4.お化け屋敷探検
屋敷の中は最初と何も変わっていない。
暗さは日が昇っているせいか少しだけ明るい。
「大丈夫よね?」
きっと大丈夫、大丈夫、大丈夫。
「大丈夫ですねーーって!あああああああ!」
後ろを振り返ると扉は閉まっていた。
扉を開けようしてもガンガン叩いても開かない。
やられた、てっきり中までついてきてくれると思っていたのに。
あれだ、暗い部屋での閉じ込めるパターン、それがいわくつきだとなおさら怖い思いするし、するほうは、愉快だけどされたほうは、たまったもんじゃない!
「うわああああん!いじめだあああああ!」
そうして、30分くらい扉の前でめそめそしてた。
人間っさあ暗さに慣れてくると、歩けるようになるんだなあ。
普通に屋敷内を歩き始めた。
古くなっているのか床がギイッと音がなる。
「うわっやっやだ!」さすがお化け屋敷。
インテリアとか骨董品とか全部ほこりがたまっているし、よくここに住めるよね。
まあ、相手は魔族だけど、やっぱりこうゆうの好きなのかな?
ハルは、生まれて一度も魔族にあったことがないのだ、話はちらちらと聞くことはあるがどれも悪いことばかりだ。
やっぱり、人を食べちゃうよね、現に、死にそうになったし。
私を食べてもまずいぞおって言わないと、これから使用人なるのだから。
それにしても、ほんとうに誰もいないのかな私のほかに使用人もいないの?
エセ紳士を思い出す、あの人のことだからもしかしたら私だけとか…。
ほかに誰もいません!!とか!
「今度会ったらあのエセ紳士、殴りたおしてやる!」
本当のところ、あのエセ紳士いったい何者なの?
聞くどころか聞く暇さえ与えてはくれなかった。
「本当に本当に!次会ったらとっちめてやる!!」
今のハルは文句を言わないとやってられないである。
まずは、一階と見て回るが、前勤めていた貴族の家とだいたいは一緒の作りのようでただ古いだけ。
古くて、ほこりが!くしゅん!
奥までは行けない、日の光が届かなくて真っ暗だから。
何か灯りになるもの何かあるかな?
どこもろうそくが溶けてなくなっているし、使えるものはないに等しい。
うろうろ、探し歩いていると扉がいくつもある廊下に出た、その一つを開けようにも、扉が腐っているせいかびくともしないし、結果どの扉も開かない。
「なんなのよここは、まるで人が住めない場所じゃない!」と座り込む。
目覚めてから何も食べてないし、走ったし、走ったし、叫んだし、お腹空いたし。
「もうやだ!」
すると、どこからかガシャン!と物が落ちた音が響き渡った。
「やだやだやだあ!」
いわゆるこれが怪奇現象ならたちが悪い、今鳴らさなくてもいいでしょうに!
「うううっつう」
でも、動かなきゃ!どのみちどこにも出られないし、もし屋敷から出れても山道ループが待っているから。
今の顔、きっとひどい顔していると思う。
いっぱい泣いたし。
そう言えば、もらった手鏡はかばんの中だそしてかばんは、屋敷の外だ。
つくづくどんくさいなあ…ちょぴり、自分に笑ったりして。
勇気を振り絞ってまた廊下を歩く、歩く、歩く。
うん?なんだろうさっきから見られているような、あとをつけられているような。
歩く、歩く、歩く、止まる。ぺた。
廊下を歩く、止まる。ぺた。
うーん…。いち、にーの、さんで見るのよ!
「せーの!いち、にーの、さん!!」
後ろを素早く見る。
「あれっいない…てわああ!」
真正面を見てもいないのは当たり前、だって。
「なんだあ!猫か。」
それも、うす茶色の大きな猫。
猫はみゃああと低く鳴いて、私の足元をぐるぐるしている。
そして、どこかに行ってしまった。
猫ちゃんなら大歓迎だったのに。にゃあ。
すると、今度はうめき声が聞こえた。
とても苦しそうな、かつ、何かをこらえているようなうめき声。
今度はなんなのよ、とっとりあえず、調べて見るしかない。
うめき声がする方に足を動かした。
近づくにつれ、うめき声は大きくなり、歩いていた廊下はギシギシ鳴っていた床よりしっかりした床だと気づく。
なんだかここの廊下だけちがう、今までなかった赤いマットも敷いてあるし、それに少しは空気も違うほこりぽっくない。
この先、彼がいるそう思った。