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あああ悪魔様  作者: 落田プリン
 第1章 はじめまして悪魔様
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3.白紳士の強制案内

 意識が上がるそんな感覚、、体の感覚がすうと戻る、瞳に力が入る。

最初に感じることは、背中の痛み、だった。

「うっつっ」

小さくうめくと。

「起きたかい」とシリウスの声がとても近くで聞こえ、聞こえ、たぶんかなり近い。

ゆっくり目を開けると…。

「予感はしてたけど!うわああああ!!!」

近い近すぎる!顔と顔の間が!

「うわああって、ひどいなあ。」とちょっと驚いたふうに答えた。

「誰だって顔が近かったら驚きますよ!」

瞬時に3メートル離れる。

これでも、抑えたほうだだって、イケメン面だし、つねにオーラがキラキラしてるし。

「まあ、とにかく無事のようだし。」

シリウスは、そう息をついた。

ちょっとは心配させちゃったかも…。

「あの、すいませんでした、その…ご心配かけて。」ぺこりを頭を下げる。

すると、ポンと頭をなでられた。

うっ!!ちょっと気恥しくて、落ち着かないけど、嫌いではない。

「犬が生きてて良かったですね。」

とたんに頭から手が離れた。なごりおしいなんて内緒です。

彼女をふと見るとレジャーシートを広げ、また雑誌を読んで片手で紅茶をたしなんでいた。

今まで、冷たい言葉を言われたが今だって言われたけど、リリスの表情は少し柔らかく見えた。

ほんのちょっとだけど、私がそう見たかったかもしれないけど。

ここまでの間に、少しは二人に近づけたように気がした。


 状況を説明すると私たちは、今屋敷の外にいる、つまり扉の前。

屋敷を入ったとたんに追い出すとは…。

シリウスに言うには、怪物、もとい彼が正しい。

彼の力で外にはじき出されたそうだ、私の腰の痛みはその時にぶつけ、とうに気絶している私を地面に寝かせたところはまだいい…そのあとが問題だった。

彼が放つ力はとても人間の私にはとても悪いみたいで…危なかったらしい、悪く言うと死んでいたかも。

時はすでに、日が変わり太陽が昇っていた。

「聞いてないんですけど…。」

「ごめーんね」と軽く言うもんだから内心イラっとしてた。

それでいて、レジャーシートにゴローンと転がり、耳をほじくりだすから、ますますイライラしてた。

身分があってそれなりに地位がある人だと思っていたけど、私だまされているの?

いまさらながら、声をかけられた時点で疑うべきだった。怪しすぎる!!

頭かかえて、後悔した。

だまされたわ!上手い話には裏がある。

彼は魔族だったのだ、とびきりの。

人間にとっては天敵という存在だ、そんな彼の使用人なれというのか!

命がいくつあっても足りない、足りなさすぎる。

「だから、犬、なんですよ」

今わかった、犬みたいにホイホイついてきちゃうから、犬ということに…。

彼女は最初から知っていた。リリスは。

「うわあああ、だから私は犬なのか!!」

ただの毛嫌いと思っていた違った。

だとすると、回れ右、いち、に。

一歩踏み出す前に、「ストップ」と言われフリーズ状態に。

「君は僕と契約したんだ口約束としても、僕の前で契約をしたんだその意味わかる?」

「…。」

「そう簡単には破棄はできない、人間の君には、力がない君には、今の君には。」

さっきとは違う空気、どっか変な彼とは違う彼、シリウスは、そう言い放った。

「今、逃げてもその契約がある限り、契約が君を縛り続ける、人間の言葉を借りると人が生きる道、人生って言うのかな?」

シリウスは寝ころんだままだけど、その瞳はハルをとらえている。

「試しに逃げてみなよ、さあ。」

言われるままハルは駆け出した。

後ろを振り向かず。

走る、走る、山道を走る、馬車から見ていた風景とは違ってこんな所走っていたっけ?

今、考えれば行き先も知らされていないしここがどこなのか知らない。

街から出て馬車で半日だったことが唯一の情報だった。

ハルは、走る走るでも、たどり着いた所は屋敷の前だった。

「あっお帰り!」さっきと何も変わらない風景。

シリウスがいてリリスがいる。

ハルはまた走る走る何度屋敷の前を走っても、息切らしても何度も。

しまいには「なんでよおおおおおおお」叫んでいた。


 「気が済んだ?」

結局、たどり着くところは屋敷の前、当然彼らは待っているのだ。

「わっわたっしに、何を、させたいの?」

息を切らせながら言うハルにシリウスは答えた、とても優雅に。

「改めて契約の内容を答えよう!彼の使用人になってほしい!大丈夫、期限は3か月、社交界の間だけ、3か月過ぎれば、きちんと見合った報酬を出すし、紹介状も優遇できる、それが君と僕が契約した内容、理解した?」

「しっしました!」

「また、走ってもいいんだよ。」

とシリウスは聞くが、もう山道ループはもうこりごりそして、完全にエセ紳士の罠にかかってしまっているこの状況、腹をくくるしかなくて!悔しくて!何度、泣きそうになったか!

「もういいです!」とそう叫ぶしかなかった。

先に動いたのはリリス、扉の隣で使用人の最上級の礼儀をした、足をクロスさせスカートのすそを両端つまみ深くお辞儀をし、容姿とその姿勢に私を魅了した。

「では、行ってきなさい…彼が待っている。」

今度は、優しく導くように扉を開けた。

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