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奥の姫君  作者: 白うさぎ
5/10

 馬車に押し込まれた私は、どんなに暴れても逃亡することはできなかった。ヤツが隣でがっちりと、私を拘束していたんだもの。



 ガタン



 やっと馬車が止まったと思ったら、男は私のことを俵のように(ここ大事!私は根にもつからな。)担ぎ上げてそのまま馬車を降り、歩き出した。

 担がれながら周りの景色を見渡す。

 ベルサイユ宮殿のように豪華な建物が目に入った。え?いや、会話で城にとかなんとか言ってたけど、、、ガチな城じゃん。まじベルサイユ宮殿。



「ターナ!ターナはいないのか!!」


 男がいきなり大きな声で叫んだ。


「はいはい!ここにおりますよ。」



 ターナであろう人物が名乗りをあげる。人が良さそうなおばあちゃんだ。お年寄りには敬意を払えよ!男!!



「出先で面白いものを拾った。とりあえず奥の間に放り込んでおけ。」


「また、、、これ以上増やしてどうするのですか。収集がつきませんよ?少しは自重してくださいませ。」


「うるさいぞ。事情があってな、とりあえず部屋から出すな。わがままを聞く必要もない。」


「はぁ、かしこまりました。」



 男が何やらターナさんに命令をする。ターナさんは呆れたと言ったようにその命令を聞き入れた。


 どうやら私は奥の間とやらに軟禁されるらしい。てか、わがままは聞かないでいいぞって!!19にもなってわがままなんていうか!そんな奴に見えてたの?私。



 ターナさんに命令した男は、アルバを連れてどこかに去って行った。


「お嬢様。こちらでございますよ。奥の間にご案内しますね。」


 やっと優しそうなおばあちゃんが出てきて、ホッとする。


「はい。ありがとうございます。」


 にっこり笑ってお礼を言うとびっくりされた。えっと、、、お礼の言葉が違うとか?そう言う感じ?


「こちらでございます。」



 自分よりだいぶ年配の人に敬語を使われるのは変な感じがする。この人はだれに対しても敬語なのだろうか?変に気を使うと迷惑だったりするよね、、、敬語のおばあちゃんに慣れるしかないか。


 ベルサイユ宮殿の中に入っていくと、まあ、中も豪華で。シャンデリアとかなんか色々ギラギラしている。お、落ち着かない。

 軟禁される私は地下牢にでも放り込まれるのだろうと思ったけど、、、なんでギラギラした館のなかを歩いてるんだろう。



 ずーっと歩いて、そりゃもう広いのでね。歩いてあるいて、廊下の一番奥の部屋でターナさんは止まった。



「ここでございます。このような部屋ですが、我慢してくださいませね。命令ですので、私にはどうすることもできないのです。」



 そう言いながらターナさんは扉を開いた。


 うわ!めっちゃ広い。



 広いけれど、ギラギラした部屋ではなく、質素な感じがする。いや、それでも豪華だけど。クローゼットも大きければ、本棚も大きい。ベットは天蓋つきで、まるでお姫様が寝るようなベットだ。淡い水色が貴重とされてコーディネートされている部屋はとても品が良く、贅沢だった。


 わたし、こんなとこに案内されてもいいのかな、、、



「あぁ、やはりお気に召しませんか?申し訳ありません。我慢してくださいませ。」



 いい意味でびっくりして固まっていた私を見て何を勘違いしたのか、ターナさんはひたすら謝ってくる。

 いや、これでお気に召さないやつとかどんなだよ。



「いえ!こんな素敵な部屋に案内されて、、、案内する場所間違えてたりしませんか?とても素敵な部屋だもの。」



 私がそういうと、ターナさんは目を大きく見開いた。



「こんな部屋で文句も言わないんですね。なんで良い方なのでしょう。」



 私はなぜか賛辞の言葉を受けることになった。



 自由にしててくださいませね。けれど、お部屋からは出ませんように。


 そう言い残してターナさんはどこかに消えてしまった。



 さて、立派な部屋に取り残された私といえば、落ち着かずにそわそわしていた。落ち着いた雰囲気の部屋とはいえ、広い。落ち着かない。けれど、ターナさんの口調からここが私の軟禁される部屋なのだろう。牢屋じゃなくてよかった。


 部屋の中にあるソファーに腰掛けてやっと一息をつく。


 あの男に捕まってよかったのかもしれない。野宿をしないでもよくなったし、豪華な部屋に泊まれる。おそらく3食昼寝付きなんだろうなと思う。

 すぐにでも光貴を探したいが、無知は怖い。ここで知識を蓄えて、それから光貴を探しに行った方が未来は明るい気がする。


 窓の外はすっかり日が落ちて、星がキラキラと光っている。



 ベルサイユ宮殿といい、男やターナさんの服といい。ここは中世ヨーロッパのような世界なのだろうかとあたりをつけた。

 と言うことは、身分もきっと厳しくわかられているのかもしれない。しかしまあ、私はしばらくこの部屋から出る必要はないようだ。


 ここでこの世界について学んで、光貴を探して、それから、それから、、、



 よっぽど疲れていたのだろう。お風呂にも入らないで、ソファーの上で私の意識は途切れた。


更新がとても遅くなってしまいました。これからは、ちゃんとちまちま投稿して生きたいと思います!面白い後書きとか書いてみたいなーとか最近思うんですよ(笑)

それでは、わざわざ読んでくださる皆様に、感謝を込めて。


白うさぎ

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