ピピはどこだ? (ライア視点)
「はあ……はあ……見つかりませんね……」
「ああ……ピピ……一体どこに行ってしまったんだ……」
私たちは木の生い茂る森の中、荒々しく息を切らしていた。
ピピを捜すために猛ダッシュで走ったものの、小さい鳥を見つけるのはかなり難しい。
それにもう辺りが暗くなってきている。ここはいったん戻って対策を……
「……あれ。迷っちゃいましたね」
「……本当だな。どうしたものか」
森の中は木が多い上に、暗いので道が分かりにくくなっている。道に目印でも付けておけば良かったのかもしれない。
今は何時だろう。かなり長い間走り回っていたので、30分ぐらいだろうか。
「どうします? これ」
「……取りあえずこれ以上捜すのはやめよう。猛獣が潜んでいるかもしれない。テントが張りやすそうな場所を探そう」
私は言われた通りに場所を探し始めた。
どこも地面がボコボコしているので、テントを張りやすそうな場所がない。
そういえば京夜さんとアークを置いて来てしまったが、大丈夫だろうか。京夜さんにアークを背負わせてしまったので、もしかしたら困っているかもしれない。
……いや、体力には自信があるとか言ってたし、大丈夫か。
私が二人のことについて考えていると、コハクさんがいい場所を見つけたのか、地面を指さしながら。
「ここなんかいいんじゃないだろうか。地面もボコボコしてないし、寝る時に痛くない」
見てみると……なるほど、確かに良さそうだ。
小石なんかも落ちていないし、何より木陰の下の場所なので安全そうな気がする。
私たちはそこに決めると、テントの準備を始めた。木でできた釘のような物を打たなくてはならないらしい。
「いたた……足がああ!! しびれたああ!!」
「大丈夫?……って私も! ああああああっ!!」
私たちは仲良く地面に転がりながら、大絶叫した。
転がった場所が石の無い場所で良かった。もし石の多い場所なんかに転がっていたら、体中ケガしていたかもしれない。
私たちは涙を浮かべながらも立ち上がると、再び作業へと移る。
「うう……テント張るのってこんなに大変なんですね……初めて知りました」
「ああ……予想外にコレはっ……」
コハクさんが痛そうに両足を押さえた。
一刻も早く休ませてあげた方がいい。テントを張ったら私が夕食を作ってあげよう。
「……やあっ! 終わったあ……」
私は最後の釘を打つと、装備を脱ぎ捨てテントへと入った。
中は狭いけど、その分安心できる気がする。
「いやあ、結構大変だったな……足がっ……」
「大丈夫ですか? 夕食は私が作りますから、コハクさんは休んでいてください」
「ああ、すまない……」
コハクさんをテントに座らせると、私は夕食を作るべく外に出た。
調理道具も持ってきているので、私はウキウキ気分でエプロンを付ける。
思えば、料理するのも久しぶりだ。まだ幼かった頃に、両親から「美味しい」と褒められたこともあるのだ。若干顔が引きつっていたような気がするが、多分見間違いだろう。
「私がとびきり美味しいカレーライスを作ってあげましょうっ!」
私はキュッとエプロンを絞めると、調理へと手を出した―――――
いやあ、投稿する順番間違えちゃいました(テヘペロッ♪)
京夜くん→ライア→ の順番で一話ずつ投稿していくつもりだったのですが……まあ許してください。
なるべく毎日投稿していけるようにしたいと思います!
引き続きよろしくお願いします!( *´艸`)




