22.妖精さんの道
「あらあら何か決まったようね。」
エリーゼは微笑んだ。
「はい、エリーゼさんに言われて気づきました。」
ハルは今度はしっかりと答えた。
ハルは立ち上がった。
「すいません、私用事できました。」
エリーゼは少し残念そうだった。
「あらあら!もう行ってしまうの?もう少しここにいていいのよ?」
「ありがとうございます!でも、どうしてもやらなきゃいけないことがあって、たぶん、今行かないと逃しちゃうような気がして。」
エリーゼは何かをわかったようにハルに微笑みを送った。
ハルは思いだしたように答えた。
「えっと、そういえば、街に大きな魔物が来るんです!避難して下さい!」
ハルは真剣に答えたつもりだが、笑われてしまった。
「ふふふ、だいじょうぶよ!とっくに避難したわあ!」
ハルはふぇへっと間抜けな声を出してしまった。
「えっと、ここは街の中じゃないんですか?」
「ここは、街の中でもそうじゃないのよ!ここは妖精が作った空間で外とは違うの。」
いつの間に次元を超えてしまった!
ハルは内心焦ったがどうにか落ち着きを取り戻す。
「ええと!出られますか?」
「もちろん出れるわあ!」
あっさりだなー。
「本当は少し寂しかったの、あなたが来てくれてよかったわあ!」
「えっと、お一人なんですか?」
聞いていいものか悩んだけど言ってみた。
「ええそうよ、妖精のこと以外に訪ねてくる人はあまりいなくて…主人が亡くして以来ずっとね。」
あっまずかったのかな…。
「でも、ディーさんが来てくれてよかったわあ!こんな可愛い女の子連れて来るもの!!嬉しくて舞い上がりそう!」
エリーゼは本当に嬉しそうだった。
スキップしながら出口に案内しだした。
はいはい、転ばないようにねー。
ハルはつっこんだが内心はうれしかった。
エリーゼが案内したのは、屋敷内の廊下だった。そこにはマンホールぐらいの穴があった。
人が通るにはちょっと狭いかなーという大きさである。
「ディーさんがいてくれたら空間を軽々と飛べるのに…恨むならディーさんにね!」
「えっと…えっ。」
まさかとは言わないよね、まさかマンホールが出口じゃないよね…。
「さあ出口よお!」
「……穴に入れということですか。」
「ごめんね!普段は妖精の案内があったのよでも、あの子たち出てこないから……。」
エリーゼは淡々と述べ始めた。
「妖精の道は大抵こうなのよお、あの子たち空間を開けては閉じたりしての繰り返しをするのよね、それにね空間の大きさはバラバラなの。一応は大丈夫かなっというのをチョイスしたのよお!」
一応ってなんですか!
エリーゼは微笑みのまま表情を変えなかった。
ハルは嫌な予感がした。
「ええっと、どこに繋がっているのですか?」
エリーゼは微笑みのまま表情を変えなかった。
「さあ。」
「…………。」
ハルはますます嫌な予感はした。
「ととととりあえず、お世話になりました。」
ハルが穴に入ることを決意するとエリーゼの表情は打って変わり寂しそうな顔になった。
「本当に寂しいわあ、また遊びに来てね!今度はきちんとお菓子を用意するから!」
「あっはい、会いに行きます。」
無事に出れたらの話ですけどね。
きっと、きっと、生きていたらまた会いに行こう。
ハルは心に誓った。
ハルは穴をのぞいてみた、真っ黒で何も見えなかった。
はしごもないし、どうやったら降りようかハルが悩んでいると。
ハルは背中を押された。
へ
「あなたなら大丈夫よ!こうゆうの図太そうだから!」
エリーゼの言葉と共に穴へとハルは落ちてしまった。
ハルは落ちていた。
真っ黒の世界を。
落ちてる!
落ちてる落ちてる落ちてる落ちてる落ちてる落ちてる落ちてるーーーーー!!!!
「ぎゃあああああああああ!!!!!!!」
落ちてる!
頭から落ちてる!
しぬうううううううううううううううううう!!!!
ハルは死ぬそう思った時。
「にんげんさーん!ごあんなーい!」
子供の声がした。
気が付くとハルは言葉を失った。
真っ黒い世界から大きなプールの世界にいた。
プールの世界はまるで常夏のバカンスだった。
プールは複数ある、大きさはバラバラで形も様々、人一人プールにはおらず、プールの中には浮輪やボールが浮いていた。今しがた誰かがいたような形跡があった。
頭から落ちたはずなのに、ハルは立っていた。
透明なガラスがハルを支えていた、ハルの足元はガラス張りで今でも落ちそうだった。
そう、ハルは今ウォータースライダーに乗る前だった。
メイド服のまま。
「なななにぃぃぃーーーー!!!」
ボタン一つで落ちそうな予感がした。
やばい!やばすぎる!なんで夏なのよ!季節感無視もたいがいにしろーー!
そうして、ハルがつっこんでいると、子供の声が聞こえた。
「さあさあ!みなさん!おまちかねのくいずしょうのじかんです!」
えっ
「こんかいのくいずにこたえてくれるめんばあーはこちらーー!」
えっ
「あかぼうしのようせい、あおぼうしのようせい、きいろぼおしのようせい、そしてはつちゃれんじゃーはにんげんさーん!です。」
「わーーーーー!!!にんげんさんだああああ!!」
妖精さん人間見て歓喜。
ええええーーーー!!
妖精さんを見てしまった。
あれだけ出てこなかったのに今出てきた!
見た目はぱっと見て、小人。
大きさはバラバラだが、小さいのは変わらない。
とがった耳に小さな帽子と小さな服。
一見普通の子供に見えるが、彼らは妖精だ。
初めて見てしまった!これを喜んでいいのやら悪いのやら…。
この状況でなければよかったのに。
妖精さんたちはわらわらいた。
私は見世物なんだろうか…。
「さあ!らすとくいず!」
緑の帽子をしている妖精さんに聞いてみた、なんか司会者ぽいから。
「ちょまあ!もう最後なの!せめて2,3問はあるでしょう!」
「しゃくのもんだいだから?」
妖精に尺ってあるのか!
「ちなみに、答えきれなかったらどうなるの妖精さん!」
「みずのなかにおちるですよ!おちる。」
なーんか嫌な予感。
まさしく、ウォータースライダーのことを言うのだろう。
「さあさあ!きおとりなおして!くいず!」
ちなみに、司会者はきちんとマイクを持っているのです。
「ぱんはぱんでもたべられないぱんはなーんだ?」
なんてベタな問題!だが!そのまま落ちるのは嫌。
「はーい!妖精さんわかりましたよ!」
「はい、にんげんさんどうぞ!」
「フライパンです!」
ビシッと答えたハルであった。
がしかし。
「ぶーぶー、はずれーー!!」
「なにお!!」
ハルは焦った。そんな簡単なクイズではなかった。
考えが甘かったわ!
「みなさん、わからないですかじゃあ!ひんと!みていてあつくなるもの!」
見ていて熱くなるもの?なんだろ?
「はい、きいろぼおしようせいどうぞ!」
「ぱんつ」
ん?
何を言っているのこの妖精さんは!
「ううん、おしい!」
はい?
「はい、あおぼうしようせいどうぞ!」
妖精さん顔を赤らめて答えた。
「てぃーぱん!」
「せいかーーい!おめでとうございます!それではみなさんさようなら~~~~!!」
司会者さんが赤いボタンを押した。
ぽちっとな!
このエロ妖精があああああ!!!!!
見事にウォータースライダーに乗ったハルであった。




