表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あああ悪魔様  作者: 落田プリン
 第1章 はじめまして悪魔様
2/30

1.白紳士の案内

 寒い寒い冬の中、とっても素敵な箱の中に可愛らしい少女がいました。

人参、玉ねぎ、じゃがいも色んな野菜にまみれて少女は幸せです。

本当に本当に、不幸せ。

 ハルは、ごみ箱の中で寒さと戦っていました。

ぶるぶる震えが止まらなくて歯がガチガチ音が鳴っていました。

どうしても治まらないくてハルは考えました。

何か暖かいものがほしい……

ごみ箱から出て、何かないか探してみました。

おっとこれは!!

「奇跡だ奇跡が起きた!!」

なんと!マッチがあったのです!最後の一本しかないけど。

早速、使うことにしました。よしよし

うん?なんだこれ、この状況どこかで?あれ、これって……マッチ売りの少女?

えっうそ、やだああ!うわ泣きたくなった。

「よおし使うぞ!!」

かじかんだ手でうまく点けきれなかったが何度も何度もこすってようやく点けることができた。

「わっついたあ!」

気持ち的に暖かいなあ気持ち的にだけど。

すると、はっと気づき何かに見られている感がありふと顔を上げると……

「リアルマッチ売りの少女初めて見た。」

男の人が立っていた。その時はもうマッチの火は消えていた。

ハルは動けないでいた。

どうしょう、危ない人にあってしまった。

「君、大丈夫?」

男は声をかける。

「こんな所にいたら風邪をひいてしまうよ、よかったら僕と一緒に行かないか?」

あっさり誘われてしまった。


 

 時は早送りをする。

今、ハルは馬車の中にいる。

中はふかふかのクッションがあり刺繍が至る所にあった。

いかにもお金持ちしか乗れない馬車だ。

ほんとに乗ってていいんだろうか?

「緊張しているの?」

「えっと…そうですね。」

同乗者である彼は、「リアルマッチ売りの少女」と言った彼である。

あの時は、夜だったし暗かったから顔をよく見てなかった、実際よく見るとイケメンである。

長い銀色の髪を一つに束ね青いリボンで止めているし、横髪はきれいに切りそろえている。

瞳は翡翠色で左目元にほくろがある。ちなみにそのほくろはチャームポイントらしい。

肌の色は雪のように真っ白だ。

これらのパーツを兼ね備えているんだ、イケメンって言うだろう。

身なりも、白の紳士服で宝飾品が胸元にある。

振る舞いから気品があり、着飾らないことから、貴族か、それ以上の身分の方だと思う。

「まあまあ君なら大丈夫、そんなに緊張しない!」

「はい…」

「心配ならもう一度確認するね」

「おっお願いします。」

「君には、ある伯爵の使用人になってほしい!」

 

 そう彼は、人材を探していた。使用人を。

でも、ただの使用人ではなく叫ぶ人…もとい物事をはっきり言える人を探していたらしい。

私そんなに叫んでいたっけ?

まあ一部始終はばっちり見られていたらしい…どこで?

彼の話によるとその伯爵とは、かなりの引きこもりらしい。

最近、ある国から爵位をもらったらしいが、嫌だったらしいが。

身分に嫌とかあるのだろうか?私から見たらとてもうらやましことだ。

とんだ坊ちゃんだな…

その坊ちゃんをどうにかして社交界に出してほしいらしい。

社交界は今がシーズン、今月から考えるとあと3か月の間しかない。

彼は、一回でもいいから出してほしいでも、新魔祭にはでてほしいなと言った。

ぼくのわがままだけど…

新魔祭とは、新たな魔族を迎える祭りであり、人間と魔族との交流として大事な行事。

そして、各国の重要人物が一気に集まる場所であるこの機会を逃したくない。

そう考えるとあと2か月しかない、その日までおぼちゃまくんを叩き出さないといけない。

「もちろん報酬はきちんと払うし、君の転職先だって優遇するしね!」

悪くない話だ。

「そうゆことだから、君には彼を説得してほしい!!」

勢いよく頼まれてしまって迷わずオーケーしてしまったのである。


 一通り説明が終わると彼は、小腹すいちゃた!とのんきに言ったのである。

「ねえねえ、リリス、リンゴむいて!」

ハルは彼の隣でリンゴむく少女を見た、あいかわらず表情一つしない。

髪は短くてパープル色で、瞳の色は濃い紫、彼と同じ肌の色をしていた。

この人が私と同じ使用人とは思えないだけど…すっごく美少女!

