覚悟
「さて、佐々木。貴様に、もう一度死んでもらうとしよう」
俺の目の前にいたゼウスはそう言って、魔法の詠唱を開始しようとした。
どうやら、また俺を殺すつもりらしい。
よくもまあ飽きないな。そこまで俺を嫌っていたのだろうか。
―――と、その時だった。
「ゼウス様、例の侵入者に関してですが」
何十人、何百人もの天使を引き連れたラファエルが、拷問部屋へと入って来た。
ラファエルはゼウスの元へ歩み寄ると。
「侵入者は、こちらへと向かってきています。人数は7人程で、そこそこの戦力も持っているかと。……しかし先程100人程の天使を送りましたので、恐らく苦戦はしているかと思われます。……どういたしましょうか?」
「そうだな、念の為だ。貴様らも侵入者の元へと向かえ。何が起こるか分からん」
「かしこまりました――――……っぐ!?」
俺はラファエルの報告を聞いた瞬間、すぐさま悪魔化を発動させ鎖を切り、ラファエルを遠い拷問部屋の壁へと蹴り飛ばした。
『なっ――――!?』
天使達が、息を飲む様子が伝わって来た。
俺は翼を広げ、天使達を睨むと、一言。
「―――行かせねえぞ」




