ヒリヒリビリビリ大パニック!
「ひぎゃあああああああああ!! 辛いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
「きゃあああああああああああああああああ!!」
「うっ……辛っいいいい!!」
休憩時間中。
昼飯を森の近くにあった飯屋で食うことになった。そして、俺は決めた通りタバスコを投入した。
調味料使用自由と書かれた紙が貼ってあったので、喜んで使わせてもらったよ。いやあ、ありがたいありがたい。
「水! ひょうやふぁん水!」
「え? なんだって?」
「水です! 早くううううううう!!」
流石にまたドSいじりしたら口をきいてもらえなさそうなので、俺は素直に水の入ったコップを手渡した。
アークとコハクも水を要求してきたので、渡してあげた。あげたんだけど、喋る言葉が面白くって笑っちゃった。いかんいかん。
3人は息を整えながら、俺を睨んでくる。
「おい、そんな睨むなよ。ちょっとした仕返しをしただけだろ」
「ちょっとした!? これちょっとしたか!? 大分ヤバかったぞ!? 頭おかしいのか!?」
「いやいや、あの後バッファローを1人で運んだ俺の身にもなれよ。周りの人達からはジロジロ見られるし、係員さんにバッファロー手渡したらまた変な目で見られるし。……タバスコぐらい軽いもんだろ」
周りの視線が痛かったです。うん。
視線ぐらいじゃもう俺は動じないのだが、流石に係員さんの迷惑そうな顔には応えた。「うわ……なにこのバッファロー持った気弱そーな男。キモwww」みたいな。
表情で俺は何を考えているのかを感じ取ることができる。マジでマジで。
なんだろ、これ転生した時のおまけみたいな能力なのかな。知らんけど
。
「ううっ……舌がヒリヒリする……『ウォーター・ヒール』!」
「あっ! その手があったか! 畜生ッ……」
アークは空気中から冷えた水を生み出すと、すぐさま自分の舌へとかけた。
同時にパキパキという音を立て、少しずつ水が凍っていく。
くそっ、なんたる不覚。アークの魔法のことを考えてなかった。
「アーク! 私にも!」
「アーク、頼む!」
「了解! 『ウォーター・ヒー』……」
「させるかあああっ!! 『サンダー・レイン』!」
「「「ああっ!?」」」
俺の放った魔法は見事3人の舌へ命中した。
攻撃規模を小さくしたとはいえ、やはり結構な威力があったのか、3人は悲鳴を上げて舌を押さえ始める。
あのままだと、俺の作戦が水の泡だった。苦しむ表情を観賞しようと思ったのだからな。
「いやあ、2種類しか持ってなくても、魔法は使えるもんなんだなあ!」
「違う! その魔法の使い方は間違っている!」
コハクが瞳をうるませ訴えてくるが、俺は笑いながらその言葉を聞き流した。
ふっ、何を今更。電気風呂だって使ったし、ガーブの悪戯の時にだって使ったし。どっちかというと人間に使う確率の方が多い気がする。
愉快、愉快。はっはっは!
「うう……分かりましたよ、京夜さんを置いていったのは謝りますから! だから私の水にプチ・サンダーするのはやめてくださいいいいい!!」
調子に乗っていた俺だったが、ライアが涙目で訴えてきたので、俺はしぶしぶコップから指を離した。
いやあ、でもスッキリした。
……あれ。
周囲の人達の視線が……。
……なんかまた誤解を招いちゃった気がする。
今日は最新遅れます。許して!(*^-^*)




