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逃げられない! どうするきょーや!

「俺はどうすればいいんだろうか」

 冷や汗がダラダラ垂れてくるのが分かる。 

 ヤバい、ホントにどうしよう。透明マ✕トで何とか隠れたはいいが、ここで透明効果を解除したら絶対ガイアドラゴンが襲ってくる。

 つまり、俺はガイアドラゴンが捕獲されない限りずっとこのままでいなくてはならない。

「……どうしよう」

 逃げ回っていたら、大分ガイアドラゴンのオリから遠いところまで来てしまったようだ。

 ここには人もいないし、俺一人だけ。

「ああ。なんだ見えないんだからこのままにげればいいじゃん」

 そうだ、どうせ見えないんだからこのまま逃げちゃってもバレないか。

 なんでこんな簡単なことすぐに思いつかなかったんだろう。バカか、俺は。

 早速体全体をマントで覆うと、全速力で俺は逃げ出す。

 よし、勝った―――――――――


「グオオオオオォォォォォォォ!!」

「え!? なんでええええええええええ!?」


 全速力を開始した瞬間、ガイアドラゴンは俺を追いかけてきた。

 なんでだよ。透明マ✕トの意味ねぇじゃん。

「ぎゃああああああああああ! ……あっ」

 俺は走ることに集中していたせいか、マントが飛ばされないよう掴むのを忘れていた。

 そのまま見事にマントは飛んでいき―――――――

 ガイアドラゴンの顔面へと舞い降りる。

「ぎゃあああああああ! 顔なしドラゴンだああああああああ―――――――!!」

「グオオオオオオオオォォォォォォォォ!!」

 最悪である。

 襲われるわ、マントは飛んでくわ、顔なしドラゴン出現だの。

 死ぬ。冗談抜きで死ぬ。

「はあ……しゃあねえ」

 俺はスパエメちゃんソードを鞘から引き抜いた。

 できれば戦闘は避けたかったが、もうこの際仕方がない。こっちは命の問題である。

「ふっ……レベル56の力、思い知るがいい!」

 いや、今はもっと上がってるかもしれないけど。

 俺はガイアドラゴンの背後に回り込むと、足をスパエメちゃんソードで斬ろうとした、したんだが―――――

「ごぎゃぶっ!?」

 踏み潰されましたね。はい。

 身動きの取れなくなった俺は、そのまま無様にバタバタともがく。

 痛いっ……あんっ、そこは痛いからあああああああ!

「があああっ! ちょ、待って!? 内臓潰れるううううううううううううう!」

「ガォォォォ!」

 迫害してくるガイアドラゴン。

 そして俺の体の何倍もある巨大な足。

 詰んだ。詰んだわコレ。

「痛ったいなっ……このおッ! 目つぶしいいぃぃぃぃぃぃ!」

「グオオオオオオオオォォォォォ!」

 俺は喰われるギリギリのところで、目突きをかましてやった。

 ふっ、ざまあ。よし、こっから一気に畳みかけて―――――――

 俺が内心清々しい気持ちになっていた、その時だった。


 ――――――パサッ。


 俺の体に、やたらとデカい捕獲網がかぶせられていた。

 動けなくなった俺は、必死に捕獲網をかぶせたと思われる男性に叫ぶ。

「おい! なんで俺に捕獲網をかぶせんだよ! かぶせんのはアイツだろ!?」

「黙れっ! 貴様は神聖なるガイアドラゴンに傷を与えたのだッ! よって、貴様をこれから警察署へと連行するッ!」

 ……。

 ……いや、意味が分かりません。

「俺は殺されかけたんですよ!? 抵抗の1つや2つしない方がおかしいだろうが!」

「五月蠅いッ! 貴様は問答無用で牢屋行きだ!」

 話が通じませんね。どうしたらいいんでしょう。

 必死の抵抗もむなしく、俺は警察員の方々に運ばれた。

 行先は……警察署か。


 ……いや、ホントなんでこうなるの?

 



 

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