使用人服もフリルがあり可愛い…。

 彼女は、彼が泊まっていた宿屋の近くで出会った。

いつ逃げるか迷っていた時だった。

いきなりどっからかフライパンが襲ってきたのである、それは見事に彼の顔面に当たり、情けない声を聞くほど衝撃だった。

「どこにいっていたのです?また、犬でも拾ってきたのですか?」

主への問いかけに氷のように冷たく言い放ったのである。

「犬って!!」

「あなたのことですよ、この野良犬」

「わっ私!確かに野良犬の臭いするけど!!」

この時、外灯だけで顔がよく見えなかったけど、正直お人形さんみたいにきれいだなと思った。

その後も、毒の入った言葉をちらちらといれられた。

 「はい主、できました。」

「リリス、あーんしてもらえるのはうれしいけどナイフだけは取ろうね。」

ハルは何とも言えない苦手さが出てきた。

「野良犬も欲しいですか?」

真顔で言うから怖く感じる。

「いえっご遠慮します。」

なんかどうせ、リンゴの皮とかやりそう…

「遠慮しなくていいのに、食べたいときに食べなきゃ損だよ。」

と彼は言うが、もうすでにお皿だけ渡されているよ皿だけ食えってか。刺さっているリンゴよりはましかもしれない。

「ふむ、君が言いたいことは分かるよ、リリスはちょっとツンデレの所があるからね苦手なのはわかるし……こうすると可愛いよ。」

と彼女の頭をなでると。

「べっ別にうれしくはないんだからね、このもやし」

「ね!」

「ねって!いや完全に今の悪意でしょ!もやしの所だけ声のトーン違ったから!もちろん表情一つしないで!」

「あっしまった言ってしまった。」

すると、笑い声が。

彼は白の手袋の手で口を押え笑っていたのだ。

「それだよっそう、それ、ほらリリスも」

「犬のくせになまえきだ」

と仕返しされた。

すると、ガタンと大きな音がなり、さっきまでの空気が変わった。

「おや、着いたみたいだね」


 馬車が止まった所は、ぱっと見て幽霊屋敷だった。

建物が自体、古いせいか暗さがにじみ出ていた。

玄関前の庭も管理出来てないか草が生い茂り、鳥?という銅像も翼が折れてしまっているし苔がもりもりしていた。

「ここなんですか?」

「そ、ここ、ここ。」

「お化け屋敷なんですけど…」

「引きこもりの影響かなあ?」

すごいはぐらしかただな。

「待って一歩踏み出す前に君に、はいこれ。」

差し出されたのは、手鏡だった。

「宿屋からバタバタできたから…女の子だしさ、僕たちが出会った記念にどうぞ」

 そう、宿屋に着いてすぐお風呂に入れられ、食事をしすぐに出発をしたから自分の顔すら見てないし髪もぼさぼさだろう。

ちなみに、お風呂に入る際服をはぎ取ったのは言うまでもなく彼女だ。

あの生ごみだらけのメイド服は処分され、新しくもらったメイド服は彼女のおさがりだ。

野良犬に服を着せるなんてとかぼやいていたけど。

 いざ自分の顔をを見ると、肩までのびている少し茶色が混じっている黒髪で、瞳の色は黒、少し丸顔で肌の色は少し焼けているしおでこにニキビがあるこれがなかなか治らない。

これが自分の顔、ハルの顔だ。

「あっあのえっとその…」

「そうそう名前ね!肝心な名前忘れてた!ごめんね!」

「僕は、ベルフォード・セル・シリウス・エルグラリウス、、、シリウスって呼んで!」

「はいっ、ありがとうございます!シリウス様!」

「そしてこの子はリリス」

「好きにお呼びください……野良犬」

どうも毒は抜けないみたいだ。

「私は「ハルちゃんでしょ!」…えっなん「やっぱり、顔に書いているから。」」

分かりやすいのか私の顔は。

「ともかくこれからよろしくね。」

「はい!よろしくお願いします。」


 さて、これから始まる出会いはハルにとって大きく人生を変える。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