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天使3人vsきょーやチーム

「ッ……バカがッ!!」

 ラファエルが声を上げたと思うと、俺はなにやら地面の様子がおかしいことに気付いた。

 俺が一応距離を取っておき、警戒していると――――――――


 〝バクン〟


 次の瞬間、無数の巨大な口が地面から現れ、俺たち以外のハンターは食いつくされる。

 ……状況が理解できない。

 俺が混乱していると、ミコエルが俺に向かってにやりと笑みを見せた。

「さあ、次はお前たちの番だ。どんな攻撃がいい?」

 ……コイツの仕業か。

 殺す。勝てるかどうかは分からないが、コイツだけは絶対に許せない。

 人の命をなんだと思ってるんだろう。天使のくせに、随分と残酷なものだ。

「ミコエル。まずお前を一番最初に殺すね」

「ミコエルだと!? バカにするな! 俺の名はミカエ―――――――」

 そこまで言いかけたところで、ミコ……ミカエルの動きは停止した。

 俺が何をしたかもうお分かりの方もいるだろう。

「はい、目つぶいいぃぃい!!」

「貴ッ様ァ――――――――――――!!」

 ラファエルが炎の剣を手に突進してくるが、俺にはそんなの当たらない。

 一応、俺はこれでも上級者。レベルの割には強くないとはいえ、転生して強化された身体能力があるのだ。

「がっ……!?」

「はい秒殺♪」

 俺はラファエルの股間に膝蹴りをかました。

 予想通り、ラファエルはうめき声を上げてその場に崩れ落ちる。

「何をそんな奴相手に手こずっているのですか。仕方ない、私が相手ぴぎゃああああああああああああ!」

「なぜそんなに悲鳴を上げる? 威力の弱い睡眠弾じゃないか」

 見ると、コハクが弓を構えて不思議そうな表情を見せていた。

 弓矢はアマテラスの肩に刺さってはいるものの、確かにそこまでの威力はなかったと思われる。

「はあ……はあ……私がこのぐらいでやられるワケきゃあああああああああああ! 熱い寒いいいいい!」

「『ファイアトルネード!!』」

「『エンド・オブ・ブリザード』!!」

 ライアとアークの猛攻撃を食らったアマテラスは、そのままぱたりと崩れ落ちた。

 ……え、弱ッ。

「……あれ? 死んだ? コレ」

「いや、おそらく眠っているだけだ。睡眠弾が効いたんだろう」

 コハクがゴミを見るかのような目線を、アマテラスへと向けていた。 

 そりゃあそうである。いきなり現れてハンターたちを襲って、しまいには俺たちを殺そうとしてきたのだ。

 ……まあ、実を言うとちょっとしたストレス発散になったから嬉しかったんだよね。膝蹴りしたときとかマジでテンション上がったわ。

「ピ――――――ッ!」

 ピピがラファエルの頭をつつきに襲い掛かった。

 しかし、そいつはもう既に意識がない。病院には……送らなくていいよね、うん。

 いやあ、スッキリスッキリ。

「貴様ら……絶対に……ただじゃ済まさんぞ……」

 声がした方を振り向くと、唯一意識があるミカエルが体を起こして立ち上がっていた。

 目つぶしの効果が切れたか。もう一回してやろうかな。

「いや、全部アンタらが悪いんでしょ。それより天使なら、ハンター達生き返らせることぐらいできますよね? 直ちに実行してください」

「貴様……私を誰だと思って……」

「どーん」

 俺はフラフラのミカエルの体に軽い蹴りを入れた。

 予想通りミカエルは、面白い人形みたいにその場に転げ落ちていく。

「がっ……!?」

「いい加減にしてください。それとも―――――――今この場で殺しましょうか?」

 俺はスパエメちゃんソードをミカエルの頭部に押し付けた。

 ミカエルは「ひっ」と小さい悲鳴を上げながら、俺を睨む。効果0だけど。

 本当に殺すつもりはないが、あんまりにもしつこいといつか殺してしまってもおかしくない。できれば俺を追いかけまわしてくるのはこれっきりであってほしいものだ。

「さあ、どうすんだ?」

「ッ……待、待て! 分かった、ハンターは生き返らせる! だからどうか命だけは……」

「あと追加。これ以上俺に天界へ帰れだの言いつけるのはやめろ」

「ひっ……分かった! 分かったから!」

 ミカエルは情けない悲鳴を上げながら、なにやら呪文の様なものを唱えだした。

 数秒後、地面から再び口が現れ、ハンター達は吐き出されていく。

 どうやら、飲み込まれていただけで、完全に死んでしまっていたわけではなかったっぽい。

 ミカエルは大急ぎでアマテラスとラファエルを担ぐと、魔法陣のようなものと共に消えて行ってしまった。

 …………。

 

 ……あれ?

 なんか前もこんな終わり方だったような気がする。


 

 

 


 

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