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あああ悪魔様  作者: 落田プリン
 第1章 はじめまして悪魔様
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5.彼の苦しみ

※残酷な描写があります。気分が悪くなったら自分が好きな胸の大きさを想像しよう!

 ちなみに、わたしはチッパイ大好きです。

彼がいる、黒をまとう怪物が。

ハルは、息をのむ、もうのどがカラカラだけど。

震えが止まらない、止まらない、怖い、怖い、怖い!でも!行かないと!

だって、彼は、私のご主人様になるんだもの!


 歩き続け、ある扉にたどり着く。

扉が少し開いていた、そこから、光がもれ出ていた。

うめき声も一緒に。

「よっよおし!いいいいくぞ!」ちなみに、小声である。

ドアノブに手をかける。

おおおお音なならならないでね。

息を殺すようにゆっくりゆっくりゆっくりそーーーーとおおぉぉ…。

ようやく、大人一人入れるようになって、顔だけ、出してみる。

部屋の隅しか見れないが、きれいな部屋だと思う。

うめき声は近いがちょっと遠い、彼はベットにいると考えていいと思う。

目に見える範囲でベットの天蓋とカーテンが見えた、ここは彼の寝室?

いいいくしかない!

「しししいしつれいしままあすううぅ」ちなみに、小声である。

今度は、堂々と入ってみる。

うめき声の主に近づく、ずっと苦しそうな声でうめいているから。

何をそんなに痛がっているの?


 ハルは見るのを後悔した。

声が出ない、体が動かない、まるで金縛りにあったようだ。

ハルは見るのに精一杯だったのだ。

彼は、ベットの上で上半身裸でうつ伏せになって倒れていた。

これだけなら、ハルは近づいていただろう、とても苦しそうでいるからこそ手を差し伸べる。

でも、ハルは。


私じゃあ、彼を助けられない!だって!だって!!


こっこんな血だらけで、いっぱい血が出て!こんな血が出るなんて思わない!!


 シーツは白のはず、でも、彼の血で真っ黒になっていた。

ずっと耐えていたんだろうか、枕が無残に引き裂かれ毛布はビリッビリに裂けていた。

すると、彼はハルがいることを気づいた。

ハルは、ぞおと鳥肌がたった。

「来るな!」彼は、強く言った。

逃げたほうがいい…そうハルは直感した。

でも、体が思うように動けない、動けない体を必死に叱咤するが、足に力が入らずしりもちをついてしまう。

 すると、彼の苦しみが一層ひどくなった。

彼の、背中から血がたくさんあふれ出し、ぺたぺたと血が飛ぶ、ぽたぽたと血が流れ落ちる。


ああこれは聞いてはいけない音だ。


肉が裂ける音。


そこから何かが出てこようとしていた。


いやだ!いやだ!いやだ!いやだ!出てこないで!!!


 ハルの瞳は涙であふれ出ていた。

最初に出てきたのは、カラスのような黒い翼だった。

翼は彼から出てこようと暴れる。

 彼は、苦しそうな声でハルに呼びかけた。

「見るな!」

動けないハルはどうしょうもできない、瞳を閉じることも…。

彼は片腕をあげ、裂けた毛布を彼女に掛けた。

これ以上見せないために。


 ハルは目の前が真っ黒だというのに、すごくほっとしている。

ほんの数分前は、暗闇が怖くて仕方なかったのに。

どうして?どうしてなの?


 次の瞬間には、何かが叫んだ、頭に響く声で。

女の人の叫び声?違う、人の叫び声じゃない。

化け物の叫び声だ。

真っ暗のおかげで、自分の耳を閉じることができた。

強く、強く、強く塞ぎ、手と耳が一体になるように、もう何も聞こえないように。


 ハルは、あんまり信じてない神様にすがった。

お願い!お願い!お願い!助けて!!私たちを助けて!!

普段信じてないくせに、神様にすがろうなんて、都合がいいかもしれない!

それでも神様に、こいつ!とか思われていい!

どうか、どうか神様!私たちを助けてください!!!

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