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俺、異世界で悪魔になりました! ~あくおれっ!~  作者: 紅羽ユウ
天使と悪魔、どっちでしょうか??
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森での対戦

「うう……なぜこんなことに……」

 俺たちは気が生い茂る森の中、ひたすらに歩き続けていた。

 それにしても、一向にライアとコハクが見つからない。いくら広い森の中とはいえ、そんな遠くに走っていったワケでもないし、すぐに見つかると思うんだが……

 うえっ、ヤベえなんか知らんが吐きそう。気分がすぐれない。

 かと言ってこんな森の中生暖かいゲロをぶちまけるワケにもいかない。

 俺は這い上がってきたゲロくんをギリギリで抑えると、はあはあと呼吸を整えた。

「きょーや、大丈夫? 死にかけの魚みたいな顔してるけど」

「……せめてもっと他の表現ができないか? 結構傷つくんだよ」

 俺はボロボロの体を手で押さえながら、前へひたすら歩き続ける。

 ここでダークヘラボーンでも出たら間違いなく死ぬ……


 あ、しまった。これ絶対死亡フラグになるやつだ。


 俺の予想通り、背後からガサガサという音を立ててダークヘラボーンが現れる。

 ……どうすればいいんだろう。ここは頼りないけどヘンテコ魔法使いに頼るか。

 俺はチラッとアークに視線を送る。すると意味を理解してくれたのか、アークはコクンと頷き了承してくれた。

 俺も念のためメタルソードを鞘から引き抜く。

 まあ取りあえずこれで……


「んじゃ、後はよろしくねきょーや!」

「……は?」


 俺が素っ頓狂な声を上げると同時に、アークはダークヘラボーンと反対方向に駆け出していった。

 ……ちょ、ええ!? 

 また俺をおとりにしようってか? ふざけんじゃねえ。

 俺は突進してきたダークヘラボーンをかわすと、後ろにいるアークへ叫ぶ。

「オイ! 一体どういう解釈した!? さっきのはお前を頼る合図だよ!?」

「ええっ!? 私はてっきり『ここは俺を置いて逃げろ! 俺はお前らの壁となる!』って思って……」

「ざけんな! あんなヤツの攻撃食らってたまるか!」

 アイツの攻撃に耐えられるとかどんなタフ野郎だよ。

 俺はメタルソードで攻撃を防ぐと、すぐさま魔法を撃つ。

「『サンダー・レイン』ッ……!」」

 魔法杖から電撃が現れ、ダークヘラボーンの体を包み込んだ。

 やっぱり大して効いてないっぽいけど、まあ時間稼ぎができただけでも上出来だろう。

 俺はボロボロになったゴボウのごとく足で、必死にダークヘラボーンへと接近する。

「『プチ・サンダー』! からのぉ……どーん!」

 俺は電気で強化されたメタルソードの腹でダークヘラボーンの頭をぶん殴った。

 ……あ、攻撃するところ間違えたわ。角狙えば一撃で仕留められたのに。

 まあいいや。カッコよくキマッたし。

 俺は引き続き突進してくるダークヘラボーンをかわしながらも、電気魔法を撃ち続ける。


「『ウォーターデッド・ファイナルフリーズ!!』」


 突如ダークヘラボーンの頭上に大量の水が降り注ぎ、それと同時に水がパキパキと凍っていく。

 気付けばダークヘラボーンは、すっかり冷凍されてしまっていた。

 これは……あのオヤジを倒した魔法だな。やはり自称伝説の魔法使いは伊達じゃなかったのだろうか。

 冷凍しちゃったけど……まあいいか。一応倒したワケだし、復活する可能性も極めて低いだろう。

「えっへん。この私の手にかかればちょろい……わあ……」

 地面へ倒れそうになったアークを、俺は慌てて手で支えた。

 ……俺これまたおんぶするのお? もうさすがに疲れたんだけど。

「むにゃあ……鶏が一匹……二匹……」

 そして魔法を使った後は必ず眠ってしまうのだろうか。

 コイツの場合メシについての寝言しか言っていない気がするが。それも肉に関する生々しい寝言ばかり。

 いつピピが食べられてもおかしくないぞ。

「よいしょっ……いってえ! 腰がッ……」

 俺はズキズキ痛む腰を押さえながら、歩き出した。

 

 クエスト、成功。

 

 


投稿遅くなってしまいました。そういう日もあります。

引き続きよろしくお願いします!

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