16.白紳士の熱意
次の日、早朝。
リリスの容赦ない起こし方に床と挨拶をしてしまったハルは、鈍い痛みと共に起きた。
無理やり布団を剥ぎ取られ、ベットから落ちたのである。
「さあ!諸君!我々はこの日の為に生きてきたと過言ではない!」
朝からテンション高いなー。
身支度を終え朝食を食べてから、テルともに宿屋の前に立たされていた。
シリウスは続ける。
「これはただの訓練ではない!実践だ!戦争なんだ!」
いつから私たちは軍人になったんだ。
「そこ!たるんでいるぞ!」
テルを指していた。
テルは珍しく人の姿になっていた。
「うす!申し訳ございません!少し寝ぼけていました!」
頼むからテルまでのらないでよ!
「甘い!ボンレスハムより甘すぎる!我らの目的はなんだ!言ってみろ!」
甘くないわ!朝食に出たからわざと言っているの?
「はっ人質の解放ためです!」
「そうだ!よく言った!曹長!、あの哀れな人質の為に我々は命をかけている!」
テルは悲しそうな顔をした。
「くうう!辛いっす!」
「だが!救う方法はある!奴だ!奴を捕らえるのだ!奴を捕らえ支柱に収めるのだ!」
「うおおおお!!」
テルは叫びだす。
「軍曹!声が小さい!」
「え!私軍曹なの!うっおお。」
「まだまだ!うおおお!!」
「「「うおおおおおおおお!!!!」」」
とんだ近所迷惑だ。
「全員装備を整えろ!」
シリウスの熱い熱いすぎる熱意に根負けしそうになる。
「あの、装備って虫取りじゃないですか!」
虫取りかごと虫取り網だった。
「今から、カブトムシでも取りに行くつもりですか!」
ねえ!魔族を捕まえるのだよね!だよね!
「司令、やはりこの装備では。」
はっさすがリリスさんやっぱり、つっこむところは考えて…。
リリスが出してきたのは、スイカだった。
「やはり、エサとなるものが重要かと。」
季節外れにもたいがいにして!!!!
「全員集合!」
シリウスは懐から地図を出した。
それを広げ、ハルたちに説明を始めた。
街一体に大規模な封鎖があるそうだ。
魔物襲来に備えて避難と誘導が始まるとの事。
シリウス様はある程度、封鎖中でも探せるように手配するそうだ。
エセ紳士のくせにそれなりに顔がきくみたい。
昨晩は魔物の姿が確認され、街の上空へと消えてしまった。
魔物はまた今夜現れるかもしれない。
「夜にはここ宿屋に戻ること!いいね!」
シリウスは強くハルたちに言った。
私たちは二手に分かれて行動することになった。
シリウス、リリスチームは情報収集。
ハル、テルチームは捜索になった。
「全員!配置について!マザー!いってきます!」
シリウスは敬礼をし、それを習って私たちも敬礼した。
「「「いってきます!」」」
「いっていらしゃい!」
おばちゃんの笑顔に見送りされ、私たちは行動を始めた。




