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あああ悪魔様  作者: 落田プリン
 第1章 はじめまして悪魔様
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プロローグ

 この世界は、人間と魔族がいる世界。

魔王が勇者に倒される時代は昔の話、その理由は何度魔王を倒しても次の魔王が生まれるからでした。

困った勇者は魔王と契約をし二度と世界を陥れないと約束をしました。でも、彼らの中では嫌う者憎む者が大勢いました。彼らは彼らだけの国を作り守り、こうして千年経っても差別や争いは耐えません。

そんな人間の国に一人の少女がいました。


 どうもはじめまして、私の名前はハルです。

ただのハルです。はい、人間です。女の子です。

えっ歳ですか?何歳に思います?30歳、夢がないですね。60歳、定年じゃないですか。90歳、長生きですね。100歳、おばあちゃんって考えているよね!そうだよね!じゃあ年上好きかな~かな!!

歳は16歳です!ぴちぴちの!

私の仕事は使用人です。はい、メイドです。

さあ!メイド服を着て仕事を………仕事を…仕事、仕事ね…。してますよ仕事!!

ブランコ、コギコギしてますよ、公園で!アハハハ

本当の仕事は3日前にクビになりました。理由はいいませんよ恨み辛みは全てそこにおいてきた!

「ちきしょーあの野郎!!うあああああぁぁぁ」

  こうして、一人で叫んでいるとさっきまでボールを蹴って遊んでいた男の子たちが近づいてきた。

子供は無邪気だから純粋だからきっと大丈夫と思っていたが間違っていた。

厳ついた顔で来たのである。

「ねーちゃん、何やっているの?」

「仕事は?」

「ねえいつまでブランコで遊んでいるの?」

ひほりはほり聞いた後は、かなり罵られたしブランコ強奪されました。

近頃の子供は怖い!特に無職に対して!

そう自分より幼い子に対して思いつつ公園を出ることになった。


 人間の国であるここは、リンベル王国の東方、王都よりやや小さい街。

その街中央に大きな時計塔があり、正午になると街自慢の鐘が鳴る。

音は街全体まで包み込み、人々の心臓まで響かせ魔の者を追い払う力があると言われている。

人々はこの鐘を、ハーツベルス(心音の鐘)と呼び、街の名前もそう名付けた。

貴族たちはこの街を気に入り、第二の都市として身を置く者が絶えなかった。

今は、上流階級者しか住むことができず、商人や平民は街の外で住む人は少なくはないそのせいか街の外には赤レンガの家が街を囲むように建ってしまいました。

鐘の音は街の中までしか響かない。

 

 街の外に出た後、ハルはとぼとぼ歩いていた。

ハルがいる所は外街と呼ばれる、本街と比べて活気が少なく寂れた空間が広がっていた。

赤レンガの家をいくつも通り過ぎ、途中パン屋があったが見ては眺め見ては眺めの繰り返しをしてパン屋のおじさんと目が合うとまた赤レンガの家を通る。

ハルはここ三日間何も食べてない。

問題起こして即屋敷から追い出されたのである、唯一救いは自分の持ち物だけ手元に戻ったこと。

本当はその屋敷の使用人をやめるときは、今まで働いたお給料と次に働くにための紹介状を持たしてくれるはず、それなのにお給料は没収され紹介状も書いてはくれませんでした。ちなみに持ち物は使用人教本と家族写真、メイド服などガラクタである。

「くっそうおお!!」

あるのは恨みだけ、そう恨みだけだ。

「なんであの時!!ああしなかったんだああ!!」

口で言った言葉と思っていることが全く合っていないハルであった。


 歩いては道端に座って休んでは歩いて繰り返してはあっという間に夜となる。

冬が近いせいか日長も短くなる。

赤レンガの家を過ぎると大きな塀があるそこを超えると本当の外である。そこから先は危険で、盗賊や野獣が出てくる運が悪いと魔物も出てくるうわさもある。

行商人や旅人に乗せてもらえば自分が育った村に帰れるだけど、手間賃がいる。

お金はない。

人気が少ない路地裏にあるものを探しそこの中に入り座り込む、膝を立て顔をふせ、また今日を過ごす。

寒さには慣れているじーっとちぢこまっていれば朝を迎える、そしてようやく眠ることができるのだ。

女であれば襲われることは分かっているでもむざむざ襲われたくない、ほとんど働いてない頭をフルに回転させ知恵を出す貞操のために。

答えは、ごみ箱である。

臭いというのを我慢すればいける、いける!!

危ない人から見つけなければいいだけの話、のでこの三日間臭い。

最初は臭くて泣いたことは言うまでもない。

だが、今日はひどく寒い。

生ごみがあるのに…。

寒い。

「寒い……」

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