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あああ悪魔様  作者: 落田プリン
 第1章 はじめまして悪魔様
11/30

10.来訪者

「ハクシャクハヤシキノナカ」

男は屋敷の中に一歩踏み入れた。


 「ハル!!」

突然、猫がハルに突進してきた。

「うぐふっ!!」

猫の重さにハルはしりもちをつく。

「てっテル!!なっなに!?」

「このバカ!なに招いているんだよ!」

「えっなにを…あ。」

ぼーとしていたハルは状況を理解した。

一歩また一歩、男は屋敷の中に踏み入れる。

そして、男はハルたちの方に振り返った。

「にっ逃げろ!!!」

テルが叫ぶ。

ハルとテルは一目散に駆け出した。

すると、後ろからドスンと大きなものが壊れる音がした。

ハルがふと振り返ると。

男は上半身を伸ばしてグネグネしていた、ゼリーみたいにグネグネ、グネグネ。

その状態で床を叩き割ったのだ、一瞬でも遅れたらつぶされていたかも。

「うわわあああああ!!!」

「なんなのあれええ!」

必死に走りながら、テルに聞く。

「わああああああ!!!」

聞こうにも腕とか頭とかグネグネ伸びてきて、かわすだけでも必死だった。

当たったら死ぬかも。

「テルルウ!!あんた魔族なんだから!なんとかしてえええ!」

「バカ!!俺がなんとかできるかああぁ!猫だぞ!愛玩動物だぞ!」

再び上半身がグネグネ伸びてきた。

「「うわああああああ!!!」」

間一髪、狙いが外れた。

「ひいいいいいいい!!」

「走れ!!」

再び、屋敷中走り回った。


 そして、ある部屋についた。

どこか隠れる部屋はないかとテルが提案したのだ。

そこ部屋は床が腐り落とし穴状態の部屋だった。

「ここの部屋は落とし穴だらけよ!落ちたらどうすんの!」

「いい案が思い付いた、あいつをここにおびき寄せる。」

「さすが!」

ハルとテルは部屋の奥に行こうとして、そしてハルだけが床に落ちた。

「ああああああ!!」

「バカああああ!!」

「ああああ!来ちゃった!」

男が部屋の前に来たのである。

終わった。

そう思った時。

男も運悪く落ちた。

人間も魔族も間抜けがいたら一緒なんだな。

「ばーーか!ばーーか!」

「ばーーか!、ばーーか!」

ハルと一匹は男をバカにし部屋を出た。


 ハルと一匹は別の部屋で隠れた。

「どうするの?このままじゃあ!」

「どうするって言われても俺じゃ無理だし、ディドもあの状態じゃなー」

ハルとテルは決して彼の所には行かなかった、ずっとグネグネ男を引き付けていたのである。

それでも必死に逃げても死にそうになったとしてもそれが暗黙の了解だった。

眠っている彼をそのまま死なせたくない!ハルは思っていた。

隠れた理由は、少しでも対策を練りたかったからである。

むざむざ何もせずに死にたくはない!

「あれって、一体なんなの?」

「あれは、名無しだよ!魔物の一種、普段は使い魔とか使役されているのが一般なの。でも、あの名無し使役されてないぶんタチが悪すぎる!人間を食いやがったな!」

「うそっ食べたの!」

「ああ!間違いない、人の形をしているんだ!あいつらは形を持たない魔物なんだ!使える主がいないと形にはなれないし、力も付かないはず、幽霊みたいな影なんだ!でも。」

「力があるってことは、人間を食べたんだ。」

「それも、一人じゃない、人の言葉も話せたんだ。」

ハルは息を飲み込んだ。

大勢。

「あいつは伯爵って連呼していた。」

ハルは、思い出しながらそう答えた。

「狙いはディドだな、食べて、何かになりたいのだろう……あいつらは存在を求めるから。」

形がない、名前もない、求めるものは完全なもの。

テルは猫の小さな頭を下げて言った。

テルの急な姿にハルは不安になった。

「こっこのままだと、私たち食べられちゃう!ねえ!弱点とかないの?」

「うーーん……あいつ昼間でも動けるんだよな、だとすると。」

「だとすると!」

テルに詰め寄る。

「ないな!」

「だああもう!変な言い回ししないでよ!」

「だああ!うるせー!もともとねーちゃんが悪いじゃん!」

「えっなんでよ!あいつが勝手に入ってきたじゃん!」

「あいつは認識しないと家の中に入れないの!ねーちゃん!あいつの言葉に認識したの!」

ハルはああそういえば、あいつの目を見た時、頭が真っ暗になった。

「わっわたし変なこと言ったかも…。」

「あいつの誘導にはまったんだよ!」

すると、ドガンと部屋に男が出てきた。

「もうバレたのかよ!カンがいい奴だな!」

「のわああ!もう!逃げるしかないの?」

一人と一匹がわめいたからバレたのである。

ハルたちはまた走るしかなかった。


 「もう、最終手段!」

「何か案があんのか!」

テルが聞くと。

「目には目を歯には歯を!魔物には魔物よ!」

聞いたのがまずかった!テルは心底後悔した。

「まさか俺をエサにするんじゃないよな!!」

「何言っているの?あの人をぶつけるの!」

「おいおい!ディドはまだ!」

「叩き起こすしかないでしょう!!緊急事態なのよ!」

「起きる確証もないんだぞ!」

「でも!このままじゃあ!みんなあいつの腹の中よ!イチかバチかやるしかない!」


 ほんとはしてはいけないと思うけど。

でも、彼ならできるかもしれない!

ハルと一匹は彼の寝室に入った。


しかし、彼は、ディドはいなかった!


「ああああああ!!終わった!!」

ベットの中はもぬけの殻だった。

「あいつどこ行ったんだよ!」

テルも期待していたのかガックリしていた。

「終わった!私もうつんだああああああ!!」

「何言っているだ?お前もうとっくにつんでいるだろう!!」

ハルと一匹は互いに頭を抱えた。


男は寝室まで入ってきた。

「「ぎぎぎゃあああああああ!!!」」

一人と一匹は断末魔を上げた。

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