだ別世界に来た実感を与えるようなものではなかった。


「ステータスオープン」


さっきの女性に言われたとおりに手を突き出してそういうと、手のひらから青い粒子のようなものが拡散して、テレビの液晶のように平らになり、白い文字が並んだ。


ネーム:白鶯明 種族:人間 職業:ハッカー LV:1

HP:25 MP:25 SP:10 

PW:25 DEⅩ:25 ⅤIT:25 AGI:25 INT:0 MND:25

固有スキル:ハッキング・博識者 

エクストラスキル:無し 

スキル:多言語理解 (一時的スキル:思考混乱無効)

武器:無し

装備品:無し


と、青い液晶に映し出された。


まず多言語理解はこの世界でも日本語に変換して理解できるやつ的な感じだろうし、一時的スキルはすぐしたら消える感じのやつで、思考混乱無効は今俺が全くと言っていいほど混乱せず落ち着いて物事を理解しているのがその効果なんだろう。


で、さっきあの女性にもらったのがこの、『ハッキング』と『博識者』なんだろう。


設定を変更するからハッキングなんだろうか。やけに現代的だな。

あと、博識者だが、こっちは常時発動型にしておきたいんだが、どうやって発動すればいいんだ?


《固有スキル:博識者は、今のようにただ質問していただければ発動します。マスターが私に聞いていただければ、いつでも発動します。》


頭の中に直接流れるようにそう言ってきた。


神は、俺が思っていた通りの能力にしてくれたみたいだ。

まあ、博識者は何となく置いといていいだろう。


じゃあ、ハッキングのほうの発動方法は?


《設定化したいものに向かって『設定化』と唱えてください。》


なるほど。めっちゃ便利だな。

じゃあ、試しにステータスを設定化しよう。


さっきからずっと開いているステータスに向かって、

「ステータスを設定化」

と唱えた。


すると、ステータスが一度消える。


その瞬間に、頭にどっと情報が流れ込んできた。

思わず頭に手を当てて、顔に当てた手を凝視する。

恐ろしく頭が痛い。


毎回こんなに痛みを追うのだろうか。


「設定化を中止!」


痛みに耐えきれなくなりそう叫ぶと、頭に流れ込んでいた情報が止まり、徐々に頭痛が収まってきた。

これはきつい。


これが『能力を扱えるかどうか』の意味か。


そうなると、かなり使えなくなってしまう。

何か方法はないのか?


《固有スキル:ハッキングと、固有スキル:博識者での干渉を許可することで、マスターの頭を溶媒とすることを解除し、その全ての処理を博識者で行えます。これをすると、マスターへの処理を軽くし、また処理が早くなります。》


便利!思わず歓喜してしまう。

そりゃあ、便利になるんなら連動させない理由がないだろう。


そう思いながら、『干渉を許可する』と唱えた。


すると、さっき俺の頭で処理しようとしていた情報が消え、一気に軽くなる。


「じゃあ、ステータスの設定化を再開」


そう唱えると、さっきあれほど痛かった頭痛はなく、頭のどこかで処理が進んでいくように感じた。

そして数秒後、《設定化が完了しました。》と脳内で流れた。


「ステータスオープン」


手を突き出しつつそういうと、さっきと同じように青い粒子が集まって板になる。


ネーム:白鶯明 種族:人間 職業:ハッカー(冒険者) LV:1

HP:50 MP:25 SP:10 

PW:25 DEⅩ:25 ⅤIT:25 AGI:25 INT:0 MND:25

固有スキル:ハッキング・博識者 

エクストラスキル:無し 

スキル:多言語理解 (一時的スキル:思考混乱無)

武器:無し

装備品:無し


表示はあんまり変わってない?


っていうか、職業以外何が変わったの?


《固有スキル:博識者と連動したことで、『(変更したい項目)を(変更後の形)に変更』と言っていただければ変更します。また、新規項目を作成したいときは、『新規項目を作成、(追加したい項目の欄)(新規項目)を追加』と唱えてください。》


なるほど。

じゃあ試しに一つ。


「レベルをレベルの上限に変更」


《マスターのLV値を999に設定》


ほう、この世界のレベルは999が上限なのか。


《種族:人間のレベル最高は999であり、それが人間が耐えられる最大値ですが、魔族の上位種族などになると、耐えられる上限は9999になります。》


へー、魔族ってこの世界にいるんだな。

となると、魔族のほうが強いのか。


《魔族は体の構造上9999まで上げられますが、その位まで上げるのはほぼ不可能です。基本的には、魔族のレベルは人間とあまり変わりません。》


なるほど。じゃあ、絶対に人間が魔族に勝てないってことはないわけか。

じゃあ、俺が種族を魔族に変更して、レベルを上限にすることは?


《可能です。》


まあ、別に今はお試しだからそこまでしなくてもいいかな。


よし、レベルを上限にしたらステータスはどうなるのかな。

期待を胸に、ワクワクしながら唱える。


「ステータスオープン」


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