12.悪い目覚め方 その1
目覚めてしまった。
彼、ディドが。
目覚めてほしいとは思っていたけど、こんな形で目覚めるなんて。
色んな想像していたけど、全部外れだった。
このあと、彼がディドが私をどうするか。
魔族である彼は人間の私をどうするのか?
テルは私を受け入れてくれた、けど、彼はどうなんだろう。
「ディドーなんだよ!驚かせるなよ!無傷じゃんか!」
テルはディドに投げかけた。
「灰だらけだがな」
ディドは黒シャツについた灰を払う。
テルも猫の手で灰を落とす。ふみふみ。
ディドはそんなテルをふと一見してから答えた。
「それで、お前は誰だ」
言葉だけでも十分ハルを追い詰めていた。
う
体がこわばり、何も考えなくなる。
「あいつの差し金だろうが、ここから出ていけ」
言われた言葉が理解できなかったが響きが頭の中に残っていた。
出ていけという言葉が。
熱い何かが零れ落ちた。
あ
これはダメだ!ダメだ!してはいけないことだ!
ハルはこわばった体を動かし寝室から出て行った。
ディドはその姿を見ても興味ないようだった。
「おい!ディド!」
テルがディドに詰め寄った。
「あんな言い方はないだろう!」
「だったらどうなんだ、まさか使用人にするつもりだと思っていたのか。」
ディドは灰を払いながら立ち上がった。
「そのまさかだよ!いい加減雇えよ!」
「残念だったな、相手は人間だ。」
テルはシャーと爪を立ててディドに言った。
「おまえええ!魔族の奴だって追い出したじゃん!!」
「鬱陶しいから追い出した。」
「だったらさ!」
「だったら、なんだ?」
急にテルを凄みだした。
その瞳は深い深い藍色、闇を引き込む瞳だ。
テルはぞっとし走り去った。
バカディドーー!!機嫌わりーーー!!
テルとディドは合理の上で付き合っている、これ以上のことはディドとは決別を意味する。
たとえテルがディドを思っての発言をしてもだ、相手は人間でも魔族でもなくそれ以上の存在で、物の価値観や考え方が全く違う、一つ一つの言動や行動が彼にとっては気に障ることかもしれない。
テルにとっては痛感するところ、はっきり言ってつかみどころがない存在だ。
テルはハルを探した。
テルにとってはハルは一緒にいて楽しい存在。
この1か月は何もない屋敷から、おもしろい所なった。
なのに。
バカディド!!ほんとバカ!!
ディドはわざとハルを追い出した。
それはすぐにわかった。
ディドとは合理の上でも決して浅くない関係だ。
……この俺も追い出したいんだろうな。
ちょぴり寂しいことを考えてしまう。
テルはそんな考えをふっきようとハルを探す。
「おーーい!ハーール!どこだーー!」




