京夜の一人冒険……てか死ぬううう!!
「痛い痛い怖い怖いそして来るなあ!!」
みんなが歩いていた森の中にて。
いきなりだが俺は、トリケラトプスっぽい巨獣に追いかけられていた。
よし、あだ名はトリケラもどきにしよう。
「刺さったら死ぬ! 間違いなく死ぬ! やめておほああああ!!」
ヤツの頭には鋭い角が生えており、あれが危険だという事は俺にも分かった。
マズイ、このままだと死ぬ。なんとかしないと。
そして言っておくが、俺の悲鳴がおかしいのは気にしないでいただきたい。人間誰しも、ピンチになるとこういう奇怪な悲鳴を発するようになるのだ。
俺なんかまだマシな方かもしれない。
だが、それよりも。
「はあっ……はあっ……ごめんなさい謝るから許してええ!!」
そう。
俺が今追いかけられている原因としては、トリケラもどきの尻尾を踏んでしまったことにあった。
トリケラもどきが昼寝をいたことに俺は気付かず、思いっきり全体重をかけて尻尾を踏んでしまい。
で、そうなった結果がコレ。
「あ、なんだ。悪魔化すればいいじゃん」
バカか俺は。
ここならみんなは来ない。すなわち、悪魔の力使用可能。
いやー、しかし悪魔になるのも久しぶりだ。最近使ってなかったし、ちょうどいい。
俺は「悪魔」を強く念じると同時に、走り出した。
「いやあ、やっぱり空は気持ちいいですねえ!!」
俺は大空へと飛び立ち、取りあえず身の安全を確保した。
そしてえ……急降下からのお……!
「ぶった斬りイイ!!」
俺はメタルソードで思いっきりトリケラもどきを斬りつけた……のだが。
皮膚が思っていた以上に硬く、刃が通らない。
「なんでだよ!? ……あ」
俺はゼルドギアと戦った時、ライアが言ったことを思い出した。
たしかライアは、「ゼルドギアの皮膚は硬質化されているんです! 普通の攻撃は効きません!」……とか言ってた気がする。
マズイ。非常に嫌な予感がしてきた。
「いや待て、落ち着こう俺。剣がダメなら―――――――ぶん殴るッ!!」
俺はゼルドギアと戦った方法を思い出した。
確かあの時、俺はぶん殴りまくって、必殺技で圧勝したハズだ。
殴るはともかく、必殺技さえ決まれば……勝てるッ!!
「覚悟しろトリケラちゃああああん!?」
「グオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
「うるさいのよおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
俺は予想外にデカい雄叫びに怯み、ぶっ飛ばされてしまった。
な、何……? この悪魔化した俺に一撃を加えるだと……?
「許さんぞ……だが近づけない……デカいくせして動き速いから近づけねえ……」
今すぐにでもなんかしらの攻撃を入れたいのだが、バタバタと暴れまわっているので、思うように近づけない。
何コイツ? 強くね? 角が紫色しててなんかキモイけど、俺が今まで戦ってきたモンスターの中で一番強いと思う。
「おらああああああああああああああああああああああ!!!」
「グギャオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォ!!!」
俺が再び急降下を始めたところで、トリケラもどきが雄叫びを上げた。
コイツセコイな。いいところで雄叫び上げるんじゃねえよ。
俺が迫って来た角をギリギリでかわしていると、一瞬だが角攻撃をした後に隙ができるのが分かった。
……よし、今だ。
「目つぶしいいぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
「グオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
再び迫って来た角をかわすと、俺は悪魔化した爪で目つぶしを入れた。
狙いは若干外れてしまったが、それでもダメージにはなったっぽいので取りあえず安心する。
「グオ……オオオオオオオオオオォォォォォォォォ!!」
「マジで! まだめちゃくちゃ元気じゃん!?」
俺は両耳を塞ぎながら驚愕した。
結構ダメージになったと思うんだが、すぐにトリケラもどきはこちらに目線を向けてくる。
俺が少し油断しかけていた、次の瞬間。
トリケラもどきが猛突進してくるのが分かった。
ヤバい、遅かった。
「しまっ―――――――――!?」
「グギャアアアアアアアアアァァァァァァ!!」
ガードが遅れた俺は、トリケラもどきの角をもろに受けてしまった。
悪魔化、久しぶりですね。(笑)タイトルが「悪魔の俺と異世界魔法」なのに悪魔化あんまりしてねえっ!?って思ったので、焦って書きました。
いつもですが、この作品はいつも唐突に始まってるような気がします。前触れが全くないwww
これからも楽しんでもらえる小説を書いていきます! 引き続きよろしくお願いします。




